心と体をゆるめて、「眠り上手」になるために
前回の記事を多くの方に読んでいただき、本当にありがとうございます🌿
今回は、自律神経にも大きな影響を与える「眠り」をテーマにしたいと思います。
漢方では”睡眠より優れた薬はない”といわれたり、ハーブを用いた植物療法でも他に不調があっても眠りの質に改善の余地があればまずはそこからアプローチを始めるほど、健やかな心と体を考えるときに睡眠は切っても切り離せない存在です。
では、私たちが普段何気なく行っている睡眠とはそもそもなんでしょうか?
私たちの心と体を維持するために、脳と体を休ませるメンテナンスシステムとして備わっている「睡眠」。
現象としては、「周期的にくり返す、意識を喪失する生理的な状態」と表されます。
眠っている間に私たちの体ではどんなことが行われているかというと、
◎脳と体の休息
◎記憶の整理(レム睡眠のとき)
◎ストレスの消去
◎ホルモンの分泌
◎細胞の代謝による体の修復
◎免疫機能の維持
◎血液の生成
◎寝返りによる歪みや強張りの解消
など、命を維持するための大仕事をしてくれています。
睡眠不足が続くと、睡眠で補えなかったエネルギーを食事で補おうとするので食欲が増して太りやすくなったり、交感神経優位な時間が長くなるので血圧が上がってしまったりと、いろいろな面で影響が出てきてしまうのです。
不眠には5つのタイプがあり、
◎寝つきが悪い(入眠障害)
◎眠りが浅い(熟眠障害)
◎夜中に目が覚めてその後すぐに寝つけない(中途覚醒)
◎朝早くに目が覚めてしまい睡眠時間が短い(早朝覚醒)
◎日中の強い眠気をともなう疲労感や倦怠感がある(その他)
これに1つでも当てはまると質のよい睡眠とはいえず、いくつかのタイプが重なっていることもあります。
私たちは夜になっても明るい電気のもとで常にいろいろな刺激や情報に晒され、興奮や緊張状態が続きがちです。
そのため、寝る前になってもなかなか自然に副交感神経にスイッチが入らず、結果的に睡眠の質を下げることにつながっています。
電気がなかった昔の人たちは朝日とともに起き、早朝から狩りや農作業で太陽を浴びることで自然に交感神経のスイッチが入り、陽が沈むころにはちょうど体も心地よく疲れ、徐々に副交感神経にスイッチが切り替わり暗くなったら眠りにつくというような、シンプルな生活だったと思います。
その時代と比べて、24時間活動しようと思えばできてしまう現代の私たちは、意図的に1日のリズムをデザインしていく必要があるのです。
そこで今回は、しっかりと副交感神経にスイッチを入れ、眠りの質を上げるいくつかのポイントについてお伝えしたいと思います。
眠りの質を左右する大きなポイントは、寝る前に自分の心と体をいかに”深くゆるめられるか”ということ。
ここでの「深くゆるんだ状態」というのは、しっかりと副交感神経にスイッチが入って、心身ともにリラックスした状態です。
具体的に取り入れたいこととしては、
◎夜は照明を横からの間接照明&オレンジ色の電球にする
人は無意識に明かりで時間を認識しています。夜に上からの白い光を浴びると体は日中の光だと錯覚して活性化してしまうため、横からのオレンジ色の照明にすることが大切です。これは本当に効果的なのでぜひ試してみてください。
◎首や肩まわりの強張り・コリをほぐして上に詰まった気を下に降ろす
首・肩まわりのコリは、眠りや自律神経の乱れに大きく関わっています。
できれば毎日お風呂などで鎖骨や首筋、耳周りなどをほぐし、その日の疲れはその日のうちに解消しましょう。
◎お風呂は寝る90分前を目安に入る
人は寝る前に深部体温が1〜2℃ほど下がらないと寝つくことができません。
個人差はありますが、入浴後に体温が下がるまでには60〜90分ほどかかるため、入浴は寝る90分前くらいがいいと言われています。
◎寝る前は空腹状態に
寝る前に食事をすると、寝ている間に消化にエネルギーが割かれて体や細胞の修復に回るエネルギーが少なくなるため、朝起きても体は疲れたままぐったり重い状態に。夕食は寝る3〜4時間前に食べることを意識して、お腹が空っぽの状態で寝るようにしましょう。
◎寝る1時間前にはPCやスマホを置いて見るのをやめる
きっと誰もが分かってはいるけど、なかなか手放せない携帯などのブルーライト。ブルーライトは入眠に必要な「メラトニン」というホルモンを引っ込めてしまうので、意識してできるだけ避けましょう。
◎起きたらまず1分でもいいので朝日を浴びる
夜にちゃんと「メラトニン」を出すためには、朝日を浴びて「セロトニン」というホルモンを出すことがとても大切。セロトニンを出すには朝の20分ほどの散歩がベストですが、まずは1分でも外に出て朝日を浴びながら体を伸ばしたりするのがおすすめです。
他にも、ハーブティーが好きな方はカモミールやラベンダーティーなどを飲むのも緊張や興奮を鎮めてくれますし、香りが好きな方は自分が落ち着くなと感じる好きな精油を1つ持っておき、寝る前に香りをかぐのもおすすめです。
また、仕事が忙しかった日など疲れているのに覚醒してしまって眠れないときは、ティースプーン1杯のハチミツに天然塩を少し振りかけて寝る前に摂るのもいいのだとか。とくに脳の疲れが溜まっているときに有効で、頭を使う仕事の人ほど試してみるといいそうです。
*ハチミツには抗菌作用があるため、歯磨き後でも問題ありません。
今回の「眠りの質を上げるコツ」は、どれも一度は聞いたことがあるものばかりで地味だったと思いますが、やっぱり”基本に忠実”が一番大きな効果があるので、気が向いたときにどれか1つでも取り入れてみてもらえたら嬉しいです。
今回も長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました◎
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