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樋口直哉さんの【玉ねぎのピュレ】②「使ってみた」のでレポートする《頭の悪いレシピをばひとつ 12》
この記事、公式マガジンにピックアップしてもらいました!ありがとうございます!(*^^*)
さて、樋口直哉さんの「乳製品不使用の玉ねぎのピュレ」のレシピ↓をもとに……
「https://note.mu/travelingfoodlab/n/nc450bdbbbb55」
かなりの五百蔵流↓になりながらも、玉ねぎのピュレを作ってみました。
「https://note.mu/beabamboo/n/na54349e62bcc」
今回は、
実際にいろいろやって食べてみた編
です。
食べてみた結果、
ホワイトソースやホワイトシチューへと発展させられる可能性、大!
だと感じました。
五百蔵と同様に、乳と大豆の両方のアレルギーでお困りのみなさんには、とくにこの玉ねぎのピュレを強くおすすめします!
五百蔵も最初は、「玉ねぎを長時間ジックリ加熱する」ことや、「ミキサーを使う」ところが面倒臭くて面倒臭くて……だけど、そこを乗り越えた先にある美味しさは、そんなことへのためらいを吹き飛ばしてしまいます。
また、様々な食材と合わせたときの美味しさは、代替品というレベルを超えています。
・◇・◇・◇・
では、さっそく。
玉ねぎのピュレを作ったその日の晩ごはんに使ってみました。
ピュレを作ることと、①の「作ってみた」の記事を書くことに気合を入れすぎたため、すでにおつかれモードです。なので、調理は簡単に。
①蒸しキャベツにかけてみた
ピュレを作るために玉ねぎを蒸し煮したので、蒸し汁が残ってます。そこにに水を足して、キャベツを蒸し煮にしました。
各自の器に取り分けて、こしょうをふり、玉ねぎのピュレをかけます。
今回はゆずを入れすぎたため酸味が強いので、とろけるチーズで酸っぱさをやわらげて……といきたいところですが、そもそもが乳アレルギーなので、ヴィーガン用のとろけるチーズっぽいものをば、トッピング。
◇ 我が家では、マリンフードの「とろけるヴィーガンシュレッド」を使っています。
(味やとろけ具合はほぼチーズです。唯一、糸を引かないのが残念でたまりません)
では、いただきます。
キャベツの甘みと玉ねぎの甘みが調和するのか、全然違和感ないです。ヴィーガンシュレッドもいい具合に効いて、ゆずっぽさが消えてます。
酸味はどうも、柑橘系の酢であることが重要なようです。もし、醸造酢だったら、野菜との味の調和をこわしてしまうのかもしれない、と思いました。
そして、子どもと夫。文句をいわずに食べていたので、お味は合格のようです。
もっとも、
「これは何でできているのだろう?」とか、
「牛乳も豆乳も禁止の我が家で、どうやってこのようなクリーミーなものを調理したのか?」
という根本的な疑問に気がついてないあたりが、2人ともなかなかの大ウツケではあります。
②マカロニとあえてみた
そこで、調子にのって、米粉のマカロニをちょっとだけゆでてピュレと和えてみました。
これもイケます。てか、まんま、マカロニグラタンです!
アレルギーのせいで、もう、マカロニグラタンとか一生食べれんかもしれん……と絶望していたので、心のなかは感動の嵐です。
野菜や肉をコンソメでゆでて、このピュレで和えて、グラタンっぽく仕上げる……というのは、十分にありのようです!
さっそく、心のレシピブックにメモです。
また、水分を追加しすぎない、ということと、トロミをどうつけるか、という点をクリアできたら、かなり美味しいホワイトシチューもどきだって出来そうです。
こう言っては申し訳ないですが、某大手食品会社のCMしているアレルギー用シチューの素、子ども向けに味を整えているのか、甘くて苦手です。ミルクっぽいにおいも強すぎます。
このピュレを使う方が、味が自然ではるかに美味しいシチューが作れると思います。
・◇・◇・◇・
さて、翌日です。
ピュレは冷蔵庫で保存しました。
よ〜く冷えてます。その分、酸味がおとなしくなっています。
心配していた分離もおきていません……あ〜よかった〜!
