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2020年9月の記事一覧

こんな夢を見た。I had a dream like this.

 もうすぐ長い長い休憩時間が終わり、社会復帰としての再就職が始まります。マンションの管理人という未知なる仕事で、不安と期待と、感謝と達観と、そこをあえて、気楽に気楽にと考えています。
 先日こんな夢を見ました。3棟あって、それぞれ11階建で、473戸のマンションで管理人をしている自分。定時になって帰ろうとするけれど、出口が見つからない。迷宮。夜が更けてくる。パニックになり目が覚める。
 夢判断は得

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野茂は自立主義者だ。Nomo is an INDIVIDUALISTS.

 雑誌はほとんど読みませんが、特集記事によっては、ときどき読む雑誌があります。『Sports Graphic Number』です。2020年8月20日発売の1009号の特集は【<メジャー挑戦25周年 完全保存版>こんな夜に野茂英雄が読みたい。】でした。ところで、こんな夜とは?
 野茂英雄ファンの私としては無視できない特集です。近鉄時代は藤井寺球場で、メジャー挑戦後はNHKのTVで応援していました(

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文は人なり。The sentence is a person.

 先日、「ひみつのしつもん」(岸本佐知子著・筑摩書房刊)を読了しました。著者は翻訳家ですが、エッセイがとても面白いです。過去に講談社エッセイ大賞を受賞しています。どのエッセイも丁度良い長さ(短さ)なので、何かの合間にも読むことができます。でも結局、面白すぎて一気読みしてしまいます。
 タイトルにもなっているエッセイが秀逸です。著者はログインのときに、身元確認のための「秘密の質問」に答えを入力するの

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210日 210 days

 夏目漱石の作品に『二百十日』があります。漱石作品の中では超マイナーですが(台風時期ということで)一読をおすすめします。主な登場人物は阿蘇山に登ろうとする、圭さんと碌さんの二人。ビールはないが恵比寿がある、という女中さんとの会話は、案外、有名かもしれません。二人は悪天候(台風?)のせいで登れませんが。
 作品のとしての評価はともかく、漱石の同時代批判が随所に見られる作品です。特に圭さんの口から語ら

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デジタルでも他者と共に在ることを実感できるか? Can you really feel that you are with others even digitally?

 先日、『未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―』(ドミニク・チェン著/新潮社刊)を読了しました。この本は新潮社のWebマガジン「考える人」での連載『未来を思い出すために』をもとにしています(『未来を思い出すために』というタイトルが個人的に好きです)。情報学者の著者が、ますますグローバル化+デジタル化していくコミュニケーションの未来を、著者自身のエピソードを紹介しながら、前向きに語ってい

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