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記事一覧
【朗読】はりつけられた男
2015-08-28投稿 こえ部過去作品
私は彼を待っていた。
私は彼が来るのをずっと待っていた。
彼は私の竹馬の友だ。嘘のつけない男だ。
彼が約束を破るはずがない。彼は心から信頼できる男だ。
では、なぜ来ない。彼に何かあったのだろうか。
あぁ、日が沈む。彼は私を裏切ったのか?
私はここで死ぬのか。あり得ない約束を信じたばかりに。
南無三、もう終わりだ、私は諦め、目を閉じようとした
【台詞】昇華師・お凛
2015-08-14投稿 こえ部過去作品
なるほど、あんたは知らないんだね?
あの子はお凛。
人の苦しみ、悩みに欲望、殺意に嫉妬に歪んだ愛。
どうしようもない激しい気持ちを
代わりに引き受け封印する、それがお凛だ。
あの筆で、人の記憶を作品として封じ込めるのさ。
他人の悩みや不安を文学に昇華する、
誰が呼んだか昇華師お凛。
良く見ときな。本当の文学が生まれる瞬間を。
【台詞・朗読】勇者の兄
2015-08-12投稿 こえ部過去作品
何故、あいつを止めなかった。
母さん。何で止めなかったんだよ。
あいつに魔物なんて倒せるはずがない。
あいつ、死ぬよ。きっと。
そもそも・・・俺達みたいな普通の人間に出来る筈が無いんだ。
魔物を殺せるのは特別な人間だけだ。
そうだよ、俺達は勇者なんかじゃない。
あいつだってそうさ。なのに、何で止めなかった。
何で、あいつを行かせたんだ。
【朗読】溶け合うものたち
2011-10-03投稿 こえ部過去作品
ちがう・・・
違う違う違う
違う!!
こんな筈じゃなかった。私の望みは
こんな結末じゃなかった。
なにこれ・・・何なのよ!これは誰の手?この触角は何?
いやぁああああああ!!!
ー ひとつだけ、願いを叶えてあげよう。
かつて、誰も私のことを分かってくれなかった。
分かって欲しかった。愛して欲しかった。
友達が欲しかった。家族が欲しかっ
【台詞】神の炎を受けた村
2011-09-30投稿 こえ部過去作品
穢れてるんだそうだ。ワタシたちは。
神の怒りを受けた者に関わると、祟りがうつるんだそうだ。
ワタシの親友のベルデは婚約を破棄されて自殺した。
この池に浮かんでるのを見つけたんだ。
ベルデはいいやつだった。長い髪がとても綺麗で
笑うとえくぼができて可愛かった。
なぜあの子が死ななきゃいけなかったのか。
お前達のせいだ。
お前達「鉄の民」がワ
【台詞】母と 娘と 娘の 腎臓
こえ部過去作品 2011/9/29投稿
待って。ちゃんとお母さんの話を聞いて。
その人ね、腎臓の病気なの。
でね、若いドナーがいないとダメなんだって。
でも全然見つからないの。
お母さんのをあげたいんだけど、
あたし去年手術したから片方しかなくて・・・。
他人じゃないわよ!あんたの新しいお父さんになる人なのよ?
なんで分からないの!
お母さんね、これまで苦労してきて
ようやく・
悪魔は死体に恋をする
こえ部過去作品 2011/1/22投稿
私が初めてこの女に「愛してる」と囁いた時、私は彼女を愛してなどいなかった。いやむしろ軽蔑していたと言っても過言ではない。
彼女は清楚で育ちがよく、誰にでも優しかった。誰からも愛され、屈託の無い笑顔を浮かべる子犬のような女だった。
私はこの牝犬の化けの皮を剥いでやりたい衝動に駆られた。絵に描いた様なお嬢様も結局は、整形する前の私を辱めたあの醜い女共と同じ
ラブドールプラス Ver.C4の涙
こえ部過去作品 2010/12/16投稿
ワールドオリエント社の作った世界最高峰の恋人ロボット
ラブドールプラス Ver.C4、通称「シホ」の悲しみ。
ずっと一緒に暮らしてきた持ち主が、人間の女性と
恋に落ちてしまう。恋人ロボットの宿命。
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【朗読】繰り返すこの…
こえ部過去作品 2009/11/18投稿
私は21歳の冬、両親を亡くした。
すると神様か悪魔が私に力をくれたんです。
「リフレイン」人生をやり直すことができる能力。
2009年11月17日午前8時42分、
涙と汗にまみれて目覚めたあの時間に戻る能力。
しかも、前の人生の記憶をもったまま。
私はこの能力に気付き、何度も使用した。
失恋したり、仕事で悩んだりした時、人生をやり直す事が出
【朗読】ある男のラブレター
こえ部過去作品 2009/4/13投稿
俺は果たして成功したのだろうかと、
ふと疑問に思うときがある。
本当にこれでよかったのだろうかと、
不安になる時がある。
今、俺はあるバンドのライブに来ている。客席は満員だ。
歓声の中、ライブは続いている・・・。
本当は、この舞台に立ちたかった。
嫉妬していないと言ったら嘘になるだろう。
俺もかつては歌手を目指していたからだ。
歌唱力では
【朗読】ある博士の最期、世界崩壊の日
こえ部 過去作品 2009/2/13投稿
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親愛なるもう一人の天才へ。
君がこのファイルを見つけたと言うことは
君もこの事件を・・・ある程度理解した、と受け取るべきかな。
そう、このウイルスを生み出したのは私だ。
「何のために?」君はそう思ってるだろう。
「理解出来ない」、と。
しかし理屈は単純だ。私は誰かに雇われたわけではな