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『虞美人草』 12 夏目漱石 (というよりほぼ、漱石山房記念館レポ)

1,432字


一九 (藤尾の葬式)

 早稲田にある、夏目漱石山房記念館に行ってきた。
一階がカフェ、ミュージアムショップ、ライブラリー、再現書斎。二階が展示スペースとなっている。とってもモダンで、彩光が良くて明るくて、気持ちの良い場所だった。
 
 先日は休館だったけど、入り口で外観の写真だけ撮ってきた💦
なので、今日は現地集合でカフェで待ち合わせしたけど、スムーズに会えた💕
 
 友人が、コーヒー飲みたいとのことで、私はノンカフェインの紅茶を注文。フォートナム&メイソンだって。漱石好みなんだろうか?バターケーキは11時以降入る、とのことで、ノンカフェインの紅茶だけいただく。バターケーキ食べたかった。残念。

 あなたはどんなの書きたいの、と言われて、つらつらと答える。彼女の書きたいものなども伺う。読書は私は電子書籍が多いと言ったらお説教されかけたので💦、展示見ません?とカフェを出る。

 二人連れで来ているのは私たちぐらい。皆さまお一人でいらっしゃっている。漱石の書斎を再現した部屋では、昔ながらの文机が置いてあった。やっぱり和風のこのスタイルだったのだろうか。甲野さんの父の使っていたような、ヌーボースタイルの洋卓は使わなかったんだろうか。

 漱石のあらゆる作品中の一文が、小さなパネルとして飾られている。草枕の冒頭の有名な一文とか、芥川に書いた手紙の中から一文(牛のように図々しく、、、っていうやつ)とか。
(二階は)写真撮影はダメみたい。メモも取らなかったから、この一文が出てくる本読みたい、と思った幾つかの作品名は忘れてしまった💦

 一文パネルの反対の壁に、各小説に登場する絵画について書かれた展示パネルがあった。『虞美人草』で、北枕の藤尾の枕元に逆さに立てかけられた屏風のことなどが書いてある。うん、確かに書いてあった、屏風のこと。
 あの屏風のことだけで、こんなに逸話があったのか💦 私が読んだと言っても怪しいな、と思いながら解説を読む。また一つ、漱石の作品を読んだらここに足を運んでもいいかも、などと思いつく。
(わざわざ足を運ばなくても、刊行物も、色々売っている)

 続いて、休憩室を通り抜けて(豪華な布張りの長椅子があるが、恐れ多くて腰掛けられない)、作品解説や直筆原稿、装丁などの展示を鑑賞。

 私は『こころ』を昔読んだのと、最近『虞美人草』を読んだばかりだが、他はあまり知らない。『坊っちゃん』も『吾輩は猫である』も遠い昔に読んだはずだけど、忘れてしまった。
 館内に掲示されている作品解説等を見て、次に読む本を見繕った。職場の同僚は、『文鳥』が良かったと言っていた。鳥の可愛らしさに溢れていたという。同僚は鳥派だ。私は、『夢十夜』が気になる。内田百閒に影響を与えたという。
 漱石は中勘介にも影響を与えた。(知らなかったが)中勘介の『銀の匙』を誉めたという。『銀の匙』も読みたくなる。

 『虞美人草』の解説で、漱石は藤尾のことを嫌な女で、早く殺したいと言っている。道義心がない、と。小夜子の方がどれだけ可憐だか分からない、と。
 でも、藤尾を殺した意図は教訓なのかと尋ねられると、教訓と見えるとしたら下手な小説だ、と答えている。
 
 あと、漱石は小野さんではなく、欽吾(甲野さん)だと解説されていた。
 なんか色々間違って読んでいたみたいだ。
(もちろん、好きに読んでいいはず、と心の奥底では思っているが)

 後味の悪さがあるのは、でもいい小説だと思う。
 すっきり爽快に終わってしまうとつまらない。

 

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