「商いの喜び」が分かる子供達を創ろう。_ロジラテ思考
ビジネスの何が面白いのか?
ビジネス本を読むと
・お客様に貢献をすること
・利益を出すこと
・得られた利益を、イノベーションに再投資すること
といったプロセスが書かれています。
これは至極真っ当な考え方で、私もまったくその通りだと思います。
しかし、ビジネスの面白さを知る原体験は、
・お金を稼ぐこと
・損益計算を理解すること
・キャッシュフローを理解すること
・貸借対照表を理解すること
などの基盤ができて、やっと顧客への貢献を考えられる余裕ができます。
このプロセスの方がしっくりくるのではないでしょうか。
このようなお金を稼ぐ楽しさをなるべく早く体験すると
「商い」とは何をすることなのかを学べます。
今日は、ある小学生が「商い」と出会い、楽しさを覚え、お客様の喜ぶ姿に嬉しさを覚えるまでのお話をします。
1.キッチンカーのお手伝い
私の知人 S氏は、軽自動車のキッチンカーで様々な場所に出向いてランチや夜食を販売しています。
普段はオフィス街でテイクアウトのランチボックスを販売しているのですが、休日は市営プールや公園でアメリカンドッグ、ホットドッグ、かき氷を販売しています。
彼の悩み事は人手不足です。
とくに休日の市民プールや公園での営業は、深刻でした。
S氏には小学五年生の息子がおり、
「アルバイトをやらないか」と聞いてみたら、二つ返事で「やる!」となったそうです。
日給4,000円。1ヶ月やれば32,000円
小学生にとっては大金です。
S氏は、早速 仕入れに息子を連れて行きました。
ある仕入れ先での会話
これだけの会話の中に、ビジネスの基本が詰まっています。
つまりS氏さんは、損益計算書の概要をたった1日で息子に教えたのです。
翌日、市営プールで営業を始めました。
Sさんは商品を作る係。息子はお金貰って、釣り銭を渡す係で仕事を分担しました。
「商い」を実体験することで、息子さんはお客様の喜びが楽しいと感じようになりました。
ドラッカーの言う「我々の顧客は誰か」を体験から学んだことになります。
後日談として、S氏さんが家に帰ってから事業利益の解説、純利益の解説を息子さんにしたところ、まるでスポンジに水が染みこむように理解してくれたそうです。
2.「商い喜び」を学ぶということ
この話は、会社に入れば誰でも経験することだと思います。
ただS氏さんの息子は、この体験を通して初めてお金の流れを学び、お客様の喜ぶ姿を見たことはかなり刺激的だったはずです。
新入社員も営業を通して同じような体験をしますが、お金の本質を知らない小学生にとって、お金に対する感性が磨かれたと思います。
高齢化社会に突入する日本は、定年まで会社に居られるような社会は崩壊していくでしょう。
そうなると、自分で稼ぐ力を早い内に身につける必要があります。
儲ける喜び、事業を創る喜び、お客様の喜び、売れる仕組みを作る喜び、
この喜びは、早い内から身につけなければならない時代がきているのかもしれません。