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中学生に栄養バランスの取れた昼食と食育を!横浜市の中学校給食「ハマ弁」の試食会に参加した話

こんにちは、水無瀬あずさです。

12月も後半に差し掛かり、頭は年末モードに入りつつ、昨日はちょっとライター業のほうで久々にやらかしがあって、やや反省モードであります。どちらかというと確認漏れが原因だったので、クライアント様からは逆に「紛らわしくてすみません」と謝られてしまったけど、いや絶対もっと早く私が気づけるタイミングはあったはずで、「あの時ちゃんと確認しておけば・・・」と反省しきりです。最近はお仕事が順調なこともあり、気が緩んでいたことは否めない。まだまだチャレンジャーであることを自覚し、気を引き締めて行こうと胸に誓ったのでした。二度目は絶対ない!!

そんなこんなでお仕事は年末かき入れ時であります。忙しいです。ウレシー!!今月は過去最高益を見込めそうでウッキウキですが!そんな仕事の合間を縫って、12月16日(月)、子どもたちの中学校で開催された給食試食会に参加してきました。横浜市の中学校給食、通称「ハマ弁」といえば、どちらかというとネガティブな意見の方が多い印象。ですが、我が子たちは2人とも、1年生の春から毎日「ハマ弁」をガッツリ喫食しています。そんな「ハマ弁」を実際に食べれるという貴重な機会、嬉々として申し込みをした次第です。

ということで今回のnoteは、話題の「ハマ弁」を実際に食べてみた率直な感想と、横浜市の中学校給食にまつわるあれこれについて考えていきます。近隣の市区町村の給食事情って、意外と知らないものですよね。ぜひ横浜市の事情や問題点をきっかけに、ご自身の住む市区町村の給食はどうなっているか、成長期の子どもたちの食育にどんな課題があるのかを考える一つのきっかけにしていただければ嬉しいです。最後までよろしくお付き合いください!


横浜市の中学校給食「ハマ弁」とは

私の住む横浜市の公立中学校は、給食(ハマ弁) or 自宅から弁当を持ってくるかの選択制になっているのですが、私は子どもたち(中3&中1)が中学に入学する前に、「弁当は絶対に作らないよ宣言」をしました。低血圧の私は早起きが死ぬほど苦手。目は覚めてもカラダが動かないのです。朝のお弁当作りなんて罰ゲーム以外の何物でもないのです!かつて子どもたちが幼稚園の頃、毎日頑張ってキャラ弁を作っていたことはありましたが、あれは謎の承認欲求とアドレナリンがなせる業であり、40を過ぎた今の私には絶対に間違いなく100%無理なのであります。そうなると、評判が悪かろうが何だろうが、昼食は「ハマ弁」一択なのであります。私が作った弁当より絶対栄養価は高いし!!

横浜市は昔から公立中学校に給食がないことで有名でした。中学校給食がないというのは全国的にもかなり異例だったようで、かつては市会(横浜は「市議会」じゃなくて「市会」と呼ぶのです)議員選挙や市長選挙のたびに「横浜市に中学校給食を!」という公約を掲げた皆さんが立候補し、でも結局できませんでした~みたいなのがテンプレだった、と横浜市出身のママ友が話していました。

市会で中学校給食の話が出るたびに、「多感な中学生には、お母さんの愛情のたっぷり詰まったお弁当こそが正義!」みたいな意見があったとか『ヨコハマ議会だより』(市会の広報紙)で見て(ちゃんと読んでいるのです私)、弁当なんて冷凍食品を詰めるだけだから愛情なんかねーよ!と思う私です(もちろん愛情を込めて作っておられるお母さんもたくさんいると思うんですけど)。

まあ愛情云々の議論はさておき、成長期真っ只中の子どもたちにこそ栄養バランスの取れた給食を早く何とかしてよ!というのが、多くの横浜市民(おもに弁当を作るお母さん)の意見でした。

ちなみに何で横浜市には中学校給食がなかったのかというと、「急激な人口増による学校建設そのものを優先させたため」なんだとか(参考:横浜市の公立中学は、なぜ給食がないの!?|はまれぽ)。

