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双極性障害という病気を写真で表現しました


あるときは、わたしはこの世でいちばんの幸せ者で、人生はなんて素晴らしいのだと声高らかに叫びたくなる。自分はなんでもできると思っているし、どんな仕事も引き受ける。

スケジュール帳を予定でパンパンにして、睡眠時間を削って、それでも疲れを感じない。欲しかったものを惜しみなく買う。おしゃれしてメイクして、遠いところまで出かけたくなる。



またあるときは、この世に絶望し、部屋の隅っこで膝を抱えて泣いている。過呼吸になって、「助けて」と誰にも届かない声で叫び、1人で苦しむ。

朝起きると身体が鉛みたいに重たくて動けなくて、涙を流すことしかできなくなる。人に会いたくないという理由だけで不安感と恐怖心を覚え、これまで頑張ってきたことが何もできなくなる。プツンと糸が切れたように全てのものがどうでも良くなる。


わたしが持つ双極性障害は、そんな「躁状態」と「鬱状態」を繰り返す病気。このどうしようもないありのままの特性を、大切な友達であり写真家であるHana Yamashitaに作品撮りしてもらった。

この病気を抱えて生きることを決めたけれど、綺麗事抜きにしてやっぱりつらいことの方が多い。突然パニックに襲われたり、極端な気分の変化に振り回されたり、人に迷惑をかけたりする現状はどうしても変えられない。いくら受け入れると言ったって、それを発信して共感してもらったって、自分が抱えているものは自分で引き受けるしかなくて、それがやっぱり苦しい。

それでもこうして作品にしてもらうことで、わたし1人で抱えてきたものは、実はわたしだけのものではない気がした。だからすこしだけ、大丈夫になれる気がした。いつまでも強くはなれないけれど、弱いままで、生きていきたいと思える撮影だった。

ありがとう。大切な経験になりました。


撮影してくれたHanaのnoteはこちらから



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アズ | エッセイスト・詩人
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