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覚書

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わたしが消えたくなった夜のための
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#誕生日

贅沢な二週間

贅沢な二週間

 歳を重ねるごとに誕生日の過ごし方がわからなくなっている。

 毎年の誕生日を“誰かに祝ってもらう”ことが確定しているわけではないわたしみたいな人間は、どうその一日を過ごすかを自分が考えてあげなくちゃ、ただ孤独を感じる一日になって、特別さが薄らいでいく気がする。わたしはいくつになっても自分の誕生日にうきうきしていたいよ。

 そんなわけで、今年の誕生日、わたしはずっと念願だった免許合宿に行くことに

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十代最後の晩餐

十代最後の晩餐

 このあいだ、もうすぐ二十歳になっちゃうよー、大人になってしまうよー、いやだー、と駄々をこねていたら、「二十歳になったからといって、大人になれるわけではない」と言われた。なるほど、真理だ。しかし、年金の支払いは始まる。

 「十代とかいうたった二文字に未練を残さない、が今年の目標です」と、去年のわたし、元日に言っていた。

 9歳のとき、こどもでいることは特権なのだと気づいてしまった。こどもらしさ

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