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【人生ノートMagazine】念うところ世界なり

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人生ノートの中から人生の生き方や日々の生活に沿ったことについてに書いてあることに焦点を当ててまとめてみました。
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【人生ノート336】おのおの、その真に持っているだけをさらけ出したらそれでよいのだ。

自己をかざるな 自分に何かひけめのある人は、こちらは何とも思っていないのに、自分でいろいろと案じ過ごして、その行動がなんとなく陰うつとなりやすい。 貧窮な人が富者のまえへ出ると、なんとはなしに相手を疑うような、呪うような、そして、つねに自己に対して侮蔑をあたえているかのように感じやすい。そのために両者のあいだに、いい知れぬミゾができてくるものである。 優者はつねに劣級の者を侮蔑するときまったものではないのであるが、劣級者の常として、優越者に接すると、すぐにこの心配をはじ

【人生ノート335】 わたしは変化が好きです。

笑う人間ほど神に近いどうも、一番最初にフト思い浮かんだことが正確らしい。後から、いろいろと迷って、いろいろと理智の力をかりて訂正してみるが、かえってそのために間違っている場合が多い。 ○ ある一つの世界から他の異なる世界へ行く時には、人間はちょっと面倒と苦痛とを感じるものである。これは、境遇の変化にともなう必然的の手段と苦痛とであって、ぜひもないことである。 人が死ぬる際、少なからぬ煩悶と苦痛とが伴うのもこれがためである。日本に住んでいたものが急に英国へ旅行した場合にも

【人生ノート334】この社会の状態さえ少しよくなってゆきさえすれば、思ったよりも人々は善人ばかりなのである。

理解と距離誰でも、自分を最もよく理解しており、その次には、自分に近いものを、それについで良く理解し、自分との距離が大となるに従って理解し難くなる。 われわれに神が判らぬのも、その隔たりがあまりに大なるがためである。 ○ すべて、大局をつかむということが最も肝腎である。でないと、ちょっとした変動にもあわてる。 ○ 人間の気持ちは実によく変わるものである。雨がちょっと降りつづけば、個の世がモウつぶれてしまうのではないかとまで心配したり、それが、カラリと晴れてしまえば、ま

【人生ノート326】なんとなくそうしたいという気分が、人生の羅針盤である

感情のなごりある感情のなごりというものに就いて、ちょっと考えてみた。 物理的にいえば、惰性とか余韻とかいうものであるが、とにかく、ある感情のなごりというものは比較的長くまでゑ依拠を人に与えるものである。そして、いやな感じの余韻は往々また他のいやな事件へ絡みつきたがるものであって、一つ悪いことがあると、二つ三つと悪いことが続きがちなものである。 ことの成否は、こうした些細なことが原因になるものであって、われわれは常に気持をおだやかに、愉快に持っていることが必要である。 俗

【人生ノート326】やってはしくじり、しくじりてはまた考え直すというふうに、自分で苦しみぬいた揚句に、世の中を悟った人はほんとうだ。

苦しみぬいて悟る自分の目から、あんなことをさしておいては悪いと思う時でも、先方がひたすらその方に心が向いていて、少々意見したくらいのことでは、馬の耳に風ほどにも思っていないというような時には、しばらく黙ってその人の思う通りにさしておくより仕方がない。 やがて二進も三進もゆかなくなると、はじめて目がさめてなるほどと悟ってくるものである。 誰もしたいしたいと思っていることを、せずに止めるということは、なんとなしに残念に思うものであるから、思う通りに一応やらしてみて、心から悟る時

【人生ノート322】 真理は溝の中ににもひそむ技術は書籍と経験との中にのみひそむ

ねたむ心、そねむ心、欲な心 人は誰でも死ぬる。間違いなく死ぬる。死ぬるまでに何かしておきたい。とにかく、自分というものが、この世に生まれてきたしるしだけのことは相当にしておきたい——と誰でも考える。結構なことだ。 この世の中はチッと思うようにならぬ。つまらぬ、あほらしい、しゃくにさわる——思う。全くそうだ。 ○ 今はたえじ 死なんかといくたびか思いし 若きころの胸は燃えて空のあなたを眺めて泣き 見苦しき人の世のさま慣るるまではつらかりき ○ 飢えたる人にパン

【人生ノート283】真理はどぶの中にも潜み 技術は書籍と経験とのなかにのみあり

ねたむ心、そねむ心、欲な心 人は誰でも死ぬる。間違いなく死ぬる。死ぬるまでに何かしておきたい。とにかく、自分というものが、この世に生まれてきたしるしだけのことは相当にしておきたい——と誰でも考える。結構なことだ。 この世の中はチッと思うようにならぬ。つまらぬ、あほらしい、しゃくにさわる——思う。全くそうだ。 ○ 今はたえじ 死なんかといくたびか思いし 若きころの胸は燃えて空のあなたを眺めて泣き 見苦しき人の世のさま慣るるまではつらかりき ○ 飢えたる人にパン

