≪正しい定義の仕方≫
定義とは、相手が知らないと思う単語や考えなどを他の言葉で言い直して、その意味をはっきりさせることです。
言い換えると、概念を定義することは、意味の曖昧さを縮減し、精密な記事とする機能があります。
そのためには、どういった概念であるかを説明するだけではなく、どう言った概念ではないのかを説明することも必要ですね。
世の中には、けっこういい加減な定義の仕方が溢れています。
私もこれまで実にいい加減な定義の仕方をしてきました。
定義とは、「コミュニケーション技術―実用的文章の書き方 」によれば<単語=区別+概念>というのが、形式的な公式です。
「コミュニケーション技術―実用的文章の書き方」(中公新書)篠田義明(著)
間違えやすいのが、概念の箇所なんです。
本書の中にいくつもの例が紹介されています。
<事例1>
×・・・ビックカメラは、電気製品を販売するところである。
○・・・ビックカメラは、電気製品を販売する会社である。
ビックカメラはところではなく、会社ですね。会社の代わりに店を使ってもいい。
<事例2>
×・・・会社とは商行為その他の営利行為を業とする目的で設立したところである。
○・・・会社とは商行為その他の営利行為を業とする目的で設立した法人である。
会社はところではないですよね。概念として用いるのは法人が適切です。
<事例3>
△・・・ビールとは麦芽にホップを加え発行させて作る飲み物である。
○・・・ビールとは麦芽にホップを加え発行させて作る酒である。
上記の例はどちらも間違いではないのですが、ただし、概念として用いるには、飲み物は意味の範囲が広すぎるので、酒の方が適当なんでしょうね。
つまり、記事はまず概念的な定義から始まり、次に記述に進むべきであると理解できますね。