③鶏のむね肉にかけてみた
晩ごはんのキャベツが残っていたので、こしょうと塩をふって、ピュレをかけて、子どものお弁当に。さらに、鶏むね肉をゆでたものも薄切りにして、いっしょに入れてみました。
帰ってきてからたずねてみると、「美味しかった」とのこと。ほっとしました。でも、ピュレがフタに張りついていてめんどくさかった……って、怒られました。
でもまあこれで、お弁当に使える可能性が開けました。
自分でも味を検証したかったので、昼食はお弁当と同じようにして食べてみました。
まず気がついたのは、キャベツといっしょになると、ゆずの酸味がぐっと前に出てくることです。だけど、鶏肉といっしょに食べると、酸味は全然、おとなしくなります。
食べ合わせによって、酸味が強調されたりされなかったりするようです。
いや、ていうかですね……
それも大事なんですが、もっと声を大にして言いたいことがあって。
ピュレといっしょに、薄切りにした鶏肉を口に入れた瞬間です。
まちがいなく、美食の神が降りてきましたね。
え……ピュレの味が別物……Σ(゚Д゚)
……って、マジでいったん、箸の動きが止まった……
日ごろは、ぱさぱさだとか、味が薄いとか、家族内でも評判のイマイチな鶏のむね肉……
最近やっと、しっとり茹でるテクを開発したものの、やはり、「鶏はイヤ!豚肉が食べたい!」と、子どもにけちょんけちょんにされる鶏のむね肉……
いや、かく言うあたくしだって、「節約の必要がなかったらわざわざ買わねーよ」なんて内心では思っている鶏のむね肉……
その、鶏のむね肉といっしょに食べたピュレ、
味が神。
ゆずの酸味は完全に消えて、ただまったりとふんわりとした味わいがお口に広がる感じ。
鶏のむね肉も、ぱさぱさとか無味過ぎてものたりないとかそんなのは無くって、渾然一体となってます。
鶏のむね肉は日本では不人気ですが、ヨーロッパなんかではそうではないそうです。ずっと不思議でしたが、その理由がこのひと口で瞬時にわかりました。
素材そのものの味を引き出したい日本人には、鶏のむね肉のうま味は不足している。
だけど、濃厚なソースの味を味わいたいヨーロッパの人たちには、己の旨さを自己主張しない鶏のむね肉が必要。
つまり、「鶏のむね肉は白ご飯の味わい」ということなのだと理解しました。
この衝撃は、みなさんにぜひ味わってもらいたいです。
だから、後日、五百蔵の鶏むね肉のゆで方をアップします。
もう、そのくらい、別世界の味わいがします。
④マヨネーズとまぜてみた
ピュレと鶏のむね肉だけ、でこんなに美味しいのなら、マヨネーズをまぜたらどうなるか、非常に気になります。
で、まぜてみました……アレルギー用のマヨですが。
結果は……
う〜ん、やめときゃよかった……(_ _;)
ふつうのマヨネーズならまた違ったもしれませんが、そもそもが「玉ねぎ+油+ゆず」のところに「酢+油を乳化したもの」をまぜたのは、蛇足でしかなかったようです。
さらに、マヨネーズっぽい味にするためにまぜられているあれやこれやが、邪魔ばかりしている感じです。
今回は、配合比率を追求するのはあきらめました。
鶏肉には再度ピュレをかけ直して、神の味を楽しむことにしました……
・◇・◇・◇・
⑤ご飯にかけてみた
マカロニとあえたらグラタンぽくなった、ということは、
ご飯にかけたらドリアになるのか?
はぜひ確かめたいところです。
そこで、ご飯に塩とこしょうを軽くまぜて、ピュレをかけて、レンジでチンしてみました。
……はい、チンしました。
あっ、水分がとんだのか、見た目が残念になってます。なんだか、じゃがいもの溶けたのがザラザラしてる……って感じになってます。
で、問題は味。
…………油っこい…………_| ̄|○
なぜだか、油の味が最前面に出てきて、気持ち悪すぎです。
ご飯にじかに油をかけすぎた、って感じで、吐き気がくる寸前で寸止めされている感じ。
食べながらかなり顔が引きつります……これはもう、苦行です。
そこで、ヴィーガンシュレッドをかけて、味の微調整。
マカロニでは油のきつさは感じなかったので、イケそうだったのに……残念。
1日たったのがいけなかったのか、チンしたのがいけなかったのか。
ご飯にかけるときは、なんらかの工夫が必要なようです。
⑥サツマイモにつけてみた
せっかくピュレを作ったんだから、とにかくなんでも実験してみようと思い、前日に焼いていたサツマイモにもつけてみました。
もしかして、スイートポテトとか、モンブランのいもクリームみたいな感じになるのではないか?と、期待感、大!です。
するとですね……
ナニコレ、モロに玉ねぎじゃんか……!(TоT;)
どうして今まで玉ねぎを感じてなかったのか不思議なくらい、玉ねぎの味しかしない!
「サツマイモにピュレをまぜて凍らせたら、アイスクリームっぽく出来るのか?」という野望があったんですけど……
夏になったら実験してみようかな〜?、って思ってたんですけど……
だけど、夏を待たずしてアウト!
まさしく、サツマイモと玉ねぎの天ぷらを同時に食べてみた、という味でした……とほほ。
にもかかわらず、ハチミツをまぜたらどうだろう?、とか、オレンジをまぜたらたらマスキングできるのではないか?、とか、しつこく考えています。
いや、それよりも。
再チャレンジするなら、芋けんぴか芋チップでディップ、ですね( ̄ー ̄)ニヤリ。
⑦コーンフレークにかけてみた
もしかして、コーンフレークの牛乳がけ、にちかい味になるのか、と思い、出来心でやってみました。
結果は……
ホワイトソースにコーンフレークをまぜた謎の食品
もしくは、カニ無しのカニクリームコロッケ
になりました。
不思議なことに、この組み合わせがいちばん、ホワイトソースの味がしました。
五百蔵はどうせ小麦アレルギーでパン粉が使えないので、それだったら、「くだいたコーンフレークを衣にしたクリームコロッケ」を目指してみてもいいかもしれません。
そのためには、手でまるめられるくらいの濃度と凝固をどう出すか、の工夫が必要です。
とにかく、組み合わせによって、不思議なくらいに味が変わります。
⑧ほうれん草にもかけてみた
そうこうして用事とかもしているうちに、再び晩ごはんの時間がせまってきました。
残りすくないピュレを活かしたい。
そのためには……
ほうれん草とホワイトソースのコンビを再現したい!
