武道における身体操作の考察(五輪の塔が示す理想的な身体バランス)
はじめにまだ、学生だった頃、中国武術や古武道に凝り、片っ端から関連書物を読み散らかした時期がありました。その中には柳生心眼流(島津兼治著、昭和54年)があり、まだ、手元にあって、久しぶりにパラパラと読み返してみました。この流派の柔術は強力な当身で有名ですが、本の中身は、大半が柔術や剣術の基本や技の解説となっています。そして、最後の7章には、現代人に理解し難い古武道の様々な考え方が丁寧に解説されています。その中には、多くの流派の古文書に五輪の塔(いわゆる、石灯籠のこと)が記され