【人生ノート 261ページ】同一の材料をもとにして、ほめることも出来れば、くさすこともできる。

世の中とはこんなもの 道徳上の箇条書を、いくら記憶していたところでなんにもならぬ。 何によらず、すべて「こうこうするのがよい」と悟ったならば、その時からすぐに、それを着手し実行すべきである。 善悪正否の道理は誰でも知っているが、その知っていることが、いざという時になると行なえぬだけだ。 到底おこない得ぬことを覚えていたところで、荷物になるばかりだ。 ○ この世には、何によろずピンからキリまであるということを、よくよく実地について見きわむべし。 そして、いまの自己

【人生ノート 251ページ】野心なく心なく心にくろき影なくば天上天下唯我独尊

無限と永遠性が神性無限性と永遠性とが分からねば霊界は分からない。有限につくられているわれわれからは、無限のことは分からぬのは当然であるが、体は有限性でも霊は無限性であるから、全然、考えることが不可能というのではない。ただ、肉体のために掣肘をうけて、霊が全的活動をせぬからぬすぎぬ。 霊界は無限であるということは、それ自身無限であって、理論でもなんでもない。無限であるから無限であるというまでで、証明も方式も何もあったものではない。 無限と永遠性とが、すなわち神性なのである。わ

【人生ノート 250ページ】利によりて集まり、利によりて散ずる現代ほどバカげておる世はない。

阿諛諂侫(あゆてんねい)の世普通の人が、いかに阿諛性に富んでいるかをよく見てみるがよい。多少の名の売れた人、あるいは貴顕の人とか、上長官とかに対して、一般人がその一顰一笑(いっぴんいっしょう)に、いかに阿諛の限りをつくしているかということ、および、民衆とはザッとこんなものであるということをよくよく悟るがよい。彼らには、理解も自覚もあるのではない。たんに、人がほめればほめ、人がけなせば貶(けな)すに過ぎぬ。いわんやほめへつろうて損のゆかぬ場合においておやである。 そして、まだ

【人生ノート 247ページ】偉人を知るは偉人である。

人生は議論ではない人間にとって甚えられないものは単調である。単調な人ほどつまらぬ人である。 苦楽はとにかく、毎日倦怠のない生活を送り得る人は幸福である。 人生は議論ではない。 科学は人間を獣にす。 それぞれ好きなようにするがよい。要するに守護神だけのことしか出来ないのだ。 偉人を知るは偉人である。 善悪いずれにせよ、一切報酬を目的とせぬ行動は美しい。 自己の哲学を至上のものと思うのが馬鹿の骨頂だ。 形で人を観るくせをやめよ。 極端に自己を発揮する人ほど、もっ

【人生ノート 244ページ】 人と時所位に応じて、それ相当に頭にしみ込むようにして教えねばならぬ。

ご用は現界的執着をとってたたみの上の水練教育は、労したわりに効果のないものである。何事も実地にあたって、その時どきに訓練せねばならぬ。 砂糖をねぶらせて、これが砂糖というもので、どんな化学的成分であり、産地はどこで … 云々とおしえ、夏になった時に、夏はどういう時季であり云々、と教え込むとうふうにしたら、よく覚えこんで非常に効果があるのは当然である。 人と時所位に応じて、それ相当に頭にしみ込むようにして教えねばならぬ。ところが、現代の教育なるものは、その大部分がたたみの上

【人生ノート 240ページ】世界は広く、自分は小さいんだから。

世界は広い身魂の善悪と、行為の善悪とを混同してはならぬ。 ○ 中心が定まらなければ、側がいかに努力してみても、何ひとつ成就するものではない。 ○ 道具がそろわなければ家は建たぬ 四十七士がそろわねば仇討ちはできぬ ○ 科学と宗教とは一致する ただその途を異にするのみ ○ 自分は真に愛したい。また、愛されたい。つれのない孤独の魂ほど、世にみじめなものはない。 どんな境涯にあっても、多くの魂の垣を有する人は幸福である。かつ、長寿である。 「自分はこう思う」

【人生ノート 239ページ】他に頼る心があっては、なに一つ真剣のことはできるものではない。

救うべき時に救え金銭は物質の代表である。ゆえに、精神と相対立している。 今までの日本人のように、頭から金銭をいやしむ考えはよくない。といって、精神を忘れて金銭そのもののみを追求してはならぬ。 もらった物には義務はつかないが、借りたものには、払うことによりてのみ決裁することができる。僅少の金でも、最初「貸せ」といって得たのなら返さねばならぬ。莫大な金でも、最初「呉れ」といって得たのなら、もらったことによって解決はついてしまっている。そのあとには、何物も残っていない。 なん