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東京探索記 27 虎ノ門

8月10日(土)は虎ノ門の大倉集古館で開催していたル・コルビュジエ展へ。

ル・コルビュジエといえば建築家として有名。日本でも東京上野の国立西洋美術館が彼の設計になることは有名。しかし今回の展示は建築家としてのル・コルビュジエではなく、画家コルビュジエとしての作品展。

絵を描いていることは何かで読んだかで知っていたけど、作品を観るのは初めて。彼の活動期間は1930年代から戦争をはさんで休止期間を経た後の1960年代初めくらいまで。
彼の描く作品にはどのような世界が表現されているのか。1930年代の画家というとピカソなどを私は思い浮かべる(他にはあまり知らない…💦)のだが、コルビュジエの作品も雰囲気は似ている。人物、動物が描かれた絵は説明がないと何が描かれているのか構図がわからなかったり、多色で大胆に塗ってみたり。一方で女性の裸像も多く描いている。それはゴーギャンの作風に似ていなくもない、私見だが…初期の頃の裸像は細い線のタッチで細身のか弱いともいえる姿の作品だったが、年数を経るにつれて身体のラインの線は太く、陰影もくっきり描かれ立体感が出て、そしてなんといっても裸像そのものが逞しく豊満な肉体へと変化していった。その完成系ともいう姿が私の目にはゴーギャンのように見えた。

伝統と未来
ホテルオークラの鏡壁面に映る雲

こう書くとまるで誰かの作風を真似ているかのように聞こえてしまうかもしれないが、決してそんなことはなく、建築家ル・コルビュジエらしさが発揮されているのが、今回の特別展のポスターにも使われている絵。黄金比をもとに全てが計算されデザインされているという作品。解説を読んでも頭に入りきらなかったのだが、描かれている全てに黄金比をもとに具体値が設定されている。芸術と科学、または工業が一体化したような作品だった。

ところでこれが記事として出る頃にはもう会期は終了している、8/12まで。もっと早く知っていれば…

特別展を観終えたあとは集古館のある高台を一気に下り、虎ノ門ヒルズのほうへ。20%の急坂、江戸見坂を一気におりる。その名前から江戸の頃は、この坂上から江戸の町、浅草、神田が見えたのだろう。

オフィス街にこれだけの急坂が存在するのも珍しい

江戸見坂をおりると虎ノ門のビジネス街が広がっている。ここからは虎ノ門ヒルズへ。昔の虎ノ門は同じようなビルが林立していてどこを歩いているのかわからなくなっていた印象があるが、再開発が進んでも同じような外観のばかりでやはりどこにいるのかわからない。上をみながらビルの形の違いで判断しながら行きたいビルを目指す。

全身鏡張りの超高層ビルばかりかと思えば、まだこんな住宅も残っている。再開発から一区画でも外れると昔の姿がそのまま残っていたりする。

目を転じれば、東京タワー、愛宕山のマンション群。
丸形、台形、尖塔(東京タワー)と個性的なテッペンを持った建造物が立ち並ぶ。ビルに囲まれて一部がやっと見えるようになった東京タワーだが、ここからはまた違った構図で見えてくる。


虎ノ門ヒルズのオブジェを見る。日も傾き、立秋を過ぎて夕方の訪れが早まったと感じる今日この頃だった。



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