横浜市の中学校給食に転機が訪れたのは2016年。当時の林文子市長のもと、市内の公立中学校でデリバリー給食「ハマ弁」が実施されました。小学校給食のように調理場を確保するのが難しいため、宅配による仕出し弁当で給食を実現しようとしての苦肉の策でしたが、お弁当作りに苦しむお母さんたちの救世主になると大きな期待が寄せられました。が。

我が子たちは当時幼稚園だったと記憶していますが、中学生の兄弟がいるママ友からは「まずい」「茶色い」「ほとんど誰も頼んでない」と散々な評判を耳にし、なんか失敗しとるやんけ!と不安になりました。「茶色いのは仕方ないとして、まずいのは嫌だなあ」と感じ、我が子たちが中学生になるまでに何とかしてほしいと思ったものでした。

それから時は過ぎ、2021年。悪名高き「ハマ弁」は、そのイメージを一新すべく、学校給食法に基づく「給食」へとステータスが変更になりました。「給食」になると何が変わるのかと言うと、それまで業者に一任していたメニューや食材調達、衛生管理などを市が管理するということのようです。より安全で、持続可能な体制に変更したってことなんですね。体制やメニューが大幅に見直され、見た目や味に関する意見なども取り入れられ、かなり改善したとのことです。

学校給食法上の給食に位置付けることに伴い、「献立作成」、「食材調達の規格策定」、「衛生管理」などを横浜市で実施することとなります。献立作成や食材調達等に教育委員会が直接関わることにより、例えば、生きた教材としてハマ弁を活用できるよう、「地産地消を取り入れたメニューの提供」、「給食だより、食育コラム、SNS 等を通じた情報発信」、「ハマ弁の献立を活用した学校での食育指導」、「家庭科等の授業や学習題材にハマ弁を取り入れる」、「ハマ弁メニューコンテストの実施」、「小学校の栄養教諭による食育指導」等、今まで以上に食育の推進を図ることを目指します。

引用:令和3年度以降の 中学校昼食の方向性|横浜市

同年に新市長として当選した現・山中市長は、選挙公約で「中学校給食の全員実施」を掲げて当選しました。そして今、山中市長主導のもと、2026年度から「ハマ弁」を採用した全員給食に移行するよう整備が着々と進んでいます。2023年度からは、新入生に「ハマ弁」利用を推奨するさくらプログラムも実施され、利用率は少しずつ上がってきているとのこと。かつての悪評がいまだに残っている感が否めないので、どうか悪いイメージを払拭し、26年度からの全員給食が無事始まることを祈るばかりです。

デリバリー形式の給食については、いまだに市会でも「調理場で作って配膳する仕組み」にこだわるべきだという意見が散見するようですが、実際の中学校を見てみると、そんな場所どこにもねえわって感じなんですよね。うちの中学校なんてかなりマンモス校なので、教室が足らない勢いなのに、どこに調理場を作る余裕があるというんだ。あと、全部の中学校に調理場を作っていたら何年後になるの?今すぐ欲しいのよ!って話なので、デリバリー弁当で給食を実現しようというのは、何というか非常に現実的だと思います。今後、少子化で子どもが減ってきたら、開いた教室を調理場にする方向が検討されるのかもしれません(されない気がする)。

ちなみに、今は「横浜市中学校給食」というのが正式名称で、「ハマ弁」とは呼ばれません。でも子どもたちも保護者もいまだに「ハマ弁」と呼んでいるので、なんとなく愛称としてこのままずっと定着するんじゃないかなって気がしています。

そんな感じのことも含めて、前にみらぴかさんでコラムを書いているので、こちらもよろしければ読んでみてくださいまし。給食の歴史などを調べた記事になります。

給食試食会で「ハマ弁」を実際に食べてみた

「ハマ弁」がどんなものか分かっていただいたところで、実際に給食試食会で「ハマ弁」を食べてみて、個人的に感じたことなどをまとめていきます。デリバリー給食なので、学校で調理したのと同じようにはどうしたってできないですが、なかなか頑張っているんだなというのを実際に感じられて良かったです。

メニューはこちら!

