191116ドクメンタ_記者

好きなことをしていたら、仕事になっていた(東成樹)

アートとの出会い

初めまして。美術回路の東成樹(ひがし)といいます。

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「どうして、アートが好きなの?」とたまに聞かれます。私、コントをつくったり、大学で夏目漱石の表現論を学んだりして、「表現」が好きなんです。それで学生の時、「ラファエル前派展」にぐっときたのをきっかけに、アートを見るようになりました。「ぐるっとパス」というミュージアムパスや、東京アートビートを見ながら、「美術館」とつく所をひたすら見てまわりました。

ある日、芸大の日本画展で、芸大生の友達ができたんです。彼に「ギャラリー巡りに、ついて行きたい」と頼んで銀座に行ったら、半日で10個以上のギャラリーをはしごすることになり、衝撃を受けました。それまでの僕は、一つの美術館を2時間、じっくりと見るだけで頭が熱くなっていたので。彼との出会いもあり、同時代を生きる作家たちと会える、現代アートのギャラリーも見るようになりました。

社内のアートコミュニティへ

会社に入ってからも、アートばかり見ていました。そして3年前、社内にあるアート組織「美術回路」と出会います。そこで手を上げて「アートと仕事」というテーマで、アート産業の拡張を担う方々と対談イベントを企画したんです。

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社内外から200人の方が集まり、アートコミュニティが生まれます。それ以来、アートの仕事の話を頂くようになり、芸術祭のアートツアーを企画したり、美術展の絵の選定・コピー書きなどをしてきました。またアートとビジネスの関係をリサーチするために、様々な場所で取材しました。(この記事のカバー写真は、ドクメンタにプレスとして入った時のもの)

ドクメンタ

▶︎ドクメンタのプレス発表会場。

そして、美術回路限定のメーリングリストをつくり、アート・イン・ビジネス情報を配信しています。

『アート・イン・ビジネス』にこめた想い

そんな中、アートコレクターであり、美術回路の創設者でもある若林さんに誘われて、アート研究会に入ります。その頃、「アートシンキング」などの概念が世間で出始めていました。ただ、「教養や思考が大切」とは言っていますが、いかに企業で実践するかまではまとまっていなかった。

そこで「アートをビジネスに活かす実践法をまとめた、体系的な本をつくろう」と、生まれたのが『アート・イン・ビジネス』です。

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2年間、たくさんの実践者からお話を聞きました。アクセンチュア、ヤマハ、寺田倉庫、マネックス、スマイルズ……。アートの力が感性や考えに何らかの影響を及ぼし、それがビジネスにおいて発露しているという、アート・イン・ビジネスの体現者たちです。

この本をきっかけにアートをビジネスに取り入れる実践者が増えて、アート界・ビジネス界がともに大きくなればと思います。

東成樹


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