【朗読】はりつけられた男
2015-08-28投稿 こえ部過去作品
私は彼を待っていた。
私は彼が来るのをずっと待っていた。
彼は私の竹馬の友だ。嘘のつけない男だ。
彼が約束を破るはずがない。彼は心から信頼できる男だ。
では、なぜ来ない。彼に何かあったのだろうか。
あぁ、日が沈む。彼は私を裏切ったのか?
私はここで死ぬのか。あり得ない約束を信じたばかりに。
南無三、もう終わりだ、私は諦め、目を閉じようとした。
が、その時、突然何かが足にしがみついた。
驚いて目を開ける。
メロスは、約束を守る男であった。