アップ・イン・ジ・エアー/YouTube Live配信 vol.008のお知らせ
この告知は、うでパスタが書く。
ハッピー・ニューイヤー。
「去年今年貫く棒の如きもの」は高浜虚子がいまでいうYouTube Liveで詠んだ句であるそうだが、はたして今年、これほどまで昨年とニコイチだと感じられる新年もなかったのではないか。
あるいは戦争中に迎える新年はいつもこんな感じなのだろうか。もしかしたらそうなのかもしれない。
昨年の五月、まさに緊急事態宣言のまっただなかに開始が告知された九段下パルチザンのYouTube Liveは、出演者両名の心身の不調から昨年末の回をやむなく中止としたが、新年は2021年1月19日(火)20時より第八回の配信をスタートする。
今回のテーマは「去年の反省と今年の抱負」。
なんだそれはという感じだが、要するに出演者が揃わなければどうせまた誰かのひとり語りになるわけなので、ここはいったんどうでもいいテーマにしておくということになった。もちろんどうでもよくはない。
我々のYouTube Liveはいつもの通り、このマガジンを定期購読している皆さん向けの限定配信だが、いますぐ定期購読を開始すればこの記事の末尾に記載された配信URLを知ることができるし、何ならそれによって過去の配信も少なくともいくつかは遡って視聴することが可能だ(このあと紹介する)。
日時が都合にあわないという場合には、アーカイブや後追い(配信中に途中ではなく最初から視聴する行為)で視聴することもできる。躊躇なくサブスクライブしてもらいたい。
ところで「第八回」とお伝えしたが、「本当にその回数で合っているのか?」とナンバリングに対し無遠慮なチェックをいただいている。
せっかくなのでご紹介を兼ね、過去の配信を振り返ってみたい。
▼第一回 2020年6月4日
テーマはなし。
そして今日までつづく混乱のすべては私がこの回を当初「第0回」と称したことに端を発している。
「やってみましょう」というだけのことから始まった企画だったので、この回だけはミーティングアプリ・ZOOMを用いて配信した。
このためだけにZOOMをインストールし、その利用方法を調べたという皆さんにはお詫びするほかない。私は昨年その会社の株で莫大な利益をあげました。本当にありがとうございました。どれぐらい損したかは次回お話ししたいと思っています。
さて初回はあえてテーマトークをせず、ただいつものように酒を飲みましょうという趣旨でやっていたら、早々とキノコさんが横になってふつうに寝てしまった。
その時点で私はすでにいちどトイレで吐いていたが、仕方がないので終盤はひとりでカメラに向かい、ちょっとめずらしいと思った本を二冊ご紹介した。
そういう意味では「らしい」といえばらしい、幻の「第0回」にふさわしい配信だったと言えるだろう。なお視聴率はこの回が最高であった。
このときご紹介した書籍についてはまたいつかweeklyで振り返ろうと思っている。
▼第二回 2020年6月18日
タイトルを見てくれ、初回を「第0回」と言っていたのにもうこの有様だ。
テーマは「なぜひとはふたたび宇宙を目指し始めたのか、宇宙は現代にどのような変容をもたらすことになるのか」。
ちょうどイーロン・マスクのスペースXが米国ではスペースシャトル以来の有人宇宙船打ち上げに成功し、その衝撃的な映像が広くインターネットでもシェアされた直後のことでこのようなテーマにした。
この回は前回に比べれば穏便に終わり、話もそれなりにまとまったものになったと記憶している(記憶しているところまでは、という意味だが)。
「なぜIT長者はみな判で押したように宇宙を目指すのか」という問いに対するキノコさんの答えはまさに「倫理」の取り扱いに関する議論まっただなかで、そういう意味でも満足度の高いアーカイブだ。
▼第三回 2020年7月16日
とにかく阿呆なので告知記事に配信のナンバリングを入れず、ここからあと実際の配信回数と告知記事のナンバーがずれていく。
テーマは「生命科学の倫理」になるはずであったが、諸般の事情でキノコさんが欠場となり、私がひとりで他のことを喋った。「三時間の漫談ライブ」という当配信の別の一面はこの回に端を発している。
配信ではまず残念ながらキノコさんが出られないため自分がひとりで担当するということから、その昔にタレントのビートたけしが暴力事件を起こした結果テレビに出られなくなり、空いた穴をふさいだ明石家さんまや山田邦子らがその「男気」を買われて平成バブルの黄金期、テレビマンシップの頂点を目指して駆け上がっていくことになった様子を私自身の記憶から紹介している。