この組み合わせ、冬の味覚のゴールデンコンビですよ!
だけど、子どもが生まれて、親子でアレルギーなことが発覚して以来、「ほうれん草のホワイトシチュー」とか、「ほうれん草のクリーム煮」とかは、クリームコーンで代用して、ごまかしてきました。
しかし!この樋口さんのピュレ、かなりホワイトソースに近いです。このピュレがあれば、代用だけどゴマカシではない、堂々たる「ほうれん草のクリーミーななにか」が作れそうではないですかっ!
とはいえ、いろいろ実験しまくったせいで、もはや量は残ってないので、野菜のコンソメスープを作るついでにほうれん草を煮て、取り分けて、ピュレをかける、ということにしました。
その結果。
なぜか、ゆずの味が前に出てきて、
酢の物みたいな雰囲気のあるほうれん草のクリーミーななにか
になりました。
ほうれん草が温かかったせいでゆずが前に出てきた、ということがひとつはあると思います。
でも、それだけではなく、葉物と合わせるとゆずが強調される傾向があるような気がします。
また、ほうれん草を黙々と食べてる子ども(ほうれん草大好き)に、ピュレの材料は何か考えさせてみました。
前の記事に書いたとおり、においの第一印象はセロリ。だけど、真剣に味わってみて、違うと気が付きました。「ぜんぜんわからん〜」とか言いながら食べてましたが、しばらくしたら、みごと、玉ねぎであることを当てました。じっくりと考えていたら、なんとなく玉ねぎの風味を感じたそうです。
サツマイモと合わせるとモロバレだった玉ねぎですが、大丈夫、それ以外ならちゃんと風味をかくせているようです。
だけど、ゆずが入っていることは、さすがに当てれませんでした!(^.^)
・◇・◇・◇・
と。
ドタバタしながらでしたが、いろいろと味見してみました。
その結果から分かったことをまとめると、
①合わせる食べ物によって、強調される味わいがまったく違う。
②なので、「ピュレ自体を美味しくする」だけではなく、「何に合わせるのか」を意識しながら、油と柑橘類の酸味との比率を考える必要がありそう。
③そのときは、混ぜ込む柑橘類によって味が変化する可能性も視野に入れておきたい。
④だから、「ここでゴール」ではなく、まずはとにかく実験的にいろんなものと食べ合わせてみる、「今ここがスタートライン」のレシピである。
ということになると思います。
アレルギーがある人もない人も、これからどんどんこのピュレを作ってみて、いろんなものと合わせてみて、いろんなアレンジを試みて、成功も失敗もぜんぶ発信していく。
その情報をもとに、さらに誰かが、何と合わせ、どう活用するかるかも込みで、レシピとしてブラッシュアップしていく。
そんなふうにして、玉ねぎのピュレ自体の使用の幅が広がり、乳・大豆アレルギー対応のレシピが豊かになっていく。
五百蔵自身は料理のプロではないので、いろんなものと合わせてみて味がどうだったか、というレポートを出すことくらいしかできません。
ですけど、それが、玉ねぎのピュレを研究してみたい誰かの基礎データのひとつになって、アレルギー対応レシピの開発の後押しになったり、速度を速められたらいいなぁ、と思っています。
だから、ここで、「#樋口さんの玉ねぎのピュレ」というハッシュタグを作ることを提案します。
このハッシュタグのもとに、みんなの知恵を集めませんか?
こんなやり方で、料理の世界が豊かになり、アレルギー悩む人を減らすことができたら……と想像すると、なんだかわくわくしてきます。
思うだけでなく、実現できそうだ、と感じさせてくれるのが、noteという場のすごいところだと思います。
なぜなら、noteはふつうのブログと違って、「新しい何かを作る場」として機能しうる、と思うからです。
・◇・◇・◇・
しかしなんといっても、この樋口さんの玉ねぎのピュレ、「乳系の味わいの代替」として扱うのが失礼に思えるくらい、独自の美味しさがあり、魅力的です。
いままで五百蔵は、レシピ本とか見ても、
「どうせ作れんものを……わざわざ見せんとって……」
と、うつむいて目をそらせるしかありませんでした。
だけど、このレシピのおかげて、「料理って楽しい(≧▽≦)」という感情を、本当に久しぶりに感じることができました。
これ、アレルギーに悩む人たちにとって、とても大事なことだと思います。
次回はそのへんの考察について。
アレルギーでない人にも、ぜひ読んでもらいたいと思います。
《頭の悪いレシピを140字で》のマガジンもあります。
https://note.mu/beabamboo/m/m720f88c2485a
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