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【どうする家康】戦国のあざと女子お万、爆誕。PTSD家康に瀬名ビンタ炸裂!陰キャの半蔵までフキ出す超展開。第19回「お手付きしてどうする!」雑感

NHK大河ドラマ『どうする家康』(以下、『どう康』)第19回の雑感です。

前回の感想はこちら↓

(※以下、ネタバレ注意)
(※本記事のセリフの引用箇所は一部ノベライズに準拠しており、ドラマのセリフとは異なる場合がございます)

●もはや大河恒例?の「不倫回」。『鎌倉殿』より穏便に済んで良かったね……

いやぁ、1週間過ぎるの、早くない⁉

個人的にはもうちょっと三方ヶ原の感傷に浸っていたかったんですけど……結局、先週は雑感しか更新できずに一週間が終わってしまいました。

本当、もう最推しの夏目広次(a.k.a夏目吉信)だけじゃない。“のん兵衛殿”こと本多忠真(演:波岡一喜)だってお亡くなりになっていたじゃないですか。「真・三方ヶ原合戦」の“真”は「忠真」の“真”と言っても過言じゃなかった。忠真だけで丸々一本書けるだけのネタはあったんですけど。

そんなこと考えてる間に、きてしまいました、第19回。やってくれましたね。第10回の「側室回」もかなり話題になりましたけど、今度はまさかの「不倫回」ですか……。

ほんと、現代においては不倫っつーものは年々扱いが厳しくなってまして、それこそ犯罪でもないのに、芸能人や政治家の先生、もはや病院のお医者様からお役所の方まで、不倫がバレたら社会的に死ぬ、一発退場!みたいな危うさがあるんですけれども。許されるのは千原せいじとハマちゃんぐらい?(やめてさしあげろw)

それこそ5月7日に放送された日曜劇場『ラストマン』第3話でも、「不倫がバレるくらいなら殺人罪で問われた方がマシ」みたいなとんでもない展開をしてたじゃないですか。

でもそういうシナリオすらあり得るくらいに、「不倫」というものの扱いが年々デリケートになってきてる感あります。

ただ、『どうする家康』は時代劇。確かに演出が現代劇チックなところはありますけど、風俗習慣に関することなんかは当時の考え方を再現していく方がむしろ視聴者側にも受け入れやすいところはある。

とは言え今回の物語、決して「不倫の何が悪いんじゃ、こちとら戦国大名やぞ!」みたいな「ヤッタレ」感はあまり感じませんでした。非常に繊細な男女のやり取りが描かれていたようにも思えます。まじで昨年の『鎌倉殿の13人』の大泉頼朝、見習えよ!

そりゃあ、すべてを知った瀬名がいざ乗り込んでくるとあっては、殿もソワソワしてるようなところはありましたけど。いざ捕まるや「かまわん……ぶってくれ!」なんて。そう言われたら瀬名だってぶつけどさw少なくとも『鎌倉殿』の「亀の前事件」に比べたら少しは紳士?な印象もありましたし、えらく穏便に事が済みましたね。

●すべては風呂場で起きた出来事だったのか?妄想捗る半蔵ショートカットに爆笑

また、殿とお万(演:松井玲奈)が結ばれるまでの展開だって、見ていてすごくハラハラするところはあったんですけど。2回目の髪すきシーンなんて、不穏なBGMが流れてましたもんね。「胸がどきどきして……めまいがしそう」なんて言うお万。「ああ、こりゃいかん!ハニートラップや!」と思われても仕方ないようなセリフでしたけど。

それで家康くん、逆に警戒しちゃったのか「下がってよい」「下がってよい!」なんてキツめに言ってお万を遠ざけてました。言うて、三河から連れてきた侍女でしょう?武田の間者(スパイ)の疑いがあるならまだしも、そこまでキツく遠ざけなくったって……。

