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2部リーグの頂点に君臨するという生き方(ラグビーではなく人生の話です)

私は高校から部活動でラグビーを始め、大学まで続けました。
そして大学ラグビーでの経験が、人生の選択に大きな影響を与えました。
2部リーグの頂点に君臨することは、人生だとどういうことなのか。

人生の課題に直面している人、就職や転職などで人生の岐路に立つ人の考えるヒントになったら嬉しいです。
序盤はラグビーの話が多いですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


ラグビーは騙し合いのスポーツ

ラグビーって意外と頭を使うスポーツなんです。
戦略がうまくいくと、敵から指一本触れられずにトライ(得点)することもできます。
ラグビーの醍醐味は、この敵を騙した瞬間だと思います。

大学2年生のとき、私が主導して特定の個人に頼ったこれまでの攻撃スタイルをやめました。
正面突破するのではなく、チーム全員でいかに敵を騙すかを考えた戦略に変えたのです。

その結果、2部リーグを全勝で終え、チームとして長年の悲願だった1部リーグに昇格することができました。
(地方のリーグです)

1部リーグで痛感した実力差

ラグビーは騙し合いのスポーツです。
しかし、それは「体格差が同じ場合」という条件付き。
1部リーグでその現実を突き付けられました。

リーグ戦が始まると、こちらのチームはケガ人が続出しました。
10割の力を出し続けないと、何もできないからです。
自分の力はこんなもんじゃない!と無理した結果、圧倒的な実力差を前に、部員たちは体も心もボロボロになっていきました。

とにかく体格の大きい相手を止めることができない。
反撃しようとしても、すぐにボールを奪われてしまう。
練習してきた戦術を、試すことさえ許してもらえない。
試合のほとんど時間、敵が攻撃を仕掛けてくるという最悪な状態でした。
こうなるとまったく楽しくありません。

なぜそんなに大きな差が開いてしまうのか。
答えは簡単で、ラグビーに投入できるリソースが大きく違うからです。

私たちは当然、勉学が最優先。
試験に合格しないと留年するので、それなりに勉強時間を確保する必要があります。
また、お金がないのでバイトにも時間を割かなければいけません。
筋トレしたり食事量を増やすと眠くなって日常生活に支障が出るので、それを優先することはできません。

一方、相手はラグビー最優先でいいのです。
ラグビーで結果を出すために私立大学に行っているし、プロを目指している人もいます。
トレーニング設備も充実していますし、コーチも雇われています。
遊びや趣味感覚でやっている私たちとは、ラグビーに向けられる熱量がまったく違います。

私たちは、1部リーグに居座り続けるためだけに、無理をしないといけません。
高カロリー高タンパクな食事を無理して詰め込み、体重を増やす。
筋トレしてプロテイン飲んでたくさん寝る、という体づくりに時間とお金を費やす。
それを、無理せずにできる人がいたのです。


私たちのチームはたった1年で、再び2部リーグに降格することになりました。

2部リーグだと全体のレベルが大きく落ちます。
大学院に進学する先輩がたまたま多く、1部リーグを経験したレベルの高い選手がそのまま残ったため、2部リーグでは試合を優位に進めることができました。

1部リーグのときとは逆の立場。
8割の力を出すだけで、楽に勝つことができます。
ケガ人も出ないし、なにより勝てる試合は楽しい。
リーグが変わっただけで、急に王者の風格が漂うのです。

大切なことは何か?

大学でのラグビーを通して、思い知らされたことがあります。

  • 1部リーグでは10割の力を出し続けないといけないので、心身ともボロボロになる

  • 多くのリソースを投入し続けなければ、1部リーグに居座ることはできない

  • どう足掻いても勝てない相手が存在する

  • 場所が変わるだけで、楽にたたかえる


これって、私たちの人生に通ずることではないでしょうか?

例えば、大都市に住むこと。
魅力的なものや、魅力的な人で溢れ返り、それらが淘汰されては次々と入れ替わる。
その中の一員として振る舞うことが求められ、ステータスを維持するだけで、お金や労力を消費しないといけない。

例えば、誰もが憧れる大企業に勤めること。
他人よりずば抜けたものがなければ、チャンスが与えられる順番は学歴等で決まっており、普通の生活していては優位に立つことができない。
それなりの時間とお金を投資して、自分磨きを継続しないといけないが、上には上がいる。

例えば、学歴を子どもに求めること。
塾や習い事に行くことが当然となり、お金と自由時間が減る。
勉強を楽しむことより、成果物を提出することが重視される。
その一方で、そんなに勉強しなくても成績がいい子もいる。


自分の身の丈に合わない環境であれば、無理を強いられることになります。
覚えておかないといけないのは、これらを「無理せずできる」人が存在するということです。
頑張っている時点で、とても不利な環境に置かれているのです。

私は、このことをラグビーと就活で悟りました。

私の選択

私は、田舎に分類されるであろう地方都市の中小企業(定義上は大企業だが世間に知られていない)に勤めることにしました。
みんなが憧れる都会の有名な大企業を、あえて選択肢から外しました。

目に映るものがいつも同じもの、いつも同じ人
余計な時間とお金を費やさなくても成果を出せて重宝される職場。
自然にも友達にも恵まれ、遊びを優先できる子育て環境。

日常生活に無理が存在しない人生を謳歌しています。

他人に憧れたり、自分に劣等感を抱いたり、子どもの出来が悪いと感じたりしてしまうのは、身の丈に合わない環境にいるからかもしれません。
無理することが当たり前になっているからかもしれません。

人生は、1部リーグか2部リーグの2択ではありません。
それこそ無数に存在するはずです。

大切なのは、無理をしなくていい環境に身を置くことではないでしょうか?
「どう戦うか」ではなく、「どこで戦うか」です。
別に、ある分類の頂点に君臨することを目指さなくていいんです。
もっと楽に生きられる環境を探すことに、たくさんの時間を割いてもいいのではないかと感じます。

無理して体調を崩す前に、無理して家族関係が崩壊する前に、無理しなくていい環境に移るという選択肢を考えてみてもいいですよね。
もっと楽に、幸せになれるかもしれません。

<今回のポイント>

  • みんなが憧れる環境は、無理を強いられる環境かもしれない

  • 他人に憧れたり、自分に劣等感を抱いたり、子どもの出来が悪いと感じたりしてしまうのは、身の丈に合わない環境にいるからかもしれない

  • 無理をしなくていい環境に身を置くと、楽に幸せになれる

今回の記事で、人生を気楽に考えられる方が増えてくれると嬉しいです。

またねー。
ベテランパパ

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