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なぜ、今、ジャーナリングが広がっているのか

こちらのグラフを見てほしい。
こちらは、Googleトレンドという、Googleで、特定のキーワード何回検索されたのか、という検索回数の推移を示したグラフだ。

「ジャーナリング」の検索回数

出典:Googleトレンド

2023年の秋ころから「ジャーナリング」の検索回数が増えて伸び続けているのがわかる。
そして、身近な部分や、読んでいる書籍でも「ジャーナリング」が増えてきていることを肌で感じている。


また、書籍やSNS上でも「ジャーナリング」という言葉を目にする機会が増えており、明らかにトレンドになっている様子がうかがえる。
では、なぜ今、ジャーナリングがこれほど注目を集めているのか。
以下に、主な背景や理由を整理してみる。



1. 物質的な豊かさから内面の重要性へ

社会全体の物質的な豊かさは格段に増し、生活自体はどんどん便利になっている。
そうなると、物質的ニーズだけを満たすことでは得られない「内面の充実」や「自己理解」への欲求が高まるのは自然な流れだ。
ジャーナリングは、自分の内面と対話し、感情や思考を整理する行為であり、物質的ではなく精神的な満足感を得る手段として注目されている。


2. 価値観の多様化と「自分らしさ」への回帰

かつては、幸せや成功のイメージが画一的で、人と同じような価値観を共有することが多かった。
しかし現在では、価値観が多様化し、「自分らしい生き方」を探究する人が増えている
自分の望む幸せやゴールを見つけるには、外部の情報よりも、最終的に自分の内面が決定打となる。
そこで、自分の本音や願望を知るための手段として、ジャーナリングが支持を得ている。


3. VUCA時代のストレスとプレッシャー

「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代」と呼ばれるほど、先行きが読めず変化の早い世の中になっている。
SNSを通じて他人の成功やさまざまな情報が容易に手に入る一方で、常に比較されたり、もっと結果を出さねばと駆り立てられたりするプレッシャーが強まっている。
そんな状況で、自分自身の方向性や状況を冷静に見つめ直す「立ち止まる時間」が求められており、ジャーナリングによる振り返りや思考整理は大きな効果を発揮する。


4. 個人主義化と自己責任論の広がり

社会が個人主義に移行し、東畑開人氏の著書で「小舟の時代」とも表現されるように、自分の問題は自分で解決しなければならないという風潮が強まっている。
悩みや迷いを抱えても、周囲に相談できる人が少なく、自己責任論が浸透している今、自分との対話を重視するジャーナリングが一種のセルフケアや自己解決の手段として認知されはじめている。


5. 親密なコミュニケーション機会の減少と「本音を出す」場の欠如

オンライン化やSNSの普及、地域や職場でのつながりの希薄化などにより、心から本音を晒し、信頼し合える対人関係が減少していると指摘される。
仮に親しい間柄であっても、すべてをさらけ出すのは難しい場合が多い。
しかし、ジャーナリングならば「他人に見せる必要がない」という点で、赤裸々な本心を書き出すことが可能である。
自分の中の本音を吐き出す“場”として、ジャーナリングが存在感を高めている。

ジャーナリングでは以下に自分を赤裸々に書くかが大事、というのは以下に記載した。



まとめ:変化と自己理解の時代にこそジャーナリングが求められる

  • 物質的に豊かで価値観が多様化している

  • VUCA時代のプレッシャーやストレス

  • 個人主義と自己責任論の台頭

  • 親密な人間関係の希薄化

こうした要因が重なり合う中で、自分自身の気持ちや考えを整理し、「自分らしく生きるための指針」を得る手段としてジャーナリングが注目されていると考えられる。

人によって目的は異なるかもしれないが、「自分の内面を整えたい」「悩みや不安と付き合いたい」「人生の方向性を掴みたい」というニーズは今後も高まり続けるだろう。
そのためにも、書くという行為を通じて自己理解を深めるジャーナリングが、これからの時代にますます広がっていくと確信している。

今の社会情勢は明るい面ばかりではないが、ジャーナリングのような内省的手法が普及することで、一人ひとりがより良い人生の舵取りをするきっかけになれば幸いだ。

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