しかし3回目の髪すきシーンでは、なんとなくおっとりとしたイイ感じのBGMが。これは、もしかして……?なんて思ってると、次の場面では服部半蔵参上。

「殿、おめでとうございまする」

……って、展開はやすぎるだろwwwwwwwwwwwww

「どうするおつもりでっしゅ……wwww」

いつもは陰キャなのに、珍しく半蔵も噴き出すし……字幕ONにして観てたもんだから余計に笑えたんですが。

いやもう、風呂で何やってたんだよ殿……詳細が端折られてたのが余計に想像力を掻き立てられちゃうよ。せめてお万を寝室に連れ込むぐらいの描写あってもいいのに。いや、むしろ寝室などには行かず、本当に風呂場で一部始終を終わらせたんじゃないのか。完全に「風呂場不倫」だよ。まぁ、かつて世間を騒がせた「多目的トイレ不倫」よりはマシかww

ちなみに風呂って、僕らが現代で思い浮かべるような、湯の張った風呂じゃないのよ。映像では下男が、湯を沸かして外から注ぎ込んでましたね。これ、ノベライズには詳細が記されてたんですけど、「この時代の風呂は沸かした湯の蒸気を充満させた蒸し風呂である」だそうで。要はスチームサウナやね。そこに着衣のまま入ってました。

着衣のままでも、あんな部屋に、火照った体の若い男女が二人だけでいてごらんよ……ああ、あの場でこんなことやあんなことが繰り広げられたのかと思うと僕も熱に浮かされちゃいそうになりますが。いや、いい年こいた37のオッサンが何言ってるんだ。って言うか、何ですか、「こんなことやあんなこと」って。ちゃんと具体的に書けないのがもどかしい。

……うーん、きっと殿ぐらいになると、侍女の手を握っただけで妊娠させちゃうんだよね。さすがアイドルだ☆

(それはそれで物騒な話だな……)

●三方ヶ原のトラウマにうなされる殿。お万の台詞にも一理ある⁉

ただ、殿の気持ちも少しは理解できるような描写も。武田軍が甲斐に引き返してくれたおかげで岡崎が助かったとは言っても、信玄の息子がまたいつ攻めてくるかわからない。なにより殿は三方ヶ原のトラウマに苛まれていて、ふとしたときにまたあの合戦での出来事を思い起こすようなシーンも描かれていました。ちょっとしたPTSDになっちゃってるのよ。

元が弱虫泣き虫の殿でしょう。過去にも織田勢と戦って大負けしたことだってありましたけど、規模が違うのよ。死者、1,000人余り(※諸説あり)だそうですからね。現代で言うとかなり大規模な自然災害レベル。

自分のせいでそんなに人が死んだなんてことを思うと、現代人ならとても耐えられないですよ。発狂しちゃう。なのに、心を癒してくれる妻はそばにいない。そんなときに、優しい言葉をかけてくれる侍女がいたら……当時の価値観だったら、コロッといかない方がおかしいと思うのよね。(当時の価値観ですよ!現代ではダメよw)

ただ、お万も最後に、殿に近づいた理由を瀬名に打ち明けていました。残念ながらと言うか、やはりと言うか、純愛ではなく打算的なものもあった様子。しかしながら、それにつけてもめちゃめちゃ芯のあるセリフでしたね。

「男どもは、己の欲しいものを手に入れるために、戦をし、人を殺し、奪います。おなごはどうやって?人に尽くし、癒しと安らぎを与えて、手に入れるのです」

そもそもお万、池鯉鮒(ちりゅう)神社の神主の子ということでしたが、社は戦で焼けてしまい、父親も亡くなって母親も動けないとのことでした。それで殿にお手付きしてもらって、神社を建て直したかったんですね……本当、強かな子じゃないですか。よう出来た子よ、ほんに。

それをぜんぶ見抜いて許した瀬名も良かったですね。通説では棒で折檻したということも言われていたようですけど、妊婦にそんな暴力を振るうなんて残酷すぎる映像がドラマで描かれなかったのもホッとするところでした。

それにしても、お万も今回だけで退場って……ほんとこのドラマ、1回限りのゲスト的な扱いの役者さんが多いですよね。まぁ、それでもちゃんと存在感を放って消えてくれるところが脚本や演技の巧さだよな、なんて改めて思ったりしますけど。

