【日常茶飯事】日差しを逃れて木陰に避難
「常に世界にひかりを望むといふやうな姿勢ゆるめて緑蔭をゆく」
(荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』より)
「道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ」
(西行法師「新古今和歌集」夏歌262より)
「なほざりに山ほととぎす鳴きすてて我しもとまる杜の下かげ」
(藤原定家「風雅和歌集」338より)
この一瞬を、いとおしく抱きしめて歩いていきたい。
この一瞬を、ひきずらないように進んでいきたい。
「白鳥と太陽が呼吸をとめる一瞬のまぶたのようにあなたであった」
(瀬戸夏子「源平合戦」/「短歌研究」2018年2月号より)
「潮のおと耳より心に入れながら脱にんげんの一瞬もある」
(伊藤一彦『言霊の風』より)
私たちの“いま”は、はるか地球が抱えてきた時間の中で、はほんの一瞬で、過ぎ去ってしまう時間であるかもしれません。
「一瞬で耳かきを吸う掃除機を見てしまってからの長い夜」
(公木正「ナイトクルージング」より)
だから、風のように、さらりと生きればいいんじゃないかって、そう思うんですけど、ね(^^)
「猫たちが思い思いに伸びをする世界は今日も平和ちゃうかな」
「歩いているだけですけど?という顔のスズメ、クロワッサンあげへんよ」
「いつになく張り切っているポケットに今日は切符を任せてやるか」
「見ていたら夜が終わるのではなくて朝が始まるのだとわかった」
「人生が真っ暗にならないようにこんなところにもグランドピアノ」
(谷じゃこ『ヒット・エンド・パレード』より)
そんな風に思えれば、焦らないで 慌てないで 嘆かないで、ただ、風のように、歩んでいければステキだと思います。
かろやかに 口ずさむように、ね(^^)
ふと気づく風の心地よさ♪を感じるように、ね。
「走りながら渡されて笑いながら受け取る凧を柄にもなくたずさえて」
(佐伯紺「手をつないだままじゃ拍手ができない」『たべるのがおそい』vol.7より)