ブルーブラックカンパニー

コンセプトは「社会デザイン×知の再編集」。社会デザインの実践的研究・基盤整備・政策提言…

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コンセプトは「社会デザイン×知の再編集」。社会デザインの実践的研究・基盤整備・政策提言の経験と、編集者としての視点・発想・スキルをもとに、地域振興・まちづくり・出版分野で事業展開。企画/調査・研究/講演/執筆/研修・セミナー/WEBマガジン/ソーシャルデザインライブラリー®など。

最近の記事

企業連携を重視した若者支援で闇バイトや貧困ビジネスに対抗 采見達也さん〈後編〉

社会から孤立した若者が犯罪に加担してしまわないために  NPO法人サンカクシャは、主に虐待などを理由に、親や身近な大人を頼れない15歳から25歳までの若者に対して、「居場所」「住まい」「仕事」の三つの支援を通して生き抜いていくためのサポートをしている団体です。    私が若者支援に関わるようになったのは、前職で警察関係の仕事に携わっていた経験がきっかけとなっています。具体的には特殊詐欺の被害を減らすための広報活動の事務局として、おじいさん、おばあさんに「今こういう詐欺が流行

    • 若者が生きるための基盤になる居場所・仕事・住まいを支援 采見達也さん〈前編〉

      親や身近な大人を頼れない若者たちをサポート  NPO法人サンカクシャは、虐待などを理由に親を頼ることができない15歳から25歳ぐらいまでの若者に対して、「居場所」「住まい」「仕事」の3つの支援を通して、人生を生き抜いていくためのサポートを行っています。そのために、地域や企業の方々と連携しながら、若者が安心して社会と関わる経験を積み、さまざまなつながりを作って社会に出られるよう、支援を行っています。    若者支援の多くが対象を18歳までとしているところ、私たちが25歳までと

      • マイノリティパフォーマーが「魅せ者」として活躍 東ちづるさん〈後編〉

        エンターテイメントを通じて「まぜこぜの社会」を体感  私は俳優業を行いながら、誰も排除しない「まぜこぜの社会」を目指し、アート、音楽、映像、舞台などのわくわくすることを通じて「既に私達はともに生きているんですよ」ということを見える化、体現化する活動に取り組んでいます。32年前から様々な活動を行ってきましたが、2011年の東日本大震災で社会が大きな不安に陥った時にマイノリティがますます追い詰められてしまう現実を目の当たりにしたことで「より本格的に活動を行わなければ」と一般社団

        • エンタメを通じて目指す「まぜこぜの社会」 東ちづるさん〈前編〉

           私は俳優業を行いながら、誰も排除しない社会を目指し、アート、音楽、映像、舞台などのエンターテインメントを通じて「既に私達は一緒に暮らしてるんだよ」「ともに生きてるんだよ」ということを見える化、体現化する活動に取り組んでいます。昨今では多様性社会、ダイバーシティ、インクルーシブ、ノーマライゼーションと、いろいろな言葉が使われていますが、私たちは「まぜこぜの社会」という言い方をしています。そして、福祉施設、支援団体、企業、省庁、超党派の政治家、家族、個人みんなをつなげるという思

        企業連携を重視した若者支援で闇バイトや貧困ビジネスに対抗 采見達也さん〈後編〉

          「見えないものが見えてくる瞬間」こそ演劇の魅力 高宮知数さん〈後編〉

          生まれ故郷で出会ったアングラ演劇の衝撃  私は高校3年生まで福岡県久留米市に住んでいました。現在は市町村合併で30万人ほどの人口になりましたが、当時は20万人弱の地方都市だったので、演劇といえば学校観劇以外では年に1回、地元のデパートや市民会館に歌舞伎がやってくる程度でした。一方、ATG(日本アート・シアター・ギルド)を含めて映画はたくさん上映されていましたし、コンサートもホールツアーがよく行われていました。福岡が地元の海援隊をはじめ、井上陽水さん、泉谷しげるさんなどは、久

          「見えないものが見えてくる瞬間」こそ演劇の魅力 高宮知数さん〈後編〉

          マーケティングからアートへ、そしてソーシャルデザインへ 髙宮知数さん〈前編〉

           このたびは「演劇島プロジェクト企画制作担当」とご紹介いただきましたが、もともと私は大学卒業後、広告代理店でマーケティングの仕事に携わっておりました。その後も色々なことをやってきましたが、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科講師の職は2011年4月に中村先生に招いていただき、マーケティングの立場からソーシャルデザインにどう取り組むかを研究する「ソーシャルマーケティング」について教えております。またエジプト考古学者の吉村作治先生とのご縁で招いていただいた東日本国際大学では、

