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“体力” “筋力”より大事なもの

こんにちは、久家です。

患者さんたちと話をしていると
運動習慣がなく
「何か運動を始めよう」
と考えている人のほとんどが
ウォーキングやランニング、筋トレなどをして

「体力、筋力をつけないと」

と思っているようです。

確かに人間は
何もしなければ加齢とともに
体力、筋力は落ちていきますが、
体力、筋力さえつければいいかというと…
そうではありません。

体力、筋力があるに
越したことはありませんが、
それよりも大切なものがあります。

今回は
体力や筋力よりも大切な

「正しい動作」

についてお伝えします。

僕が運動をする理由


僕が普段やっている運動は…
・ランニング
・ゴルフ(打ちっ放しのみ)
・呼吸トレーニング
・筋トレ
・体幹トレーニング

これらは
「フルマラソンで自己ベストを出すため」
「ドライバーで300y飛ばすため」
「体をでかくするため」
にやっているわけではありません。

⁡僕がこれらをやる目的は…

「正しい動作」を身につけるため。

⁡例えば、
「走る」という動作は
誰もが想像できると思いますが、

どのタイミングで

どの筋肉が

どのように動き、

どの骨や靭帯が

どのように動いて

その動作が行われる 「べき」なのか、

というのは、
僕らのような職業の人間は
知識として知っているだけでなく
体現できるべきだと思うんです。

⁡体にある何百という筋肉や骨、
その一つ一つを
意識して動かせるようになり
その結果として…

自分が意図した運動を正確に行える体になる

そのために日々訓練している感じです。

⁡もちろん皆さんは
こんなことをごちゃごちゃ考えながら
運動する必要はありませんよ(笑)

皆さんの体を診る
治療家としての僕にとって
必要なことだということです。

正しく体を動かせない、
運動もしない治療家に

「健康のために〇〇をしましょう」

と言って
運動指導なんてされようものなら…

「まずはお前がやれよ」

って思いますよね。

⁡筋トレをするとケガが増える?


「筋トレをするとケガが増える」

とよく言われますが、
あなたはどう思われますか?

⁡半分正しくて半分間違っている
と僕は思っています。

正しい動作ができない人が筋トレをしすぎれば
ケガのリスクは上がるし、
逆に正しい動作ができる人であれば、
単純にパフォーマンスが上がる。

⁡これだけのことだと思うんです。

⁡そしてこれだけ
「筋トレするとケガが増える」
「筋トレするとパフォーマンスが下がる」
と一般に信じられているということは、
それだけ

正しい動作をできる人がほとんどいない

ということではないでしょうか。

⁡プロのアスリートでも
筋トレで体を大きくした結果、
ケガが増えて成績を残せなくなる
みたいな選手がいますが、
あれって

「筋トレをした結果」

ではなく、

「動作の修正を行うことなく筋肥大をした結果」

だと思います。

腰痛持ちの方に
「腹筋、背筋を鍛えましょう!」
膝痛のおじいちゃん、おばあちゃんに
「脚の筋肉を鍛えましょう!」
と単純に指導する医者や治療家が多いですが、
あれって結構乱暴な指導です。

筋力さえ強くなれば解決するものではありません。

日常生活の動作に目を向けて
その動作を効率的にすることが
とても重要なことなんです。

⁡人間だけが正しく体を使えない!?

世の中のお父さんが、
子供の運動会で張り切りすぎて
足をつったり肉離れを起こしたり…
よく聞く話ですよね。

そうならないように
入念に準備運動をしましょう
という話になるわけですが、
ここで一つ疑問が出てきます。

人間以外の動物は
準備運動をするでしょうか?

⁡お腹がすいている。
目の前を獲物が横切った。

さて、

アキレス腱を入念に伸ばして、
肉離れをしないようにストレッチを…

なんてやっていたら、
一生獲物を捕まえることなんて
できない気がしません?

⁡チーターやトラやライオンが
そんなに入念に準備運動をしているとか、
走った後にクールダウンしないと
疲れが翌日抜けないとか、
筋肉痛が酷いとか、
そんな話は聞いたことがありませんよね。

〈チーター〉

「いやあ、最近足がよくつるようになってさぁ、
 若いころには必要なかったんだけど
 ガゼルを追う前のストレッチとかに
 すげえ時間がかかるようになってきたよ」

⁡〈トラ〉

「わかるわぁ。俺なんかもうメタボでさ、
 バッファロー追いかけるだけでも大変で。
 この間は立ち上がった瞬間に
 腰やっちゃって大変だったよ」

⁡〈ライオン〉

「いやいや、お前らまだまマシな方だぜ。
 あと5年もしてみな、
 五十肩で全然前足動かせなくなるぜ。
 しかも咬み付こうとしたらアゴ外れて、
 病院行ったら顎関節症ですね、だとよ」

⁡動物たちがこんな会話をしているとは
到底思えないですよね。

⁡こういう不健康自慢を
堂々とするのは人間くらいのものです。

⁡これに関して
厳密な議論はできませんが、
簡単に言えば…

動物たちは「正しく」身体を使ってるからケガしないだけのこと

⁡だと僕は思っています。

⁡与えられた身体に
ふさわしい使い方をしている

⁡ただそれだけのことかと。

⁡人間だけが無駄にケガをする。
つまり、
人間だけが、与えられた身体の意味を理解せず、
本来的ではない使い方をし、
結果としてどこかに負荷と疲労が蓄積し、
ケガにつながっている。

⁡これが、
スポーツでケガや故障をする
大きな原因のひとつなのです。

⁡そしてこれは
スポーツに限った話ではありません。

誰にでもやってくる「老い」というものに対応していくためには、正しい動作は不可欠です。

⁡年を取ってなぜケガをしやすくなるのか?

段差も何もない所で躓く…
突然足がもつれる…
あちこち関節が痛くなる…
背中が丸くなる…

⁡これらはすべて、

若いころの身体操作のゆがみが蓄積した結果です。

世間でよく言われる「体力の低下」「筋力の低下」が原因で、そうなるわけではないのです。

⁡体の不調や
パフォーマンスの低下を感じた時
「体力をつけよう」「筋力をつけよう」
とする人はいますが
「動きを良くしよう」
とする人はあまりいません。

⁡ぜひ

「正しい動作」ができているか

という視点を持って
自分の体と向き合ってみてくださいね。


今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

久家


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