16日のメニューは、豚肉と大根の煮物、かぼちゃの麻婆あんかけなど。かぼちゃのあんは、カゴメコラボメニューだってさ。

出典:横浜市中学校給食サイト

メニュー表は、子どもたちが学校から2か月前くらいに持ち帰ってくるのと(あまりに早すぎるのでいつも捨てちゃう)、Webで公開されているのと、アプリで確認できます。

こちらがリアルの「ハマ弁」。おかずが入ったケース(右)、ご飯が入ったケース(左)、そしてスープ(赤いフタの丸いの)の3点セット。ごはんとスープは温かく、おかずはひんやり冷たかったです。

3点セットフタありバージョン

フタを開けたらこんな感じ。思ったより量が多い。

3点セットフタなしバージョン

彩りもあってきれい。栄養バランスもしっかり考えられているんだろうし、私がお弁当作るより全然いいじゃん!と思いました。これで300円ってすごくない?私もお金を払うから毎日食べたい。

なお、実際の「ハマ弁」の注文は、アプリからやります。当日朝7:30まで注文できるので、急遽お弁当から切り替えるのも可。我が家は安定の定期注文(継続)だから、いちいち操作なんかしないけどね!

横浜市給食アプリ

思ったより美味しかった!

子どもたちに「ハマ弁ってどう?」と聞くと、「味はまあまあ」「たまにすごい当たりのメニューと、ハズレのメニューがある」とのことでしたが、なんせ悪評ばかり聞いているものですから、なんとなく味に不安がありました。でも実際に食べてみたら、普通に美味しかった!特にカゴメコラボメニューのカボチャはとても美味しくて、家で作ってみたいと思いました。

子どもたちから聞いていたとおり、全体的にとても優しいうす味です。濃い味が好きな子には、ちょっと物足りなく感じるかも。ただ、それも含めて栄養バランスではあるので、仕方ない部分もあるのかなあと思いました。塩分過多は良くないしね。私は全然アリでした。

「おかずが冷たい」の意味が分かった

「味は別にいいんだけど、冷たいんだよねハマ弁」と子どもたちが言っていて、「冷たいってどういうことやねん?」と思っていたのですが、ようやくわかりました。おかずが全部、ひんやり冷たいのです。おそらく冷めても美味しいメニューが考えられているとは思うのですが、ご飯とスープが温かいだけに、おかずの冷たさが非常に気になりました。

この日のメニューで言うと、カボチャは冷たくてもいいけど、メインの大根の煮物は多分温かいほうが美味しいかな。メニューがカレーの日は、ご飯は温かいけどカレーは冷たいということらしく、それはなんかちょっとかわいそうかも・・・と思いました。ただまあ、こればっかりはデリバリー弁当なので仕方ない部分なのかなあとも思いつつ。

試食会の後でPTA会長さん(友達なのだ)と話していたら、「まあでも、家からお弁当を持ってきている子は、いつも冷たいお弁当を食べているわけだしね」と言っていて、それは確かに!と感心しました。ものは考えようだね。そう考えると、ご飯とスープが温かいだけでもなかなかなものじゃないか!頑張ってるよ横浜市!

ごはんとスープが温かいの嬉しい

おかずは冷たいけど、ご飯とスープは温かいので、なんかほっこりしました。調理室で4人テーブルずつ分かれて食べたのですが、「おかず、冷たいね」「だったらさ、おかずをご飯に載せながら食べたら良くね?」みたいな話になり、みんなで「なるほど!」と実践してみるなどしました。

結果ですか?おかずがかなり冷たいので、ご飯もなんかヒンヤリしたよね。共倒れだね(ダメじゃん)。

まあでも日本人なので、主食たるごはんが温かいってのは大事じゃないですかね。我が子たち、特に長男くんは無類のコメ好きなので(ふりかけ無しの素ご飯でもガツガツ食べる)、これはポイント高めです。ちなみに月に2回ほど、パンの日もあるそうです。

そういえば去年だったか1回だけ、長男くんのクラスが給食のごはんをあやまってぶち撒けてしまって、一部ご飯を食べれない人がいたとかって事件がありました。隣のクラス担任のイケメン先生から謝罪の電話がかかってきて(※先生みんなで手分けして電話していたらしい)その事実を知りました。なんかすごい勢いで謝られたけど、私的には別に「へーそうなんですねー」みたいな感じだったので、先生って本当に大変だなあと思いましたね。あれにキレる保護者もいるんだろうか。

3つキレイに重なるのちょっと嬉しい

おかずケースとごはんケースとスープケース、フタをして重ねるとピタッと綺麗に重なります。3点セットって感じでなんか嬉しい。運びやすいように工夫されているんですな。

大中小!みたいな

帰ってから子どもたちに「3つピタッと重なるのすごくない?嬉しくない??」と興奮気味に聞いたのですが、何言ってんだコイツみたいな冷ややかな反応をされました。イケズー

量はちょうどいいけど問題はそこじゃない?

