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デザイナーが2024年に買った本まとめ-01「グラフィックデザイン・工業デザイン系」

2023年末に一年を振り返るということで購入した書籍をまとめました。今年も2024年を振り返るという事で買った本をできる限り全てまとめてみようと思います。

前回は一年で121冊(10冊/月程度)、購入した順番に書影を載せていきました。今みると脈絡が無く読みづらいな…と思ったので今年2024年はジャンル別に分けて記事にしたいと思います。

ということで第1回目は「グラフィックデザイン系書籍」と「工業デザイン系書籍」をそれぞれまとめました。

この記事は【QUMZINEアドベントカレンダー2024 https://qumzine.thefilament.jp/ 】にエントリーしています!

第2回目では「ブランディング・防災・人文・その他」系の書籍をまとめています。

その他、書籍に関する過去記事もあわせてお読みください。



1.カラーバイブル

古代から現代までのアートやデザインの実例を用いながら、100色の起源と実用例を紹介した本です。文化による色に対する印象の違いや、定番の色の起源や変遷など、数多くの図版と一緒にまとめられています。参考値としてカラーコード(Hex値、RGB、CMYK、HSB)も掲載されているのも良いですね。

2.組版造形

雑誌『アイデア』のデザインでも知られる白井敬尚氏による組版の本。古典からモダンタイポグラフィ現代タイポグラフィの実例まで、西洋と日本の本文組版の名作を厳選されています。 書体やグリッドをはじめとする構造を分析しながら、その造形性について考察した内容は非常に勉強になります。

3.ちいさくはじめるデザインシステム

4.たくさんのふしぎ

かっこいいピンクをさがしに (たくさんのふしぎ2024年3月号)かつては女性らしさの印象が強かった「ピンク」という色にフォーカスした雑誌『たくさんのふしぎ』。古今東西、多様多彩、魅力的なピンクがあることを絵本の中で子どもたちに発見してもらえたら、とつくられたそうです。建築、植物染色、口承文芸、化学、服飾、美術、写真、色彩論……様々な分野の方に「ピンク」をテーマにお話を聞いた記事もあり、多角的にピンクという色について理解を深められます。

5.削ぎ落とすこと. 倫理. 教育.

スイス・バーゼル派のグラフィックデザイナー/タイポグラファーであるアーミン・ホフマンによる『削ぎ落とすこと. 倫理. 教育.』の邦訳版。デザイン教育における非常に重要な示唆に富む内容です。

詳しくはこちらでも記事にしています。
デザインマガジン🎈Balloon vol.20「教育の話」と「アーミン・ホフマンのデザイン教育」

6.もじ イメージ Graphic

21_21 DESIGN SIGHTでの企画展「もじ イメージ Graphic 展」の図録。残念ながら展覧会には足を運べなかったけど、日本の文字(グラフィック)デザインについて様々な観点からまとめられています。

7.Zeichensysteme der visuellen Kommunikation

オトル・アイヒャー氏によるドイツ語で書かれた『ビジュアルコミュニケーションのサインシステム』の本です。サイン、ピクトグラムデザインについての検討過程やデザイン実例などが精緻なレイアウトで掲載されています。

8.Bi-scriptual

9.日本語のデザイン

10.ANALOG ALGORITHM

11.ジョンストンのロンドン地下鉄書体

12.イメージと意味の本

13.タイポグラフィ・ベイシック

14.よむかたち デジタルとフィジカルをつなぐメディアデザインの実践

15.ハンド・レタリングの教科書

文字の構造から描き方、装飾、作品構成の仕方まで、書体デザイナーマルティナ・フローによる数百点のスケッチやイラストが用いられたまさに教科書です。ハンド・レタリングについてわかりやすくまとめられています。

16.ひと目でわかるシンボルサイン

シンボルサインデザインについての、基礎的な内容や実例がまとめられています。実際に規格で策定された完成度の高いピクトグラムデザインが大きい図版で紹介されています。視覚効果についてや策定項目の選定基準、実際に比較検討されたモチーフの実例や調査の設問設計についてなど、非常に勉強になる内容です。

