一病息災
無病息災という言葉がありますが、これはその変形バージョンです(^^)
一つくらい病気を持っていたほうが、却って健康に気を使うようになるので息災にすごすことができますよ、というものです!
一つの病を持って、それが悪化しないように気を付けてゆく。
病があれば病医院に行くことになり、いろいろなチェックを受ける。
悪いところがあれば早く見つけて、早く治療する。
そして、日々の日常生活に気を付けてゆく。
食事、運動を含めた正しい生活習慣を心掛ける。
そういう意味で、病気を持っているのが「健康」あるいは「健康への道」という意味も分かりますが、病を経てから気づくのではなく、本来の「無病息災」でありたいものです。
「無病」は、“病気をしないこと”です。
「息災」は、元々は仏教の言葉で、“病気や災害といった災いを、仏様のお力で止める”という意味から転じて「災いもなく元気であること」を表しています。
「息災」の「息」には、“止める”、“鎮める”といった意味があります。
そんなところから、今では、「息災」は、“災いを鎮める”ということを表していて、身に災厄が無いこと、無事の意味に用いています。
この「息災」という漢字が使われている言葉は他にもあって、例えば「息災延命」や「延命息災」です。
どちらも“災難を防いで、長生きすること”という意味です。
他にも「無事息災」という言葉もあります。
これは“病気や災難といった変わったことがなくて、穏やかに過ごしていること”という意味です。
蘇東坡の文に「人の至楽は身に病無(な)く心に憂い無きに若くはなし」
人の最高の楽しさは、身体に病気がなく心に心配がないこととあり、昔の諺として「無病にして死す」(病気にならないで死ぬ)のが一番、と「漢書」に見えますね。
確かに考えるに、いわゆる「持病」というものを持っていると、健康について考えさせられるし、気を使うようになると思う。
持病などがあると、この病気を克服したい!と思ってやっていることが、結果的にトータルな健康を生み出すことになっていたりするわけですね(^^)
病気にはならないが一番!
でも、不幸にも永く付き合わなければいけない病気にかかってしまったなら・・・・・・
「一病息災」という言葉を胸に、付き合っていかないといけないんだなぁ、と思ったのでした○
【参考文献】
「一病息災」(中公文庫)内田百けん(著)
「一病息災―一患者のみた医療の四半世紀」藤原正三(著)
【名言からの学ぶ】
「一度も病気をしたことのない人間とはつきあうな。」トルストイ(作家)
「病むことにより、今までよく知らなかった自己がわかり、他人の問題が理解でき、思いやりの心が養われる。」日野原重明(医師)
「重要なのは、病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ。」カミュ(作家)
「病気になったら、私が一番最初に気をつけることは何かというと、1日中、病気のことで頭をいっぱいにしないことである。」宇野千代(小説家)
「最高の健康にはひとつの限界があり、常に病気と隣り合わせなり。」アイスキュロス(詩人)
「健康の感じは病気によってのみ得られる。」リヒテンベル(物理学者)
「ばい菌が病気ではない。その繁殖を許す体が病気だと知るべきだ。」石橋湛山(政治家)
「健康はケチの基本じゃないですか。病気になれば金はかかるし、大切な時間が無駄になる。」鳥井道夫(サントリー副社長)
「人間には不幸か、貧困か、病気が必要だ。でないと人間はすぐに思いあがる。」ツルゲーネフ(作家)
「病気は、より高い人生の階段を登ってゆく通路に過ぎない。」ヒルティー(哲学者)
「自分が今かかっている病気をがまんするほうが、決してかからないかも知れない病気について思い悩むより利口である。」ラ・ロシュフコー(著述家)
「人の成功と失敗の分かれ目は、第一に健康である。次には熱と誠である。体力があって熱と誠があれば必ず成功する。」五島慶太(東急電鉄創業者)
「心の力を知る人は、感情のこもった思いが、どんなに人間のからだを左右するか、又暗示というものが、いかに病気を引き起こしたり、なおしたりできるかということをよく心得ています。」クラウド・M・ブリストル(作家)
「病気は変化を起こすための強力な刺激であり、人によっては内面的葛藤を解決する唯一の手段だ。治る患者は、病気を人間的成長のための絶好の機会と考える。」アンドルー・ワイル(健康医学研究者)
「運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。」エドワード・スタンレー(政治家)
「人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。」マザー・テレサ(ノーベル平和賞受賞者)
「健康な人には病気になるという心配があるが病人には回復するという楽しみがある。」寺田寅彦(物理学者)