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教育実習生を受けもつメリット

 親交のある学部生や学卒院生から教育実習の話題がちらほらと出ています。学部生からは主に「不安」が、学卒院生からは「期待」が見てとれます。院生の場合は一度教育実習を経験していることもあり、見通しがもてている、大学院での学びを深める中で試してみたい授業方法などが見つかった、といった点も「期待」につながっているのではないかと思います。

イラスト屋さんで検索した「教員」。このようなタイプの先生は減っているように思います

 現職教員目線で教育実習を考えると、一部の先生は、教育実習=負担業務と捉えているように感じます。普段の業務にプラスして指導案や実習日誌を確認しなければいけないこと、実習生と指導観が合わなく心的なストレスが増えるといった点があるようです。
 中には「実習生のマナーがなっていない!」と憤慨されているベテラン教員の姿もちらほら見受けられます。(同じように実習生の態度に関する不満等はSNSなどでもよく見かけますね)・・・もちろん、法やルールを守らない人というのはアウトですが、「自分も昔は生意気だった」と思ってもう少し寛容になっても良いのではないかという例も一定数あるように思います。
 逆に、学級経営や自己成長の場として「教育実習を利用してやろう!」と考えている先生もいらっしゃいます。3〜4週間程度、普段関わることのない大人(実習生)が教室にやってきます。この大人を活用して、子供達の一体感を高める手立てを考えたり、子供達がどの程度まで成長しているかを確認したりすることもできるでしょう。
 実習生を受けもつ先生は、教育実習生に対して自分の授業を公開することが求められます。授業を見せて終わりではなく、自分が行った授業の意図や、その時々の子供の反応に対する自分なりの読み解きを言語化して説明します。(そうであることを願っています)そして、どのように評価していくかの参考情報を示していきます。
 私も教育実習生を何度か担当したことがあります。確かに実習生を受けもつと在勤時間は延びることもあります。「その服装はちょっと・・・」っと実習生に注意をしたこともあります。諸々をさっぴいても、教育実習生を受けもつことは教員にとって大きなメリットがあると私は思います。
1  授業を公開し、(半ば強制的に)省察する機会があることが自分の力量形成につながる→自分が何を考えていたのか、実習生と同じもの(場面)を共有している中で、自分が見えていなかったものを実習生の言葉や気づきをもとに深く考えることができる。
2 教育実習生と協働して1つの授業(活動)をつくり上げていく中で、教師としての新たな気づきを得ることができる
→1と重なる部分もありますが、実習生を主とした授業づくりを考える中で、ある程度自分自身の中にある授業の型を見直すことができる。実習生との対話を通して授業づくりとは何かという一つ上の視点から授業を捉えることができる。(普段は授業をこなすことに追われてなかなかできない)
3 普段関わらない属性の人と長く関わることで、自分の価値観を見直すことができる→単純に教員ではない、自分よりも若い方(自分より年上の実習生の時もありますが)の「人」としての考え方を知ることは、自分の「人」(教師としてだけではありません)としての価値観を見直すことにもつながる。

 未来の後輩のために、そして自分のために、教育実習生を受けもつことに対して、できる限り前向きに取り組んでいただけたらいいなと感じています。(他の業務が多い!という声もわかります)
 教育実習生を受けもつことで、教員も学び手に戻れるということは大きな価値だと捉えています。これは初任者指導とはまた違った感覚のように思います。初任者は同僚です。教育実習生は、同僚ではありません。ですが、全くの「他者」とも言い切れません。やはり、この曖昧な存在とも言える教育実習生を受けもつことは、教員としての自分を考えた時に、メリットが大きいように思うのです。

本日は日本教育経営学会に来ております

 今日もご覧いただきありがとうございました。九州初上陸です。皆様良い週末をお過ごしください!🌸

学問の神様

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