そのうえで私は「たけし事件」の背景となった時代、その少し前に起こった豊田商事の水野会長刺殺事件という異様な事件にも言及しながら、この時代の「ヤバさ」、それが昭和という敗戦をまたいだ大きな一時代の終わりであって、のたうちまわる熱をはらみ、株高や地価高騰といった側面からみれば再現可能な現象に見えたとしても、社会的・歴史的に検討をすれば決して繰り返されることのありえないグロテスクな、大きな痛みを伴う転換点だったことを強調した。
このあとのことはあまり記憶にないのだが、配信を見返してみると私はリーマンショックと債務危機のあいだに米財務長官やFRB議長を務めた人物の回顧録を読みあさり、「次の暴落で起こること」に備えようとしていた話をしている。それがつまりこの配信の八ヶ月まえに起きた「コロナショック」でどう出るか、というのがどうやら結果的にはこの配信の白眉ということになるようだ。
▼第四回 2020年8月20日
テーマは「死」、「自殺は倫理的ではないのか?」というものだが、これは発信力のあるひとや有名なひとがやるとたぶんめちゃくちゃに怒られているやつで、しかも結論は「自殺は倫理的に間違っていない」という肯定的なものだったので取り扱いには充分気を付けていただきたい。
だいたい倫理について言葉に出して議論している時点でその人間はもう完全に倫理的とはいえないわけで、そういった点にも注意が必要だ。
▼第五回 2020年9月13日
初めてのゲスト回、ゲストは私にとって二〇年来の腐れ縁であり、わりと最近まではビジネスパートナーでもあった人物だ。学歴が「東大入学」で終わっている彼である。
彼はこの前年に帰国するまで、ほぼ一〇年間を米・カリフォルニア州のサンノゼといういわゆる「シリコンバレー」の中心地で過ごしていた。こういったことから現地のギーク、テッキーの空気を伝えてもらい、「AI開発の倫理」について生々しい状況を聞きたいというのが企画の狙いだ。
もっとも、この回の議論は実はあまり噛み合わず、まずこのゲストが「特にAIと倫理について考えている人間は西海岸にはいない」と打ち明けてしまい、次にはキノコさんが「そもそも倫理という言葉の使い方に気を付けないといけない」と美味しんぼみたいことを言い始めたので私は疲れた。
ただしこれはファシリテーターとしての私の失敗である。
配信を見返すと、一番おもしろいのはもうあらかた話も終わったというときになってキノコさんがおもむろに「邪悪に堕ちたGAFA」の紹介をしはじめ、「まさにその話をさっきしてたじゃないですか!」「なんでさっき紹介しないんですか!」と突っ込まれているところだ。
キノコさんはいったい何のタイミングを待っていたのだろうか。会議の終わりになって「最後に一個だけいいですか」と言いだすタイプが絶対に(ひとりならず)いるが、やめてもらいたい。
▼第六回 2020年10月20日
やむを得ぬ事情により二回目の漫談ライブとなった第六回で予定されていたテーマは「家」、「現代人にとり家を買うことは果たして得策なのか」というものであったが、流れた。私が数年前にやらかした大失敗について語っている。
ここで話された「大失敗」のさわりは以下のノートでも読むことができる。私は実のところいまこの日までこの失敗からつづく流血に苦しんできたが、いよいよ二月の旧正月前をもって現地法人を清算することにホーチミンシティの税務署が「うむ」と賄賂を懐へ入れながら同意したので、ついに足かけ四年とかいう壮大なサガが爆損とともにクロージングするということになる。ちなみに本件に関して税務署に賄賂をオファーしたのはこれが初めてではないし、彼らがそれを受け取ったのも初めてじゃない。
▼第七回 2020年11月27日
「第六回じゃないの?」という視聴者の声を足蹴にしながら「vol.007」と銘打ったこの配信、それが実際正しかったことが今日ようやくお分かりいただけたかと思う。この回に病を押して出演したキノコさんは、そもそも病を発した原因のひとつでもある住宅事情を語らされ、それが尾を引いて年内はこれで引退となった。
▼第八回 2021年1月19日 20:00〜
今回である。
時間になれば、以下のリンクからYouTubeへアクセスして配信を視聴することができる。配信開始後、終了後にもアーカイブや後追いでの視聴が可能だ。ご参加を心からお待ちしている。
(以下に配信URLを掲載)
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