          マーケティングからアートへ、そしてソーシャルデザインへ 髙宮知数さん〈前編〉

          旅からはじまる持続可能な未来づくり 小松﨑友子さん〈後編〉

           9/21の放送は、前週に引き続き、観光ブランドプロデューサーで株式会社イントゥ代表の小松﨑友子さんをゲストにお迎えしました。   後編では、和歌山県那智勝浦の熊野古道などを例に、「観光客にとっての魅力ある観光地づくり」と「生活される方たちにとっての持続可能な地域づくり」を両立させ相乗効果を高めるアプローチについて伺いました。 「答えは地元の人々が持っている」  私たちがミッションにしている「“旅”から始まる持続可能な未来づくり」の事例として、地元自治体の皆さんとともに取

          旅からはじまる持続可能な未来づくり 小松﨑友子さん〈後編〉

          アフターコロナの観光戦略とは 小松﨑友子さん〈前編〉

           9/14の放送は、観光ブランドプロデューサーで、株式会社イントゥ代表の小松﨑友子さんをゲストにお迎えしました    コロナ禍で日本に来る外国人観光客が大きく減少しましたが急速に回復し、今年上半期は過去最多の1778万人に達しています。そうしたなか、日本の地方がさらに活性化していくために必要なことなどを伺いました。 「“旅”から始まる持続可能な未来づくり」  私が代表を務めている「株式会社イントゥ」は旅のマーケティングをしている会社です。「“旅”から始まる持続可能な未来づ

          アフターコロナの観光戦略とは 小松﨑友子さん〈前編〉

          生ごみから堆肥を作ってコミュニティガーデンへ 平希井さん〈後編〉

           9/7の放送は前週に引き続き、ローカルフードサイクリング株式会社の平希井(たいら・けい)さんをゲストにお迎えしました  同社は福岡県を拠点に、微生物の働きを活用して家庭からでる生ごみを分解させ堆肥(たいひ)にする事業を展開されています。   生ごみや落ち葉などの有機物を、微生物の働きにより発酵・分解して堆肥をつくること、またそのための容器は「コンポスト」と呼ばれています。  後編では、地域住民がコンポストで作った堆肥を使うコミュニティガーデン事業など、「半径2kmの生活圏

          生ごみから堆肥を作ってコミュニティガーデンへ 平希井さん〈後編〉

          祖母と母から受け継いだコンポスト 生ごみから始まる都会の小さな循環 平希井さん〈前編〉 

           8/31の放送は、ローカルフードサイクリング株式会社の平希井(たいら・けい)さんをゲストにお迎えしました。同社は、微生物の働きを活用して家庭からでる生ごみを分解させ堆肥(たいひ)にする事業を、福岡県を拠点に展開されています。    生ごみや落ち葉などの有機物を、微生物の働きにより発酵・分解して堆肥をつくること、またそのための容器は「コンポスト」と呼ばれています。前編では、祖母から母、そして娘の平さんへとコンポストの活動が受け継がれ、起業に至った経緯などをうかがいました。

          祖母と母から受け継いだコンポスト 生ごみから始まる都会の小さな循環 平希井さん〈前編〉 

          リジェネラティブ(再生型)を体現するエシカルホテル「Mana」をバリで運営 濱川知宏さん〈後編〉

           8/24放送は、一般社団法人Earth Company共同創設者・最高探究責任者の濱川知宏さん(はまかわ・ともひろ)さんの後編でした。  Earth Companyは、次世代につなぐ未来のために、人と社会と自然が共鳴しながら発展する「リジェネラティブ(再生型)」なあり方を追求されています。 南の島フィジーでの原体験―「何もないけど全てがある」  私がリジェネラティブ(再生型)をキーワードに「Earth Company」を立ち上げることになった原体験についてお話しようと思

