露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもちろん、特に路地探索が好きです。そんな路地に積もったつゆ、ちりを踏みしめ散歩しています。

露塵散

東京を形作っている凸凹、スリバチ地形を愛し、日々街歩きしています。坂、階段、暗渠はもちろん、特に路地探索が好きです。そんな路地に積もったつゆ、ちりを踏みしめ散歩しています。

最近の記事

東京探索記 37 大田区穴守稲荷神社

京急線穴守稲荷駅を降りるとそこはその名前の通り、穴守稲荷の町。 改札口を出るとまるで参道かのような旗幟の列と赤い鳥居。赤い雨合羽をかぶったキツネさんもいて、これはちょっと可愛らしい。 稲荷の町らしく、店舗も赤く染まっている。中華料理店といえば赤色の印象があるが、ここでは鳥居の赤にも見えてしまう。 裏通りにまわってみると今度は朱いパイロン2個が門の両端に置かれた家。もう人は住んでいないようではあるが、塀の透かしデザインが素晴らしい。どんな人が住んでいたのだろう。 さて、今

    • 東京夜探偵 10 渋谷

      東京夜探偵シリーズのエピソード7「ハロウィンを待つ恵比寿」、9「別所坂」、この夜は中目黒を出発して、別所坂を上り、恵比寿へ下りていき、代官山を越えて渋谷まで歩いていた。今回はその代官山から渋谷まで。 恵比寿の中心の飲食店街を抜けるとひと気のほとんどない坂道沿いの住宅地へとはいっていく。その中にわずかに残る路地の痕跡を歩き、代官山のてっぺんへたどり着く。 ここから先へ下りていくと一般的に代官山で知られているおしゃれな店舗が多く、若い人たちが多く歩き回るエリアへとつながる。

      • 東京路地紀行 63 杉並区堀ノ内

        善福寺川そばの蓋暗渠の路地。公園と民家のあいだを縫うように通っている。 ほんとうは逆。 かつてはこの場所に水が流れ小川を形成していた。あとからそこに家が立ち並び、やがて家々に囲まれた水路には蓋がされて暗渠に。 だから暗渠のほうが先。 でも今は人間の生活の利便性という名のもとに水の流れは蓋をされ、隅に追いやられ… でも流れていた当時の形、蛇行していたり、とても細かったり、を残しているとそこに面影を感じることができる。  コンクリート蓋が続く小径を追いかけると善福寺川に合

        • 東京夜探偵 9 別所坂

          別所坂とは東急東横線中目黒駅と恵比寿駅をつなぐ道筋にある坂道。 古くから拓かれた坂道らしく、坂を上った先には庚申塔、馬頭観音があり、江戸時代には人の往来があったということがわかる。 そんな夜の別所坂を歩いてみる。 別所坂があるのは、目黒区中目黒。坂の上は台地になっており、その端をかつて三田用水が流れていた。 三田用水はその名の通り、用水、つまりきれいな水(上水)を流すので排水、悪水が混じらないように台地の上、それもヘリを流れていた。ここもそうで別所坂の上の端をかすめるよう

          東京夜探偵 8 恵比寿

          夜の恵比寿へ再び。 東口へ出るとこちらも飲食店が立ち並び、この夜は週末土曜日だったこともあり、店の外にまで順番待ちの列。 恵比寿というとサラリーマンの街の印象を勝手に持っていて、実際にサラリーマンが寄りそうな居酒屋が多い。けれども今は若者の街に変貌してきているのかもしれない。渋谷の隣という利便性の良さ、その一方で渋谷という大都会の陰に立地する隠れ家的な街。そのようなところが理由だろうか。 そのような賑わい空間を抜けるとすぐに渋谷川へ。 その渋谷川に沿っているのが恵比寿東公

          東京夜探偵 8 恵比寿

          東京夜探偵 7 ハロウィンを待つ恵比寿

          今夜はハロウィンの夜だが、ちょうど先週の夜、ハロウィンを待つ恵比寿の夜を歩いてきた。とはいえまだ早かったのか、ハロウィン飾りは少なく、普通の週末の飲み屋街だった。 そんななかで見かけたハロウィン風景。 古めのマンションの1階、Miss SAIGONの看板が出ているベトナム料理店の軒先に吊り下げられているかぼちゃ色のお化け。かぼちゃの愛嬌とは違って恐い表情。 近くの居酒屋の入口に置かれているサトちゃんは身体の地色がオレンジ色なので紛らわしいけれども、ハロウィンのコスチューム

          東京夜探偵 7 ハロウィンを待つ恵比寿

          東京路地紀行 62 足立区千住

          その路地に足を踏み入れると、青いトタンの平屋の家屋、その軒先にぶら下がる琺瑯製の防犯看板が目に飛び込んできた。 ブルーシートに隠れるように、そしてところどころガムテープで補修されている琺瑯製の防犯看板。特殊xxや特流xxの犯罪がある現在ではこの看板は気やすめに過ぎないかもしれないが、時代を表す貴重な遺産になりつつある。 奥へ進むとアパートがいくつも建っている空間に。通路となっている個所だけがアスファルト舗装され、その周りは砂利敷き。昔はこんな半舗装の道が多かった。 街歩き