16.グリッドシステム グラフィックデザインのために

ヨゼフ ミューラー=ブロックマンによる名著の邦訳版『グリッドシステム グラフィックデザインのために』。出版年は 2019/11/9とそれほど古くないはずですが、すでに入手困難になっています。グラフィックデザインを学ぶにあたっては必読だと思います(偏見)が、手軽に手に入れられないのは困ってしまいますね。再販してくれないかなと密かに期待しています。

17.デザインのひきだし52

【印刷・紙加工の大百科−紙の加工編】 印刷や箔押しなどの「絵柄や文字を紙に加える」以外の手法でどんな紙への加工ができるのかが特集されています。表紙も見ての通りのリッチな凝った加工で、手にしただけでもわかるほどの情報量の多い興味深いデザインです。この雑誌は付録が充実していることでも知られていますが、例に漏れず紙の加工のサンプルが豊富に同梱されていました。折り加工、型抜き加工、レーザーカット加工、エンボスやデボス、空押し加工、紙を貼り合わせる合紙加工など紙に施す加工が紹介されています。

18.究極のロゴデザイン

19.Visualogue book- 世界グラフィックデザイン会議・名古屋全記録

2003年10月、Icograda(国際グラフィックデザイン団体協議会)の第20回総会に併せ、JAGDAによる企画構成で開催された「世界グラフィックデザイン会議・名古屋」の後援記録集。 日本のデザイン史上において、1960年の「世界デザイン会議」以来の規模で実施された。 テーマは「情報の美」
情報がテーマとのことでリチャード・ソール・ワーマンによるパネルディスカッションもあり、読み応えがありました。
例えばその他には特別講演として「エンターテインメント・デザイン」と題した石岡瑛子氏による講演や向井周太郎氏の統括シンポジウムなども。

20.動きそのもののデザイン

21.美術の物語

世界一売れている美術の本と銘打たれていたエルンスト・H・ゴンブリッチによる美術に関する歴史をまとめた本(のポケット版)。多彩な図版と詳細な説明、判型が小さく取り回しがしやすいのもいい。

22.データ可視化の基本が全部わかる本

23.VISUAL LANGUAGE- 視覚言語へのデザインアプローチ

24.デザイン言語入門

25.Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド

26.デザイン言語2.0 ―インタラクションの思考法

デザイン言語、製品言語などについて調べていたときに見つけた本。27の『デザイン言語』とのシリーズもの。原研哉氏山中俊治氏など著名なデザイナーによる論考がまとめられています。

27.『デザイン言語』―感覚と論理を結ぶ思考法

28.東京藝大で教わる西洋美術の謎とき

29.グラフィック・セオリー

30.デザインのひきだし53

31.ジカツデザイン

32.ジョセフ・アルバースの授業

33.Pictograms, Icons & Signs

34.エセ商標権事件簿

商標権にまつわる訴訟と判例がまとめられた本。わかりやすい見出しや興味を引くカジュアルな文体で読みやすい。大きな資本を持つ企業が、自社のブランドを守るためという名目で訴えを起こす例が多く、色々と考えさせられる。
またそうした事例を通じて、商標(知的財産権)によって保護される範囲はどの程度かを理解することができ、非常に有用な本でした。近年SNSなどで模倣やオマージュなどに対する懸念の表明を目にする機会も多いが、法的な保護対象か否かという観点での(ある程度)正確な知識はデザイナーには必要だと思います。
(というか創作者の独自性を欠いた表現と主張をもとに、いとも簡単に他人の表現の自由を制限するような方向は、あらゆるデザイナー(クリエイター)にとって自らの首を絞めることになるのではと思います)

35.デザインの言語化

36~47.+81

1997年創刊の東京発グローバル・ヴィジュアル・マガジン「+81」。海外のデザイン事情を知りたくて、主にヨーロッパや南米の事例が掲載されているものを中心に購入しました。写真のクオリティも高くて眺めているだけで楽しめる雑誌です。

