『沈む』
暗い部屋にひとり。
時を刻む針の音だけが、やけに響く。
まるで、死刑宣告を告げに来る
刑務官の足音のよう。
耳をふさいでも足音は止まらない。
仰向けになった体の上に
空気が鉛のような重さでのしかかってくる。
ずぶずぶとベッドにめり込んでく体を
どうすることもできず、喘ぐ。
この重力に従えば――地獄に行ける。
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水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。
ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。