私は起きている!
疲れた。
今日も今日とて、満身創痍。
仕事から帰り、ご飯を済ませる。
明日の事を考えたら、ここは踏ん張りどき。
物凄い勢いで襲いくる睡魔を制して、お風呂に入らなければならない。
化粧を落とさねばならない。
頭を洗わねばならない。
体も洗わねばならない。
お風呂に入るってだけで、ミッションに満ち溢れている。
めんどくさい。
猛烈な睡魔に誘われるままに、この身をベッドへ投じたなら、どれだけ幸せなのだろう。
しかし、寝てしまえば最後という事は一目瞭然。
朝まで起き上がる事は出来ないだろう。
そして、朝の慌しい時間の中にシャワーを浴びるというミッションを更に増やしてしまう事になるのだ。
それは避けたい。
しかし、抗えない程に眠い。
あまりの眠気に、もしかして今少しだけでも寝た方がいいという体からのSOSではないかと勘繰る始末。
そして、一旦眠りに入ってしまうと、家族に途中で起こされた時のイラつき具合もコントロールが難しい。
これって私だけではないだろう。
睡魔に抗う全ての同士の共通認識と思いたい。
早くお風呂入って寝たら?という親切心と優しさに、自分でもビックリする程にイラッとしてしまう。
振り返れば、反抗期真っ只中の高校時代。
部活から帰り着き、疲れてコタツで寝入ってしまっていた。
すると、よく祖母に早くお風呂に入りなさいと何度も言われ、烈火の如く怒り狂っていた自分を思い出す。今振り返っても、そんなに怒る事ないんじゃない?と引いてしまう程。
おばあちゃん、その節は本当にごめんなさい。
さすがに今は、当時の様に取り乱したりはしないが、内心イラッとする気持ちは止まらない。
どっからどう見ても寝ていたのに、自分は寝ていない、少し目が疲れたから閉じて考え事をしていただの、皆んながお風呂から出てくるのを待ってから入るだの、頭が痛いからあと5分だけ横になるだの、まぁ眠い割には頭を使って色んな言い訳を繰り出してベッドから出るのを拒み続けるのだ。
だって、お風呂に一旦入ってしまうと、この今まさに感じている心地のいいスッと眠りに落ちていく感覚は消えてしまい眠れなくなってしまうのではないか?
そんなの耐えられない!
でも入らなきゃ!
あと2分!
絶対これが最後のアラーム!
そんな夢と現実の狭間を行ったりきたりしていると一瞬の内に見る夢さえも、お風呂入らなきゃという内容になってしまい、どっと疲れが増してくる。
よし、明日の自分のためだ!
起きるか!
と意を決して目覚めた時には朝だった日の敗北感は果てしない。