【百人一首(近代・現代短歌)】ある世界(その4)
人生は、「あっ!」という間に、過ぎ去ってしまうもの。
今年も、もう、2月中旬(^^;
時間は、無情にも、有限で。
予定の無い、たっぷりとした幸運な1日も。
日々、やり残してきた、些末な用事の数々も。
瞬く間に、埋め尽くされてしまいます(^^;
朝の空を、ゆっくり横切る鳥たちも。
2月、まだまだ寒い時期だけど。
そんな中でも可憐に咲く花たち(梅・蝋梅・椿・福寿草・水仙)を。
見かけることがありますよね。
普段、気にかけない。
英字で書かれたニュースサイトや雑誌の見出しの意味なども。
たぶん。
少しゆとりがなければ。
目に止めることがない景色たち。
世界は、惜しみなく、美しい瞬間や、面白くて、可笑しい要素を、色々と投げかけてくれるのに、ね。
私達は。
たぶん。
その多くを、見落としているのでしょうね(^^;
この世を去る時が来たら。
人は。
自ずと。
自分の人生を。
愛していたかどうかを問う。
と、聞いたことがあるけど。
誰かや、何かとか、ではなくて。
人生を愛せたか?
自分自身を愛せたか?
と。
そんな、大切な問いではないかって、そう思います。
こんな大切な問いかけの数々を。
僅かに残された時間の中で。
振り返って嘆いても。
あとの祭り。
そう。
だから。
今からでも。
人生を愛する準備をはじめてみる。
遅すぎたって、ことはないから、ね(^^♪
例えば。
仕事と家事の隙間にある。
ほんの密かな楽しみなことたちを、連想してみては如何でしょうか。
晴れた早い時間。
単行本を片手に、何時間でも、お風呂で過ごし、読書を嗜む。
料理を作りながら、今夜の魚介類のソテーには、どんなワインが合うだろう?
味見がてらにコルクを抜き。
切子ガラスのグラスに注いで。
お酒を嗜む。
季節ごとに、気分を変えるために。
少しづつ、1枚、とっておきのレコードを買い足して。
音楽を嗜む。
たぶん。
愛してやまない瞬間を持っていることを。
嗜むと言うのでしょう、ね。
「籠り居の日々にしあれど今の今 未来の時間(とき)の最先端よ」
(春日真木子「歌壇」2021年6月号より)
「酒粕に鰆ふた切れ漬け込みたりうふふに過ぎる〈待つ〉とふ時間」
(伯野洋子『紫君子蘭』より)
「いつだつて足りない時間さはされどあればあつたで眠つてしまふ」
(本多真弓『猫は踏まずに』より)
「朝昼兼食の乳酪切りつつ詩作とは醱酵黄金の時間待つわざ」
(高橋睦郎『狂はば如何に』より)
没頭するわけでもなく。
ただ、さりげなく、その流れを楽しんでいる瞬間。
この時間の積み重ねが。
降り積もっていき。
きっと。
そんな自分を。
好きになることを。
赦していくのかも、しれませんね。
私達日本人は、何故か、ウキウキ、密かな楽しみに打ち込む自分を、なかなか赦すのが、苦手なようです(^^;
みんさんは、今日、何を嗜みますか?
【百人一首(近代・現代短歌)】ある世界(その4)
「ささぶねの杭に堰かれてゆつくりと艫を捩らせ流れゆきたり」
(久保茂樹『ゆきがかり』より)
「セケン帝なる皇帝がいるらしいあの日の丸の赤の奥には」
(松木秀『Rera』より)
「そこにはだれもいないのにそこには詩人もいないのにそこにも白い」
(蝦名泰洋『ニューヨークの唇』より)
「それでいてシルクのような縦パスが前線にでる 夜明けはちかい」
(永井祐『広い世界と2や8や7』より)
「ダージリンティーにそえたる砂時計ひそかに吾のときを奪いぬ」
(野上卓『チェーホフの台詞』より)
「だいどこ、と呼ぶ祖母が立つときにだけシンクにとどく夕焼けがある」
(岡野大嗣『音楽』より)
「たくさんの空の遠さにかこまれし人さし指の秋の灯台」
(杉﨑恒夫『食卓の音楽』より)
「たましいを引きあげる手の静けさで記憶以前の場所に燃える火」
(古川順子『四月の窓』より)
「ともすればかろきねたみのきざし来る日かなかなしくものなど縫はむ」
(岡本かの子『かろきねたみ』より)
「どれほどの量の酸素に 包まれて眠るふたりか 無垢な日本で」
(小佐野彈『メタリック』より)
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