Vol.74: Local Branding issueでは世界各地の小規模なギャラリー、ショップ、ホテル、レストラン、カフェ、ウェブ・メディアなどの特徴的なブランドが特集されています。ローカル・ブランドのヴィジュアル・アイデンティティやブランディングの紹介は、もちろん当時としてのトレンドはありつつも、今みても非常に参考になります。単にアウトプットだけでなく、地域に根ざしたブランドを構築するとはどういうことか、その姿勢まで垣間見えるのは素晴らしいですね。

その他都市のロゴやヴィジュアルといった、シティ・ブランディングも取り上げられています。
そういえばオランダにおける都市ブランディングの記事も書いていますのでよろしければぜひ👇
デザインマガジン🎈Balloon vol.21「まちづくりはもはや社会課題ではあるまいか」と「オランダの都市ブランディング」

48.連鶴史料集 魯縞庵義道と桑名の千羽鶴 (桑名叢書 3)

49.北欧の照明

50.「北欧デザイン」の考え方

51.建築家によるデザイン

52.名作椅子の解体新書 PART2

有名なデザインとして知られる様々なイスを分解し、つくりやデザインの工夫、その価値をわかりやすい写真と文章でまとめてくれている本。デザインの勉強にもとても良い本だと思います。
取り上げられる作品は、ヘリット・トーマス・リートフェルトのレッドアンドブルーチェア、イームズのイームズラウンジチェアなど、みているだけでとても楽しい。大事に分解してひとつひとつのパーツを丁寧に観察しているのがわかります。

53.リチャード・サッパー・デザイン うれしい体験のための論理と感性のデザイン

こちらも著名なドイツの工業デザイナー、リチャード・サッパーの作品集。

個人的にはデスクライト、Artemide(アルテミデ)「TIZIO 35」がとても好きです。
最近あまりこのあたりのデザインが取り上げられる機会が減っている気がして悲しいですね。

参考までに「TIZIO 35」のデザインはこちら👇
Artemide「TIZIO 35」
いまでもヤマギワで購入可能です。

54.紙の建築 行動する

55.Voluntary Architects' Network─建築をつくる。人をつくる。

56.黄金分割 西洋の比例 ピラミッドからモダン・アートまで

まだ買ってなかったのか…

57.建築スタディ

建築家の皆さんの創作のプロセスの一端が見えて、とても興味深い内容です。こんなところまで見せて良いの?と思うものも多く、とても参考になりました。

58.グレート・デザイン物語

59.シェーカー家具大全

60.建築知識2024年8月号

61.Keep It Simple

『 Keep it Simple』(2013年10月出版)は、ハルトムート・エスリンガーが、彼と彼の会社であるFrog Designが1982年から1985年にかけてAppleのために行ったプロダクトデザインについてまとめてもの。
エスリンガーとえば、Appleのデザイン言語「Snow white」を考案したことでも知られています。発売されていないプロトタイプのデザインも多く、デザイン開発の観点からも非常に勉強になる内容です。

Appleのデザイン言語については、以下にもまとめられています。

62.AFTER STEVE

63.スティーブ・ジョブズ グラフィック伝記

64.スティーブ・ジョブズとアップルのDNA

65.Creative Selection

66.Design Like Apple

Appleのプロダクトデザインについての資料を集めていて、あまりこれまで買うことの無かったような系統の本を買ってみました。


おわりに

ということで2024年に購入した本をデザイン系で分類し、羅列してみました。去年はあまりデザイン系の本が無いな、、、という印象でしたが、70冊程度と、なんとかデザイナーっぽい(笑)本棚になりそうで胸をなで下ろしています。

デザイナーのみなさんは普段どんな本を読んでいますか?

ちなみに、本記事の続編として、デザイン以外の「ブランディング・防災・人文・その他」で購入した書籍もこちらでまとめてご紹介しています。

また、Balloonではこんな企画もしていますのでよければ皆さんの本棚も見せてください。

わたしたち Balloon Inc. では、デザインやブランドにまつわるリサーチ、AIにおけるクリエイティビティについて、など様々な記事を掲載しています。ぜひぜひそちら👇もご覧下さい。


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