
ロジラテ思考「ずっと成果を上げ続ける組織は”KPI+行動マネジメント”が必須」 #11
私達は、会社が定めた目標を達成するため、日々 成果をあげるために行動(努力)を重ねています。
※行動とは、企業活動全てを示します。(事業活動、報告業務他)
多くの企業はKPIマネジメントを採用していますが、KPIは数値管理が主となっているので行動(努力)を評価する仕組みは弱いです。
この記事は、行動をどのように評価し、成果に繋げていくかについてお話します。
1.企業の使命(ミッション)は何か
企業の使命(ミッション)とは、「社会に貢献し、得られた利益を再投資して持続経営する」ことです。
そのため企業は、KPIマネジメントを導入し、立てた戦略戦術で獲得した利益を事業に再投資します。
しかし、果たしてそれだけで持続経営ができるのでしょうか?
持続経営のためには、永続的に社会に貢献できるイノベーションを起こしていかなければ、いずれその企業は消え去っていきます。
では、イノベーションを起こすにはどうすればいいのでしょうか?
その方法は社員の行動の中から、イノベーションの種を見出すことが最も効率が良い方法です。
2.KPI管理でマネジメントすると
下図は売上・利益目標との差に焦点を充てたKPIマネジメントです。
この中で、マネージャーが日々考えることは、以下の2つに絞られます。
達成の場合は、更に増益となる戦術を考える。
未達の場合は、次の戦術をどうするかを考える。
従ってKPIマネジメントでは、行動の評価は薄くなります。

3.「努力」の3つの時代
努力とは、目標を達成するために邁進することですが、過去を振り返ると努力には3つの時代がありました。
一つ目は「努力が報われる時代」です。
やったらやっただけのリターンがある時代です。遣り甲斐を感じ、同時に業績もあがるのですから、ノンストレスの良い時代です。
二つ目は、「努力しなくても報われる時代」です。
これを代表するのは80年代のバブルです。この時代は、何もしなくても勝手にオーダーが入る良い時代でした。
三つ目は、「努力が報われない時代」です。
まさに今です。リーマンショックやコロナや戦争。不景気の時代です。
この時代は、「努力が報われる時代」の数倍努力をしても、報われません。
このように売上・利益を成果としたならば、それは時の運という見方もできます。
4.行動マネジメントで「行動」に焦点を充てる
私はKPIマネジメントを否定しているわけではありません。
期首に立てたKGI(Key Goal Indicator)+CSF(Critical Success Factor) を達成するために、KPI(Key Performance Indicator)+戦術を実行することは重要です。
ただ数値良ければそれで良しという視点だけでは、もし行動の中に将来有望なイノベーションの種があっても見過ごされ、持続経営に大きな損失を与えてしまいます。
そうならないようにするには、行動マネジメントも合わせて行うことが必要です。
下図のように行動に焦点を充て、「何をしてそうなったのか?」、「メンバーの強みは機能したのか?」、「戦略戦術は正しかったのか?」という視点でマネジメントすると、別の景色が見えてきます。
●その行動は、将来のイノベーションに繋がるか?
●その行動は、成果を上げるためのスキル、風土習慣(組織の強み)に繋がっているか?
これこそがイノベーションの種であり、経営者やリーダーは、これを景気に左右されない成果として評価する仕組みを作らねばなりません。
何故なら、これこそが持続経営の源泉となり、社員の成長に繋がるからです。

5.KPI+行動マネジメントの方法
これからお話するのは、KPIマネジメントと、行動マネジメントを同時に行うロジラテ思考ノートです。(下図参照)
このノートは、1ヶ月毎に1ページで管理します。
毎日、「起きたこと」、「やったこと」を日付と共に記録し、
月末に「できたこと(成果)」、「何故それが起きたか?(仮説、課題)」、「次月の戦術」を書き込んでいきます。
ロジラテ思考ノートとKPIマネジメントをセットにすれば、イノベーションの種もここから見出せるようになります。

是非、ロジラテ思考ノートを実践して、マネジメントしてみてください。
必ず成果(業績向上とイノベーションの発見)に繋がります。
