楽しく自分の声を聞いてみちゃいませんか
みなさん、こんにちは。ばいそんです。
今日は前回に引き続き、若者が活き活きできる場についてです。
※ご興味のある方はぜひ前回のお話もご覧ください!
家る。として行った今回の場は、「自分の感情について探ること」「その感情が大切にされる場について探ること」を楽しくしてみようという試みでした。
※家る。って?と思った方もぜひ前回のお話からご覧いただけると、意味が繋がるように思います!
なぜこの2点をしてみたかったか
私は友人や同僚と話す中で、以下のようなことを聞くことが最近多くなってきました。
なんだかそれが繰り返されることで、言っても無駄、考えても無駄という思考になり、私たちが私たちである意味がないと感じていくのではないでしょうか。
そうして「自分の声を聞く意味はないのだから」と、今の私たちには自分の声を聞く機会が少なくなっているように感じます。
だから、まずは自分の声を聞き、その後に「その声が大切にされる場とは何だろうか?」と考えることから始めてみたかったのです。
なぜそれを楽しくやる必要があるのか
「はい、では自分の声を聞いて、大切な感情って何なのか話してみましょう」と話すのは、誰だって難しく、始めにくそう。
しかも私たち自身の内面のことを話すことはデリケートなので、場の関係性がどうあるかによって、大きく話される内容が変わりそう。
そのため
①始めやすくすること
②関係性を構築すること
を考えて、楽しく話し始められないかと考えました。
初めてでもそのようにできる手段とは何だろうか、と考えた時、「ボードゲームだ」となったのです。
私が放課後等デイサービス(発達に課題を抱えた子どもたちが放課後に通う場所)で働いていた頃、馴染みのない子どもたち同士が一緒に遊び始める時や、苦手なことに向き合う時にはボードゲームをよく使っていたのです。
ボードゲームは効果抜群で、ぜひそれも紹介したいのですが、そちらは過去の投稿でご覧いただけると嬉しいです。
①自分の感情を探る
ここからは実際にどのようなことをやったのか簡単に紹介していこうと思います。
自分の感情を探るために使ったのは「ATEKKO」というボードゲームと、NVCジャパンネットワークの「感情リスト」です。
https://nvc-japan.net/data/Feeling&Needs+intention.pdf
ATEKKOは以下のようなボードゲームです。
最初は関係性構築とルール理解のために、通常のテーマ(上図ではくだもの)でゲームをやってもらい、その流れでテーマを「自分の過ごしやすい感情」に切り替え、感情リストの中から抽出して9つから選んでもらいました。
こうした狙いは、ゲームの問いとして考えることで、少しでも考え始めやすくすることが狙いでした。さらに、考えている時間で自分の声が聞ける可能性が増すと考えていました。
また、自分の考えた感情カードが他の人のところにいくことで、自分の感情に対する他の人からの捉え方が加わります。
それによって感情に対する考え方の幅も広がり、自分の中での理解が深まるという設計でした。
実際ゲームをやると…
ゲームの中では、「これはネガティブな感情ですか?」という質問に、「弱さ」に対して「YES」と「NO」で答えが分かれていたり、「この感情はエネルギーが必要なものですか?」という質問が出たりしていました。
ゲームをやっている皆さんは、あくまでゲームをしているので、悩みこむというよりも、楽しんでやっている様子が印象的でした。
②その感情が大切にされる場について探る
場については、良い場、悪い場という二元論的な考え方がされることもあると思います。
今回はそうではなく、感情が大切にされる場を1から100の数字でグラデーションがあるように捉えました。
最終的には以下のように、自分の想定しうる場を付箋に書き出してみて、それを模造紙に貼り付けていくことを目指しました。
ただ、急にそれを始めようというのも難しいので、それを簡単にするボードゲームを考えました。そこで取り入れたのが「ito」です。
itoは1から100までのうち自分に当てられた数字を、もので例えてみんなで下から順に出していくゲームです。
例えばテーマが「人気のある給食」であれば、100を「揚げパン」、30を「コッペパン」と例えます。みんなは「揚げパン」と「コッペパン」はどちらの方が数字が下だろう?と考えて、コッペパンだよね!と出していきます。
まずは例の如く、ゲームを行い、ルールを把握したのちに、「自分が過ごしやすい場」「自分の感情が大切にされる場」というテーマで同様にゲームをやってもらいました。
ゲームを行う中では、「久しぶりに帰省した家」と例えたことに対して、みんなの中で「そんな場は大切にされにくいんじゃない??」などと、自分の経験から思い起こされる場への意味づけが起こっており、単純にグラデーションを考えてもらう以上の効果がそこにはありそうでした。
みんなの感情が大切にされる場とは?
itoを終えた後、付箋に自分の思う「感情が大切にされる」場を書いてみてもらいました。その中には過ごしやすさから考えてみることで、グラデーションがつけやすいかもという声もありました。
皆さんから出てきた場は、場所に象徴されるようでした。
例えば100は「自分のベッドの上」や「天気がいい日のカフェや公園」など。
逆に1には「喧嘩中の家族との晩御飯」など。60くらいには「公民館」という声も。
今回は時間切れであったため、深く掘ることはできませんでしたが、それぞれの場には満たされる・阻害されるニーズがあったり、自分が穏やかであるために必要な人やもの、周囲環境が詰まっているのだろうと推測されました。
ぜひまた次の機会には、「どうしたら100に近いような場が広がるのだろう?」と考えてみたいと思いました。
まとめ
皆さんここまで読んでくださり、ありがとうございます。
結果的には自分の声を聞き始め、その声が大切にされる場について考え始めた場になりました。
参加してくださった方からの声では、「もっとじっくり話す時間が欲しかった」「じっくり考える時間もあっても良かったかも」という声がありました。
この声から、やはりまだまだ始まったばかりであり、でも始まったのだということが感じられました。
皆さんは1から100でグラデーションをつけてみたら、どのような場が想像されますか?
家る。のイベントに参加してみたら、どんなことを皆さんなら話してみたくなりましたか。
もしよければ聞かせていただけると嬉しいです。
それでは今回もご覧いただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?