『分かり合えない人間関係』そのとき、やるべきこと #A04
1.分かり合えない夫婦関係
長年一緒にいる夫婦同士でも、度々意見の食い違いが起こります。その原因は男性はアドバイスが欲しいという視点で会話し、女性は共感して欲しいという視点で会話することが多いためです。
この場合は、奥さんの話を共感を持って聴ききってから、本題に入れば何も問題なく穏やかな会話ができるのですが、ここは男性は精進せねばと思っています。
ただし女性はビジネスになると、ちゃんとアドバイスという視点に使い分けられるので男性はかないません!
2.人は自分勝手な言い分でコミュニケーションする生き物
以下は、会社でよく耳にする愚痴です。これでは分かり合えるはずもありません
伝える側の愚痴 ⇒ あいつ、何で分かってくれないのかなぁ。。。
聞く側の愚痴 ⇒ あの人の言ってることは、さっぱり分からない!!!
二人の頭の中を覗いてみると、大体こんな感じではないでしょうか?
伝える側の頭の中 ⇒ 問題点、課題を整理せず、思いつきで話している
聞く側の頭の中 ⇒ 日頃、要点を得た聞き方、理解の仕方をしていない
なぜ、こんな行き違いが起きるのでしょうか?組織にいる人であれば、普段から理解力、リテラシーは鍛えられているはずなのに、議論になるとこういうケースが頻繁に見られます。
もちろん人の好き嫌いもあると思いますが、他に大きな要因があると思います。それは議論の前にある先入観や常識です。議論の中で「これは常識ですが。。。」と発言した人に、「その常識とはなんでしょうか? 何故それが常識なんでしょうか?」と問えば、大抵の人は言葉に詰まってしまうと思います。
「常識」は非常に便利な言葉です。色んな事情やメタファーを「常識」という言葉で共通認識させることができる便利な言葉ですが、「常識」は人によって異なる場合があります。ここを自分の常識を捨てて相手の話を聴ききらないと、自分勝手な議論になっていってしまいます。
3.話の聞き方は二通りあります。
誰かと会話しているところを想像してみて下さい。貴方の頭の中で何が起こっているでしょうか?
きっと相手の話を聞きながら「どう返そうか?」、「どう返したら有利になるだろうか?」と考えながら、話しているのではないでしょうか。
これは至極当然な行動です。交渉事や議論の場では、いかに有利に結論づけようかと頭をフル回転しないと負けてしまうからです。これが第一番目の『交渉事の聞き方』です。
二番目の話の聞き方は、『相手の話を聴ききる』です。
『交渉事の聞き方』は、相手の話しを聞きながら、どの話を、どのタイミングで切り出して、どうやって有利に運ぼうか考えているはずです。つまり、そのときは相手の話を聞いているようで、実は聞いていないことになります。
お客様の話を聴く場合や、部下の話を聞く場合、奥さんの話を聞くときに『交渉事の聞き方』だと、相手が『何があって』『何故そうなって』『何をした』かを十分に聞くことができなくなるだけでなく、相手の話を遮ってしまうこともあります。つまり、勝ち負けの会話でなく、分かり合えることに焦点を置いた会話です。
こういう話では「どう返せばいいのか?」は考えず、相手に「何が起こって」、「何故そうなって」、「何をしたのか?」だけを聴ききる方が、貴方は素晴らしい理解者と映るようになります。
この『交渉事の聞き方』と『相手の話を聴ききる』の二つの聞き方を使い分けると、分かり合えない人間関係から脱却できるはずです。