          東京路地紀行 62 足立区千住

          東京探索記 36 目黒

          目黒というと、「さんまは目黒にかぎる」と言った将軍様もいた通り、鷹狩の場だった。また目黒不動尊は江戸時代のテーマパークでお詣りしながら茶屋で遊べるし江戸近郊の日帰り行楽地でもあった。 その目黒に明治時代になるとあらたな行楽施設がつくられた。 それは競馬場。軍備増強のために当時は重要な”軍需品”だった軍馬のもとになる良質な馬の育成が目的のひとつ。そのための競技施設としての競馬場。 なぜ目黒の地につくられたのか? 実際に現地を訪れてみるとわかるが、広大なエリアがほぼ平ら。それも

          東京探索記 36 目黒

          東京路地紀行 61 足立区千住

          大門(おおもん)通り。 大門といえば、吉原大門が知られているかもしれない。千住の大門通りも同じでこの通りの北側に広がる千住柳町はかつて千住遊郭があった場所。その入口にあったのが大門というわけだ。もちろん、遊郭は戦後、赤線に指定され昭和32年の売春防止法の施行とともに遊郭は廃止され、普通の町になり、そして大門もなくなった。 柳町にはいくらか遊郭時代を感じさせる建物は残っているが、ほぼ普通の住宅地になり、当時の面影は薄くなっている。その代わりに昔の姿をとどめているのは、遊郭の外

          東京路地紀行 61 足立区千住

          東京路地紀行 60 足立区千住

          足立区の路地を歩いてみる。 最寄り駅は北千住駅、駅から歩くと15~20分くらいはかかるだろうか。隅田川が近づいてくる千住龍田町あたりにその路地は現れる。 まわりにはトタンの外壁の町工場があり、それに隣接する形で一本の路地を中心に両側に長屋状の家屋が並んでいる。 路地を奥まで進んでみる。ここで反転、来た道を戻る。 木製の物干しの支柱、日々使っているのであろう自転車、軒先に置かれたポリバケツ、いつから置かれているのかわからない消火器。 路地には日々の生活の様子が刻まれていた

          東京路地紀行 60 足立区千住

          東京探索記 35 港区白金 ~続き~

          三光町暗渠のあとは白金北里通りへ。 通りに面して「北里」の名の通り、新千円札の顔となった北里柴三郎氏のつくった大学、北里大学と附属病院が建っています。 白金北里通りのレトロ商店街 このあたりは再開発をまぬがれており(今後も再開発されませんように)、古い家屋が表通りにも裏にも残っているのですが、その極めつけともいうのがこの白金北里通りです。看板建築の長屋構造の商店、銅板建築の商店と思われる建屋を今でもみることができます。 畳屋が残っている町は古いものが残されている町、とい

          東京探索記 35 港区白金 ~続き~

          東京探索記 34 港区白金

          秋の訪れをようやく感じられるようになった10月中旬の週末、港区白金界隈を歩きました。 悪水溜 庭園美術館を出てから目黒通りを北へ、東京大学医科学研究所の敷地の手前にある悪水溜(あくすいだまり)と呼ばれる窪地へ。もともとは溜池で、「悪水」とは自然の湧水や雨水のこと。浄化されていないので飲用には適さないことからこう呼ばれています。でも決して生活排水ではありません。 その水のたまり場を囲う擁壁として造られた煉瓦塀が今も残っています。おそらく明治時代につくられたのでしょう。煉瓦塀

          東京探索記 34 港区白金

          東京探索記 33 庭園美術館(港区白金)

          港区白金に建つ庭園美術館。かつては宮家の朝香宮鳩彦の邸宅。今は整備されて東京都管理の美術館となっています。どんな作品が展示されているのか、というよりも建物、その内装がもはや美術館そのもの。 9月から11月にかけてその建物の公開がされています。今回はその「建物公開2024  あかり、ともるとき」に行ってきました。 庭園美術館を訪れるのは35年ぶりくらいの久しぶり。 このシンプルな外見はいつ見てもあっぱれ感動です。 玄関で出迎えてくれるのが、翼のある女性像。ルネ・ラリックの

          東京探索記 33 庭園美術館(港区白金)

          東京俳句紀行 その6 夏から秋へ

          夏から秋へ。 温暖化したとはいえ、確実に季節は移り変わり始めています。そのような季節の境目の頃を詠んだ8句です。 第一の句:福岡県太宰府 灼くる陽に 鈴の音ひびき 心涼む (やくるなつ すずのねひびき こころすずむ) 季語 灼くる(夏) 太宰府天満宮の風鈴の棚を歩いた時、ちょうど強い風が吹いてきて一斉に音色が響き、暑さを一瞬忘れて和みました。 第二の句:福岡県福岡市 雷雨去り 蒸し暑さ残す 蝉時雨 (らいうさり むしあつさのこす せみしぐれ) 季語 蝉(夏) 雷雨

          東京俳句紀行 その6 夏から秋へ

          東京探索記 32 赤い橋

          情熱の赤!なんて言いますが、街歩きをしていて赤い橋を見かけるとなんだか気分が盛り上がります。なぜかな?やっぱり情熱の赤だから!?街歩きで見かけるものというと、道端の土や家の壁の茶色、アスファルトのグレー、空の青または白、樹々や草の緑色…こういう色合いが多い中で赤色は目立つわけですね。それが橋だと下から見上げるとパッと目に飛び込んでくる。これが赤い橋に萌える理由かなと思っています。 さて、では街歩きで出逢った素敵な赤い橋3本を紹介します。ちなみに水と縁の深い弁財天や厳島神社には

          東京探索記 32 赤い橋

          東京夜探偵 6 新宿

          10月はピンクリボン月間。都庁もピンク色に染まっていた。

          東京夜探偵 6 新宿