
『沈む』
暗い部屋にひとり。
時を刻む針の音だけが、やけに響く。
まるで、死刑宣告を告げに来る
刑務官の足音のよう。
耳をふさいでも足音は止まらない。
仰向けになった体の上に
空気が鉛のような重さでのしかかってくる。
ずぶずぶとベッドにめり込んでく体を
どうすることもできず、喘ぐ。
この重力に従えば――地獄に行ける。
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暗い部屋にひとり。
時を刻む針の音だけが、やけに響く。
まるで、死刑宣告を告げに来る
刑務官の足音のよう。
耳をふさいでも足音は止まらない。
仰向けになった体の上に
空気が鉛のような重さでのしかかってくる。
ずぶずぶとベッドにめり込んでく体を
どうすることもできず、喘ぐ。
この重力に従えば――地獄に行ける。