新発見 「TQCのルーツは江戸の日本にあった!」_ロジラテ思考
日本の製品は、世界中に高品質、高機能な製品として知られています。
わたしが海外営業だったころ、Made in Japanというだけで売れていたときもありました。
これは、多くの日本企業がTQCやISOを推進し、品質向上のためのルール化や、企業理念の共有、徹底した社員教育を推し進めた結果です。
1.TQCのルーツは江戸の日本にあった
TQC(トータルクオリティーコントロール)はデミング博士によって提唱された品質向上メソッドで、アメリカから輸入されたメソッドです。
社員によるQC活動など改善活動がベースとなって いますが、よくよく考えてみると、この考え方は古くから日本人に根付いていた習慣です。
例えば、刀や版画、漆器、焼き物など日本古来からあるモノづくりは、職人達が時間をかけ、良い製品を作り上げるために創意工夫した結果で、ある意味QC活動に近いものだったのではないでしょうか。
2.浮世絵は、職人達のQC活動の結晶から生まれた文化です。
江戸時代の浮世絵は、今で言う写真集や広告リーフレットのような媒体でした。
ですから北斎、広重などの素晴らしい作品を、版元がいかに早く、美しく、大量に刷ることができるかどうかが、売れ行きに大きく影響していました。
そのため、売れる版元には優秀な職人「掘り師、刷り師」がいて、彼らによって効率よく刷り上げる技術が醸成されていきました。
例えば、一つの版画を刷り上げるためには、色毎に分けた版を複数の職人によって刷り上げていました。
その各工程を、人が違っても短時間で、美しく大量に刷れるサイズを大判、中判、小判の3つのサイズに統一化したのです。
恐らくこのサイズが規格化されるまでには、職人達がなんどもなんども試行錯誤した結果、このサイズに決まっていったのだと思います。
まるでQCサークルで、改善改良をするように。。。。。
3.パリ万博で、欧州人は日本の文化・技術の素晴らしさを知った
1867年にパリ万国博覧会で、日本の浮世絵や、数寄屋造りの茶室など、当時のヨーロッパの人達は、日本の文化、技術に衝撃を受けたそうです。
ゴッホも影響を受けたアーチストとして有名ですが、他にもモンドリアンやパウルクレーなどのキュビズムの旗手達も影響を受けたそうです。
少し後の時代になりますが、建築家で言えばバン・ドースブルフや、ミース・ファンデルローエ、エルター・グロピウスたちも衝撃を受けたはずです
3.ドイツのバウハウスの理念は、浮世絵の版元と相通ずる
1923年ドイツのデッサウ市に、建築家エルター・グローピウスによって、モダニズム建築やデザインを教えるバウハウスという学校が開校されました。
バウハウスの理念は、良いデザインと高い品質の「建築」、「家具」、「アート」を規格化することによって量産化を可能にし、一般庶民に文化的な生活を提供することでした。
残念ながら、1932年にヒトラーによって廃校させられてしまいましたが、 翌年の1933年にアメリカに移設されました。
このような考え方や思想が、欧州からアメリカに渡り、やがてデミング博士によって体系化されて、再び日本に戻ってきたのではないかと感じるのは私だけでしょうか?
わたしたち日本人は版画の職人のように、元来イノベーションを起こせるDNAを持っています。
昨今、国力が下がっている云々と言われていますが、もう一度、日本人がもっているモノづくりイズムを思い出すときが来ているのではないでしょうか。
もっと日本人は、凄いことが沢山できる素質を持っている筈なんだけどなぁ・・・・
政治家の皆さん! 早く気づいてください!