1食分完食してみて、今の私にちょうどいいぐらいの量でした。最近食欲が落ちてきたので、バッチリなくらい。なので、育ち盛りの中学生には物足りないかもしれないと思いました。ちなみに「ハマ弁」、ご飯の量を選べて、長男くんは大盛り、次男くんは中盛りにしています。

ただ現実問題として、子どもたちいわく「給食を食べる時間が超少ない」とのことで。15分とかしかないんだって。何でなんだろ。横浜市ではあるあるみたいです。過去に市民の声にも寄せられていますね。

こちらは2019年の記事ですが、今でもあまり変わっていないようです。

ただでさえ短い昼食タイム、「ハマ弁」だと所定の場所まで自分で取りに行かなきゃいけないので、さらに短くなります。前の授業の時間が押してしまうと、10分とかで掻き込まなければならず、痩せの大食いな我が子たちも「普段なら量的には足らないけど、時間がないから今のままでいい」と言っています。そういう理由もあって、給食ではなくお弁当を持参する子も多いんだとか。女の子とか、食べきれないよね。

個人的には、「ハマ弁」のメニューとかよりそっちのが問題なんじゃないのと思っています。

さあ、どうなる全員給食!?

実際に「ハマ弁」を食べてみて、なるほどいいじゃん!と思いました。今はクラスの半分くらいしか利用していないらしいけど、2年後にはみんなすんなり利用できるようになるのかなあ。なにかトラブルが起きて無期限延期!とかならないように、予定どおり夢の全員給食をぜひ実現してもらいたいものですね。しかしその時、我が家の次男くんは中3。受験生かあ・・・と遠い目になります。

私が参加した試食会は、現1年生の保護者と、来年の新1年生、つまり現小6の保護者が対象だったのだけど、6年の保護者の方は「来年とりあえずどうするか悩んでいる。給食にしてほしいけど、本人が嫌がったらどうしよう・・・好きなメニューの日だけ利用するとかになるかも」と話していました。でも何となく子どもたちの言っていた「当たり外れ」がある気がするから、メニューを見て決めてもコレジャナイってなりそうだけどね。

現状ではお昼休みが短いってのが課題だと思うのですが、これが全員給食になってどう改善されるかは、しっかりと見守っていくべきところだと感じています。給食となると多かれ少なかれ準備のための時間が必要になるけど、そこを今の状態で捻出できるのか。本当に子どもたちのために「食育」っていうなら、味わって食べる、作ってくれたすべての人に感謝しながら食べるってことも教えるべきです。みんなで食べるの楽しい!って子どもたちが心から思えるような時間、空間づくりにぜひ取り組んでもらいたいと、いち保護者として切に願っています。

結び

知っている人のいないなかボッチで給食試食会に参加したはずなのに、同じテーブルの2人のママさんから「学年同じですよね?見たことあります」「たぶん幼稚園が同じだと思います」と声を掛けられて戦慄を覚えた私でした。昔からなんか顔を覚えられやすいんですけど、私は人の顔(と名前)を覚えるのが苦手なので、「あ、そうなんですね!」と答えながらヒヤヒヤしました。ひっそり慎ましやかに生きていきたい。

試食会自体は、参加して正解でした。あれほど子どもたちに「つべこべ言わずに給食だ!」と言っておきながら、その実態を知らないというのもヒドイ話だと思うので、今回しっかり体験してみて、「意外と悪くないやん!」と子どもたちと話せるようになって良かったです。1年生のときから「ハマ弁」経験者の長男くん的には、「3年前より全然美味しくなった。前はマジでマズくて無理やり食べたメニューもあったけど、今はそういうのないし」とのことで、現場の皆様の弛まぬ努力によって日々改善が続いていることを実感しました。

これから横浜市の公立中学校に通う予定のみなさんは、今後ぜひ給食というものがどう運営されているかを注視していただき、子どもたちに栄養価の高い給食を提供できるよう協力してください!私も保護者として、微力ながら中学校給食を応援し続けていこうと思います。

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