          リジェネラティブ(再生型)を体現するエシカルホテル「Mana」をバリで運営 濱川知宏さん〈後編〉

          キーワードはリジェネラティブ(再生型) 人と地球の「共繁栄」を目指す 濱川知宏さん〈前編〉

           8/17放送は、一般社団法人Earth Company共同創設者·最高探究責任者の濱川知宏さん(はまかわ・ともひろ)さんをゲストにお迎えしました。   Earth Companyは、次世代につなぐ未来のために、人と社会と自然が共鳴しながら発展する「リジェネラティブ(再生型)」なあり方を追求されています。  次世代につながる「リジェネラティブ(再生型)」な活動  「Earth Company」は、日本とインドネシアで活動する2つの法人の総称で、日本では一般社団法人登録をし

          キーワードはリジェネラティブ(再生型) 人と地球の「共繁栄」を目指す 濱川知宏さん〈前編〉

          文化体験との融合による新たな食育へのアプローチ 今里衣さん〈後編〉

           8/10放送は、東京学芸大学附属 世田谷小学校 栄養教諭、今里衣(こん・さとえ)さんの後編でした。   栄養教諭は2005年から制度化された職種で、学校給食の運営、献立作成、調理員さんへの指示その他衛生管理をするほか、子どもたちへの食育をコーディネートしています。 食の大切さを伝える「食育」の工夫―食と落語を同時に学ぶ  食の大切さを子供たちに伝える活動のひとつとして、落語を取り入れた食育にチャレンジしました。もともと小学校 4 年生は、国語の授業の「日本の古典文化を知

          文化体験との融合による新たな食育へのアプローチ 今里衣さん〈後編〉

          食生活をとりまく社会環境の変化で生まれた「栄養教諭」 東日本大震災直後の宮城県で学校給食の重要性を再認識 今里衣さん〈前編〉

           8/3放送は、東京学芸大学附属 世田谷小学校 栄養教諭、今里衣(こん・さとえ)さんの前編でした。   栄養教諭は2005年から制度化された職種で、学校給食の運営、献立作成、調理員さんへの指示その他衛生管理をするほか、子どもたちへの食育をコーディネートしています。 食生活をとりまく社会環境の変化から生まれた「栄養教諭」  私は現在、東京学芸大学附属世田谷小学校で栄養教諭を務めています。栄養教諭制度は、子どもの食生活を取り巻く社会環境が大きく変化し、朝ごはんを食べない子ども

          食生活をとりまく社会環境の変化で生まれた「栄養教諭」 東日本大震災直後の宮城県で学校給食の重要性を再認識 今里衣さん〈前編〉

          「余白」や「隙間」は新たな発想や寛容さを生む源 ニシイケバレイを持続可能な循環型コミュニティに 深野弘之さん〈後編〉

          7/27放送は、「ニシイケバレイ」オーナー、深野弘之さんの後編でした。    池袋西口のビル群の谷間に、カフェ、コワーキングスペース、和食レストラン、シェアキッチン、レジデンスなどから成る緑豊かな一帯が広がっています。元禄時代から続く深野家の第17代目当主として土地を受け継いだ深野弘之さんは、この地を「ニシイケバレイ」と名づけ、大家業を営んでいます。 「大家である自分自身がわくわくする気持ちを大切に、〈隙間〉や〈余白〉の大切さに共感してもらえる人たちと一緒にニシイケバレイを

          「余白」や「隙間」は新たな発想や寛容さを生む源 ニシイケバレイを持続可能な循環型コミュニティに 深野弘之さん〈後編〉

          池袋西口のビル群の谷間に「顔の見えるコミュニティ」を創出 先祖から受け継いだ土地を「地域に開かれた資産」として活用 深野弘之さん〈前編〉

           7/20放送は、「ニシイケバレイ」オーナー、深野弘之さんの前編でした。    池袋西口のビル群の中に、カフェ、コワーキングスペース、和食レストラン、シェアキッチン、レジデンスなどから成る緑豊かな一帯が広がっています。  元禄時代から続く深野家の第17代目当主として土地を受け継いだ深野弘之さんは、この地を「ニシイケバレイ」と名づけ、大家業を営んでいます。  前編では、「ささやかでも顔の見える関係が、街の良き未来を育む」と考える深野さんが、大家の立場でまちづくりに取り組んだきっ

          池袋西口のビル群の谷間に「顔の見えるコミュニティ」を創出 先祖から受け継いだ土地を「地域に開かれた資産」として活用 深野弘之さん〈前編〉