
【書評】すぐ実践できる小技が満載の「超雑談力」
この記事を執筆しているのは4月。
環境が変わり、人間関係がリセットされ、新たなスタートを切る社会人、学生も多いことだろう。
そんな中で初対面の人との最初の雑談は超大事。
この本は、初対面の人を中心に、上司、知人、同僚までシチュエーションごとにすぐ実践できる小技が豊富に載っている本だ。
私自身、友達が全くおらずコミュニケーションが苦手なので非常に参考になった。
本記事では私が個人的に特に参考になった技をピックアップして紹介する。
否定しない
前提として、雑談の目的は「関係の構築」にある。
決して、問題を解決するための「お悩み相談」や「議論」ではない。
まず、雑談とはもっとフワフワしていて中身の無いものでいいということを理解してほしい。
そこで否定すると相手に悪い印象を与えるし、雑談の目的からずズレまくっている。
そこで、「それは違うんじゃない?」と否定するのではなく、一旦、「あーわかる」とか「そうだよね、私もそう思う」というように、共感してワンクッションを置くと悪い印象を与えづらくなる。
確かに、間違った知識を話している場合などは優しく訂正してあげた方がいいだろう。
しかし、「〇〇って〇〇だよねー」というように意見を言ってきた場合は、まず共感してあげるのが良いだろう。
大きなリアクションで一緒に楽しむ
雑談でテクニックを身につけるのも良いが、まずは雑談そのものを楽しもうとすることが大事。
そこで、身振り手振りを使って自分の感情をあえて大きく表現することで、相手も話し甲斐があるし、楽しくなるだろう。
逆にノーリアクションの人は、壁に向かって話しかけているようでつまらない。
雑談の際にはリアクションをあえて大きく取ることで、自分が楽しんでいることを全面に押し出したら相手からの印象はグッと良くなることだろう。
腕を組まない
これは、私自身が良くしてしまっていた癖だったので、ハッとさせられた。
驚くべきことに、腕を組むという行為は、自分を守り、他者を寄せ付けない印象を与える仕草らしい。自分にそんなつもりがなくても、相手は「話を拒絶された」と感じてしまうらしい。
これが癖になっている人は今すぐやめたほうがいいだろう。
ちなみに私は中学生の頃から学校でいつもしていたので、友達が一人もできなかった(←原因はそれだけじゃない)。
アドバイスは禁物
知人でも初対面の人でも、たまに「私、〇〇ができないんだけどどうしたらいいんだろう・・・」と、いわゆるお悩み相談をされることがある。
しかし、この時にアドバイスをして問題を解決してしまうのはNG。
なぜなら、その人は問題を解決してほしいんじゃなくて、共感してほしいだけだからだ
。そもそも、そういった悩みをこぼす人の多くは、すでに自分の中で答えが出ていることが多い。
言われてみれば、悩みがあるなら、専門家でもない一般人に聞くより、インターネット上で知識のある人の記事を読んだほうがよっぽど有意義だろう。
また、その場でアドバイスをして問題を解決してしまったら、「あんなことやこんなことも話したかった・・・」という気持ちが相手に残る可能性が高い。
先にも述べたように、雑談の目的は「関係の構築」であるので、話が続いていればなんでもよく、中身の濃い話や面白い話をする必要はないのだ。
単語そのままリピート
これは聞いたことのある人も多いだろうが、相手が話したことに対して同じ単語をそのままリピートするだけである。
「私、一人暮らし始めたんだよねー」
「一人暮らしかー」
「そこで自炊で親子丼作ったんだけどさー」
「親子丼!?」
みたいな感じ。
「そんな簡単なことでいいの?」と思われるかもしれないが、これだけでも相手は「自分の話を聞いてくれている」という感覚になる。
だがやりすぎたら逆に「コイツ話聞いてないな・・・」と思われるので、適度にやるのが大切。
WHYではなくHOWで尋ねる
雑談の中で「なんで△△したんですか?」というように理由を尋ねるのはNG。
理由を尋ねられると、「これといった理由はないんだけどな・・・」と思っている人にとっては、ちゃんとした理由を答えなければいけないと身構えてしまう。
また、理由を尋ねられるとどこか高圧的な雰囲気を感じるだろう。
そこで、WHY(理由)ではなくHOW(感情)を尋ねるのだ。
「なんで△△したんですか?」ではなく、「△△した時、どんな感じだったんですか?嬉しかったですか?」というように、そのときに感じた気持ちを尋ねると、そこから話も広げやすいし、相手にマイナスの印象を与えにくい。
結論:話しかけさえすればいい
色々とテクニックを紹介してきたが、結論としては、何も考えずに話しかけることさえできれば十分ということ。
私のようなコミュ症な人間が人に話しかけられない理由は、話しかける前にアレコレ考えてしまうから。
なのでこの本は、ある程度コミュニケーションが取れて、友達も少しでもいるという方が更に雑談ができるようになる為の物で、私のような人に話しかけることに高いハードルを感じている人には向かないかもしれない。
だがどんな人にも実践できるテクニックが載っているので、興味のある方はぜひ手にとって読んでもらいたい。