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学校の成績はどう「評価」されてるの?2

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前回の記事はこちら。

2020年度に小学校、21年度に中学校で既にスタートしている新学習指導要領。
次年度、つまり22年度からは高校でもいよいよ始まります。
その中で、評価の3観点について前回記事から述べさせていただいています。

新学習指導要領では、学力を

知識及び技能
思考力・判断力・表現力
学びに向かう力・人間性等

の3つの柱でとらえています。

(評価する際には、評価しやすくするため、名前が知識・技能
思考・判断・表現
主体的に学習に取り組む態度の3観点に変わりますが、意味合いはほぼ変わりません。)


前回記事では、
知識及び技能と思考力・判断力・表現力について、
例題も踏まえて説明した上で、
残りの「主体的に学習に取り組む態度」の評価ってすごく難しいよね?
教師の主観が入ってたり、教師に従順な子が評価高かったりするんじゃない?

…って話題で終わりました。


もちろん。
そんな評価はすべきではありません。

教師個人の主観や気分で評価することにならないよう、
新学習指導要領では、評価に用いる具体的な学習活動が示されています。

児童(生徒)が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れるように工夫すること。

新学習指導要領より

「見通し」「振り返り」ってとこがポイントですね。


つまり、
生徒が「自分がその授業で何を習得したか」を振り返ったり、
「自分の足りない部分や苦手な部分」を習得するために、見通しを持って学習計画を立てたりする、
そんな活動を教師が「計画的」に入れなさい。


そして、教師は、生徒のその活動を長期的に見て、

・生徒が「どう学びを調整したか」
=振り返りの中で、習得したもの、できなかったものを理解し、できなかったものにどうアプローチしていったか
・生徒が「粘り強く」学びに向かったか
=授業での活動や宿題、提出物その他課題に対して、自身の学びのために真摯に取り組んだか

…を見取りなさい。

それが「主体的に学習に取り組む態度」の評価だ!

…ということです。

学習指導要領では、
生徒が自分の課題に向き合い、自分にできることとできないことを把握すること、どこまで分かっているのかの思考の過程を理解することを、「メタ認知」という言葉で説明されています。
生徒がこのメタ認知ができるように、教師は多くの活動を取り入れることになります。

教師は、必然的に
「授業の振り返り活動」を行うことになりますし、
子供の学びの調整や粘り強さを見とるために、多くの「成果物や学びの記録」を残しておく必要があります。

私は元英語教師なので、英語の授業を例に具体的に言うと、

「授業の振り返り活動」とは、たとえば…
授業の最後5分をその日の授業で学習した内容を振り返る時間に当て、
「振り返り用紙(またはリフレクションシート)」に①その日の学習内容と、②疑問点を書く。

これを毎回行うことで、期末などの評価すべきタイミングで振り返り用紙を回収すれば、
・その日の学習内容をきちんとおさえられたか
・疑問点を次回解決しようと試みたか
(=学びを調整しようとしたか、粘り強く自身の課題に取り組んだか)
…を測る
ことができます。

もちろん、教師がしっかり計画的に学習内容を指導して、その内容を覚えていることが前提条件。
「あれ、この日は学習内容が不定詞だったはずなのに、この子の振り返り用紙はing形について書かれているなぁ…
違うところでつまづいてしまったんだな」
のように、その日おさえるべきポイントを生徒がおさえられたかの確認はもちろん、
意外な生徒のつまづきポイント
も分かったりします。
これが、「主体的に学習に取り組む態度」の評価のための「振り返り」活動の一例ですね。

「主体的に学習に取り組む態度」の評価のために、もうひとつ必要なものがありました。
それは、生徒の多くの「成果物や学びの記録」を残しておくこと。

「成果物や学びの記録」の一例としては、
もちろん宿題プリントや英作文などの提出物が挙げられるでしょう。

ここで大切になるのは、「学びを調整したか」「粘り強く学んだか」を測るためのものが必要なので、
たとえば年間を通して単元の終わりごとに英作文の課題を出し続ければ、
4月に比べてどれくらい正確性や流暢さ・語彙力が上がったか
(=学びを調整したか、自身の課題と粘り強く向き合ったか)を毎回分析できる。

宿題や小テストにしても、つまづきの多かった問題をそのまま定期考査に出題すれば、
宿題や小テストでのつまづきを活かしているか(=学びを調整しているか)を測ることができる。



このように、

「振り返り活動」と、生徒の変容を見とる「成果物や学びの記録」

の2つを活用することで、

生徒は自分の学習の過程をメタ認知することができるので、

「学びに向かう力」つまり「主体的に学習に取り組む態度」は評価可能

なのです。

とはいえ、ブラックボックス化しそうな学校の「評価」。

子供の学習に向かう「姿勢」「態度」を、どう評価してるんだろう?

という疑問は誰しもみな持つもの。

その評価は、子供の変容を見とるための多くの活動によって、なされていると理解していただければと思います。

新学習指導要領は、そうした

「子供の主体性を育み、自己評価と自己調整ができるようサポートする」

という意味合いが強いように感じます。



最後にひとつ思い出すと、
「主体的に学習に取り組む態度」は評価する際の項目であり、もとは

「学びに向かう力・人間性等」

でした。それは児童生徒が

「どのように社会や世界と関わりよりよい人生を送るか」に関わる資質能力であり、

学力よりずっと広い力を示している

という事が分かります。

あくまで各教科の中で「評価」されているのは、その中でも「主体的に学習に取り組む態度」の分野だけ。
ですので今回は、そのに部分にフォーカスさせてもらいました。

各教科で、人間性も含めて評価する…となったら、それこそ難しそうですよね…。


でも!!
学校で評価されているものの中に、
人間性…に近いものが既にあるの、ご存知ですか?
それを次回書きたいと思います!

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