秘密があると自分を罰する
人は、秘密があると自分を罰するらしい。
うまく言語化できない苦しみを徒然なるままに書き殴る。誰のためでもなく、自分のために。
妻、母という偶像
そんなすごい実績がなくても、図らずも「女性起業家」「女性経営者」「ママ社長」となんだか大層な下駄を履かせてくださるこの世の中。
私に向けられるキラキラした眼差しはたいてい
「お子さん2人もいてすごいですね..!」
そしてFAQでも作っておこうかと思うほどの
「家庭と仕事をどのように両立しているのですか?」
「海外出張などのときはお子さんはどうしているのですか?」
これは、コミュニケーションの1つで当たり障りのないアイスブレイクなのだと思う。もしくは、本当にただ単純にどのように家事育児を分担し、やりくりをしているのかを知りたいだけだと、冷静に考えればわかる。
いつも笑顔で答える。
「夫が100%家事と育児をしています!ありがたいです!」
Liiを世界一の会社にするんだと決めてからはよりいっそう、腹はくくってきた。そしていろんなことを割り切ってきた。自虐的にこのネタを取り扱ってきたものの、ニコニコしている裏で心臓が締め付けられるような何とも言えない痛みが走る。
なんでかな、起業することも仕事にフルベットすることも、全て自分で決めたことなのに。そして、子どもが寂しがろうが自分の心が泣こうが、私は仕事を頑張ると心を鬼にして決心し、今もそこは揺るがないのに。
3つの秘密
私には、秘密が3つある。
きっと、何にも秘密ではないのだと思う。「みんなは私にこうあってほしいんだろうけど、そんなイメージからはほど遠い」というそれを、私は「秘密」と呼んでいる。
1つ目は、世間から見えているような「家事も育児も両立している立派なかっこいい女性経営者ではない」という秘密。「夫が家事育児を100%しています」と言うと「またまた〜!」と私が謙遜しているように受け取られることが多いけど、リアルに何もしていない。ほぼ家にいない。
2つ目は「子どもに無償の愛を注ぐいい母親ではない」という秘密。私の近い人たちは、我が子のことを「うちの子かわいいんだよね」とよく言う。私は夫にしかそれが言えない。なぜか、他人に「うちの子がかわいい」と言えない。かわいいと思ってるのに。大切に思ってるのに。
3つ目は、私は「母親としてあまりに未熟である」という秘密。まだ幼く、大人が理解に苦しむ行動をする我が子に対してイライラもするし、強く叱責してしまう。夫が叱っている隣りで加勢してしまうことも多々ある。「どっちかが叱るときは、もう一方は味方でいてあげないと」と言われる。頭ではわかっているけど咄嗟にうまくできない。子どもの気持ちが分からない。いや、子どもの気持ちを考えようとしていない。大人のエゴで叱責している。仕事では「人のいいところを見つけましょう」なんて偉そうに言ってるのに。
そして、そんな自分のことを自分が一番許せない。
私はたくさんの人に愛情をもらって生きてきたはずなのに、私は愛情や母性をどこに落としてきたのかと。
誰かに責められたことは、たぶんない。
妻たるもの母親たるものこうあるべきだ、なんて言われたこともたぶんない。
でも、私自身が、いつも自分に浴びせる固定概念。
妻たるもの母親たるもの、こうあるべきだと。
「うちの妻は、妻として母としてこんなに素晴らしいんだ。」「うちの子はかわいいんだ。」と誰が自分の家族の話をするのを聞くたびに、勝手に苦しむ。
ただ純粋に「すごいね」「素晴らしいね」と思っているつもりでも、同時に「私は妻としても母としても何一つできていない。」と勝手に比べては自分にガッガリもしている。そんな思考をすることに意味はなく、事実が良くなるわけではないことを知っていながらも。
そして、今これを書きながらも目から水が溢れてくるのを止められず、私はこの自分の弱さとどう向き合っていけばいいのか今だに分からずにいる。
人は、秘密があると自分を罰するらしい
思うような妻、母ができないという自分への一種の自傷行為なのかもしれないとすら思う。
誰かに秘密を暴露することで楽になりたいと思っている自分が嫌になる。この「嫌になる」と思うことこそが、つまり「自分を罰する」ことに値するのかもしれない。
私が苦しみを吐露したことのある方はみんな、優しい。あたたかい言葉をかけてくれる。そして私も、誰かに相談されたら同じように言うと思う。
この私なりの3つの秘密。
秘密にしなくても胸を張って話せるようになる日がくるのか。それは幾年も先、息子たちときちんと大人として会話ができるようになったときにしか分からない。
母として自分がもっと成長していかねばと思う自分と、こんな自分に向き合いたくない自分と、こんな未熟な母をいつか子どもたちは許してくれるだろうかと思う自分。
私がこのあらゆる自分を出しても大丈夫だと勝手に認定している人、とりとめのない話をつらつらとしても大丈夫だと思える人にのみ、うだうだと吐露しては気道を確保して呼吸をしてきた。でも、最近は鬱陶しい顔をされるので、私はここに徒然なるままに書き殴ったのを最後に、現実世界でうだうだ言うのをやめようと思う。笑
さいごに
ちょっとなんか湿っぽいnote書いてみたんですが。笑
私はきっと「良い妻」「良い母」ができないことを、この文章で禊ぎたいだけなんだなきっと。弱いところが多分にあって、極めて人間臭い未熟な35歳がいることに勇気づけられてくれる人がいると、少し救われます。笑
今日という日は、夫と次男は名古屋で、長男はスペイン、私は東京。明日はまた違うし、1年後、5年後、10年後はみんなどこで何をしているのかなんて分からない。
そして、今の自分の在り方や子どもとの関わり、声かけ、機会提供が、正しいのか否かは全く分からない。
分からないけど、私自身が1人の人間として自分の気持ちを大事にしながら生きたいと思う。
そして、私を理解してくれ、応援してくれ、肯定してくれる人たちにいつか何らかの形で報いることだけは、ちゃんとやりたい。
これは、私のプライドのためにも。
さあ、週末はクリスマスツリーでも出そうかな。
11月、12月は子どもたちの誕生日とクリスマスが一気にくるので、ケーキとプレゼント祭り。
みなさん、良い週末を!
廣瀬あゆみ