折角なんで、お万が産んだ子、「結城秀康」なる人物がどんな人だったのかをチラッと紹介してみますと……。

なんか、絵の段階で、だいぶカワイイ系?というかなんと言うか。最近のアイドル顔な感じもしますよね。相当なイケメンだったんじゃないか。この子も今後のドラマで関わってくることになるのかどうか、楽しみにしたいと思います。まぁ、出てこなかったらWikipediaでも読んでくれていいからw秀吉のところに人質に行かされたりだとか、やっぱり大変な人生を送ったみたいですね……。

●足利義昭もまさかの退場。“出木杉”浅井長政もナレ死ならぬセリフ死……

そして退場しちゃうキャラと言えば他にもたくさんいましたが……やっぱり個人的にショックだったのは古田新太さんの足利義昭だよ。もっとさぁ……信長包囲網築き上げて「信長め!目にもの見せてくれるわ!」的な壮大な裏切り劇を期待していたのに。

第18回の段階から「さすが信玄入道じゃ!」「家康は死んだんじゃろう?」なんて。自分主導じゃなくて、あくまで最後まで「ワシは強い大名の味方」みたいな小物感をたっぷり出してましたけど。これじゃあ初登場の段階から「義昭がヒデェ」って馬鹿にしてたアンチも反省させられないよ……。

ただ、少しは真面目な将軍としての姿も見せていた「一筋縄ではいかない」義昭公が見たかったら、『麒麟がくる』だってあるわけですし。それよりももっと過去の大河を観たら、古田新太さん演じる義昭よりもよっぽど滑稽な姿だっていろいろ描かれてきたわけです。

それこそ2005年の『功名が辻』で三谷幸喜さんの演じた義昭も、ラストの狼狽っぷりが最高でしたね。それに比べたら、信長から首に刀を寸止めされてもまったく動じなかった今作の古田義昭の方が、よほど堂々とした化け物じみたキャラとして描かれていたような印象も受けます。「今回の大河で見せたかったのは、あくまでこういう義昭像」ということかもしれないですね。

そして“出木杉”こと浅井長政もお亡くなりになったことが、木下藤吉郎改め羽柴秀吉の台詞で語られてましたけど。もはや「ナレ死」ですらねぇ。まぁ、これも散々過去の大河で描かれてきたものですからね。むしろ個人的には、信長の比叡山焼き討ちがカットされたのが消化不良な印象も受けてしまうのですが。

だって、これも描いてくれていたとしたら「一向一揆で寺を許した家康」と「比叡山で女や子供まで皆殺しにした信長」とで物凄いアンビバレンスな構図になってすげだろうなと期待していたんですよ。それだけに肩透かし感否めなかったんですが、やっぱりこれも「描きたいのはそこじゃない」ってことだと思うんですよね。

信長を悪として描けば、やはりそれと同盟を結び、「一蓮托生」「一心同体」とまで言い合った家康だって悪のイメージをまとってしまう。ただ強く、家康の憧れでもある“兄”としての信長像を守るために、あえてダークなエピソードをカットしたようにも思えます。

どういうキャラとして見せるかで、取捨選択するエピソードも変わってくる。そもそも比叡山攻めだなんて家康には関わりないことで、それより三方ヶ原の方で忙しかったんじゃと言われればそれもそう。

そして比叡山攻めを行う恐ろしい信長の姿が見たければ、それこそ過去の大河でも散々繰り返されてきましたし、何よりいまAmazon Primeで配信中の『THE LEGEND & BUTTERFLY』を見てほしいんですよ。

どんどん人を殺し、自らを「魔王」と名乗りながらも、だんだん心が壊れて疲弊していく新しい信長像はここで見れるので。岡田くんとキムタクでまたガラッと印象変わっちゃうところもあるとは思いますけど、『どう康』のお供として、ぜひ鑑賞しておくべき映画だと思いますね。

さて、今回は以上です。できれば今週、「深掘り」も更新したいな……時間の捻出が難しいですw

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