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思考と行動の連続性について
何かが起こるのは、何かをしているから。
そして、時に、何もしていないのに、何かが起こることもある。
だったら、自分が何かして、自分が望む結果を起こした方が得って思ったり。
そうでなければ、自分が望みもしない結果ばかりに、時間が奪われることになる。
痛いのは生きているから。
転んだのは歩いたから。
迷っているのは前に進みたいから。
逃げ出したいのは戦っているから。
自分を疑い、考え続けていかないと!
精度をとことん上げていかないと!
とにかく動けばエネルギーが補充される。
勇気も湧く。
動くことで見える世界も変わってくる。
今は、どうしていいか分からない。
ノーアイデアでも、動いたら何かが湧いてくる?
見えてくる?
そうじゃない。
「行動する」と同じくらい「考える」は大切なこと。
あえて言うなら、行動するのと、考えるのと、同じくらい時間を使っているのか?
もちろん、行動は大事。
しかし、行動するかどうかは、常に、条件付きであることは自明である。
そして、ただ単に行為を積み重ねることが経験ではなく。
何よりも重要なことは、持たれる経験の質にかかっている。
「体験=経験」じゃなくて、反省して初めて「経験」になる。
言い換えると、「体験すること」だけでなく、「体験を振り返り、関係性を見いだすこと」が大切。
その「反省的な思考」をデューイは、以下の5段階で表現していた。
1. 問題に直面する(最初にして、一番大切な項目であり、経験するということを重視するデューイにとって問題とは、学習者が日常生活で出会う切実な場面を指す。この切実な場面とは、活動の真正性と同様であり、真正性とは、日常生活の中で見聞きするものや経験する真実味があることを意味する。)
2.問題の所在を明らかにする
3.解決のための試案を明らかにする
4.解決試案を推理によって検証する
5.解決試案を行動によって検証する
経験の質を考えるにあたって、行った行為とその行為の結果の関係性を見出すために思考することが重要。(リフレクティブ・シンキング(反省的思考))
①連続性
経験は連続したものであり、ある経験が、その後の経験に影響をおよぼし、その後の経験の質も変化する。
②相互作用
正常な経験は、周囲の環境に代表される客観的条件と自己の変化という内的条件の相互作用によってなされる。
つまり、環境と個人の内面が相互に影響し合い経験が形成されていく。
この反省的思考を活かすために、私達の思考は、他者との対話を内面化したものである点に注意しておく必要がある。
双方が抱く前提を共有せずに、自分の意向に必ずしも従わない他者を相手にすることを想定するからこそ、私達の思考は、対話者を通して整序されていき、何らかのまとまり(推察)を持つことが可能となると考えられる。
理解するとは、対話する両者が、やり取りを通じて、自分でも明確でなかったお互いの意図と前提を知り(自分の頭の中に入れる)、そして確かめ合い(分かる/解る:自分の頭で理解する)ながら、協同で作り上げる土台作りと言えるのではないだろうか。
「知る」と「分かる/解る」には格段の差がある。
「知る」ことは、単に情報・知識を頭の中に入れるだけ。
ところが、その入れた情報・知識を真に掴むためには、それを分解していって理屈として、構造として「分かる/解る」状態にしなければならないため、自分一人に閉じた状態での理解には限界が有ることは否めない。
ただ、例えば、書き言葉において、自分の頭の中でロジックが組み上がっていると感じるのに、相手に上手く伝わらず誤解されるのは、以下の点が不足していると推定できるので注意したい。
①ロジックに飛躍や抜けがある
②自分の意図とは違う解釈が成り立つ可能性を取り除くことができていない
③前提として他の解釈が成り立つことに気づけていない
そうであれば、やりながら考えて行動する人と考えてから行動する人に優劣は無いと推測でき、自己評価ポイントは、思考と行動の連続性の結果において、成長や成果の方向に進んでいるのかどうかである。
更に、注意する点があるとすれば、自分を変えることに時間を費やすよりも、自分を最大限に活かす事に努力をすべきであると考えられる。
【参考資料】
●本当の自分を見つけようとするのはやめる
「将来の自己像」を数多く考え出し、その中で試して学びたいものいくつかに焦点を合わせる。
●過渡期を受け入れる
執着したり手放したり、行動に一貫性がなくてもいいことにする。
早まった結論を出すよりは、矛盾を残しておいた方がいい。
●「小さな勝利」を積み重ねる
「小さな勝利」を積み重ねることで、仕事や人生の基本的な判断基準がやがて大きく変わっていく。
一気にすべてが変わるような大きな決断をしたくなることもあるが、そうした誘惑には耐えよう。
曲がりくねった道を受け入れよう。
●まずは試してみる
新しい仕事の内容や手法について、感触をつかむ方法を見つけよう。
いまの仕事と並行して実行に移せば、結論を出す前に試すことができる。
●距離をおいて考える。だが、その時間が長すぎてはいけない。
考えに行き詰まって、どうしたらいいか分からなくなったら、変化の動機や過程ばかりを思い詰めている状態から離れてみよう。
(「新しいキャリアを見つけるための型破りな9つの戦略」から引用)
【参考記事】
わたし自身が何度も何度も投げ出してきたから、わかるんだよ。
自分の意志なんてこれっぽっちも信用できないってこと。
「やるべき理由」より「やらなくていい理由」を先に見つけて、言い訳に使うってこと。
アレコレ頭で考えて「こっちより、これの方がいいかな?」という風に吟味するのすら時間の無駄だ。
とにかく淡々と何かをやり続ける。
そうして積み重なった成果をみて、固定観念を打ち砕く。
するとそこにはまた新しい現実が現れる。人生はこれの繰り返しだ。
本当に開き直れた時にはきっと、誰しもこう感じるはずだ。
「あれ?なんかなんでもやれそうな気がするぞ(笑)」と。
それに気がついたら、本当になんでもできる。
「まちがいだとわかる」ことに価値があると気づくのが科学的思考。