●月×日 今日、姉さんが付き合っているというエース……さんがやって来た。 だが残念だったな。姉さんは外出中だざまあみろ……とはいえ。エースさんに見せる服を選び…
●月●日 今日、姉さんが付き合っているという男性を連れてきた。名前はエースとか言うらしい。 姉さんは人を見る目は確かだから、悪い人ではないのだろう。とはいえ、い…
「お集りの皆さん、今日起こった殺人事件、その犯人が判りました」 屋敷に集まった男女たち。その部屋の片隅で、一人の青年が口を開く。 「その犯人を告発する推理ショ…
俺は探偵。俺がとある殺人事件を探っていると、一人の眼帯をしたゴスロリ少女が話しかけてきた。 「探偵さん、君の本音を当ててあげよう」 いえ、いいです。 「そん…
俺には妻がいない。娘は拾い子で、スラム街で拾ったのが始まり。 そのまま屋敷で育てて、10歳まで成長してくれた。とても嬉しのだが、一つ困ったことが。 「お父様。…
「はい、お粥を持ってきたよ」 そう言って、愛おしい相手がお粥を持ってきた。ゆっくり、俺はベッドから起き上がる。そして、震える手で彼女から器を受け取ろうとする。…
俺の姉は、雨に打たれながら外の笹に短冊をつけていた。 俺が慌てて傘をさして姉に近寄ると、ずぶ濡れのまま姉は言う。 「短冊に願い事を書いてるの。来年も、曇り空…
今日も先輩は屋上にいる。お弁当を食べに来ているんだったらいいんだけど、そうではない。お弁当を食べるのに、金網の外側に出る必要はないからだ。 そんな先輩に、今…
その日、王都の裏路地で、俺は娼婦の彼女に告白した。 「私の人生は、本当にくそったれだった。路地裏で生まれて、言葉にしたくもない目にあいつつ、奴隷に売られるまで…
世の中がクリスマス・イヴで盛り上がってる頃のことだ。とある雪の降る海岸に、俺と彼女は来ていた。 案外嫌いじゃないその場所で、俺は彼女に告白しようと思っていた…
バルバルサン
2024年8月21日 21:04
●月×日 今日、姉さんが付き合っているというエース……さんがやって来た。 だが残念だったな。姉さんは外出中だざまあみろ……とはいえ。エースさんに見せる服を選びに出ているのだが…… そんなこんなで、僕とエースさんは軽く話したのだが、その中で、姉さんの好みの味に話題がうつった。「エリリアの好きな料理で、出来るだけ簡単なやつってある?」 人の姉さんを呼び捨てにするなこの野郎焼くぞ。とまあ、
2024年8月21日 21:00
●月●日今日、姉さんが付き合っているという男性を連れてきた。名前はエースとか言うらしい。 姉さんは人を見る目は確かだから、悪い人ではないのだろう。とはいえ、いきなり家に連れてきて。「お父様、お母様、エル。エリリアは、この人と付き合ってます!」 なんていきなり宣言しないで欲しい。お父様なんて、どんな感情でどんな表情をすればいいかわからず、百面相してたじゃん。 それにエース……さんも、び
2024年8月18日 12:44
「お集りの皆さん、今日起こった殺人事件、その犯人が判りました」 屋敷に集まった男女たち。その部屋の片隅で、一人の青年が口を開く。「その犯人を告発する推理ショーの時間ですよ……」 そう不敵に笑う青年。そのまま、立ち上がろうとして、鎖がじゃらりと鳴る。「だからこの鎖をほどいてくれないか?怪盗である私を逃がしてくれるなら、殺人犯を当ててあげよう……」 ダメです。「ダメ? っち、騙
2024年8月18日 12:41
俺は探偵。俺がとある殺人事件を探っていると、一人の眼帯をしたゴスロリ少女が話しかけてきた。「探偵さん、君の本音を当ててあげよう」 いえ、いいです。「そんなこと言わずに。君の想い。それは自分以外の人間が皆死んでしまえばいい……だろ? 」 聞けよ。「その気持ち、よくわかるよ。君は人を越えた天才だ。天才ゆえの狂気と、孤独を抱いている……違うかい? 」 そんな事、思ったこともない
2024年8月18日 12:38
俺には妻がいない。娘は拾い子で、スラム街で拾ったのが始まり。 そのまま屋敷で育てて、10歳まで成長してくれた。とても嬉しのだが、一つ困ったことが。「お父様。今神様に誕生日プレゼントのお願いを書いていたのです。お母様が欲しいって書きました。早めにプレゼントのお願いをしておけば……」 母親を求めてくるのだ。どうにか、母親を用意してあげたい。そう思いつつ、酒場でママに愚痴った。「へぇ、
2024年8月18日 12:36
「はい、お粥を持ってきたよ」 そう言って、愛おしい相手がお粥を持ってきた。ゆっくり、俺はベッドから起き上がる。そして、震える手で彼女から器を受け取ろうとする。「食べ……なくて、いいよ? 」 だが、受け取る前に彼女が顔を伏せ、そんなことを言った。 何を言うんだと思ったが、彼女は涙声で。「無理して、食べなくていいよ。もう食べるのも辛いんでしょ? でも、あなたのためにご飯をつくりたい
2024年8月18日 12:32
俺の姉は、雨に打たれながら外の笹に短冊をつけていた。 俺が慌てて傘をさして姉に近寄ると、ずぶ濡れのまま姉は言う。「短冊に願い事を書いてるの。来年も、曇り空で雨が降りますようにってね。私は、あの人ともう会えないのに、あの二人は毎年会えるなんて、ずるいじゃん」 俺は何も言えず、ただ傘をさすしかなかった。 でも俺が、守らなきゃと思った。 姉に対する思いとしては異端だと思うけど、姉を、この
2024年8月18日 12:14
今日も先輩は屋上にいる。お弁当を食べに来ているんだったらいいんだけど、そうではない。お弁当を食べるのに、金網の外側に出る必要はないからだ。 そんな先輩に、今日も俺は声をかける。「先輩。屋上で何してるんですか?また、自殺の予行練習ですか」 彼女はいじめられているわけではないというの学校側の意見。 だが、本当にそうなのかは彼女のみが知るのだろう。「ま、俺には関係ないけど、自殺者出
2024年8月18日 12:10
その日、王都の裏路地で、俺は娼婦の彼女に告白した。「私の人生は、本当にくそったれだった。路地裏で生まれて、言葉にしたくもない目にあいつつ、奴隷に売られるまでひっどい物だったよ。これが、私の傷。私の魂に刻まれた傷。さあ、アンタにこの傷ごと、私の人生をまとう気はあるかな?」 そう娼婦の彼女は言った。俺は苦笑し、彼女の手の甲に口づけを落す。 そして、俺の人生を語って見せた。俺がどこで生まれ、
2024年8月18日 12:02
世の中がクリスマス・イヴで盛り上がってる頃のことだ。とある雪の降る海岸に、俺と彼女は来ていた。 案外嫌いじゃないその場所で、俺は彼女に告白しようと思っていたのだ。 まだ指輪は買っていないが……クリスマスイヴに、この気持ちを伝えたかった。 だが、その静かで厳かなムードをぶち壊すように、サンタ姿のおっさんが海パン一つでサーフィンをしてきた。「ヘローヘロ―。サンタさんがサーフィンしてきたよ