なぜ親は叱るのか？

こんにちは。心を育てるコーチングの黒川彩音です。今回は『なぜ親は叱るのか？／成功体験がもたらす親の勘違いと、その影響』をお話ししていこうと思います。よろしくお願いします。

親が子どもを叱る理由は、ただ感情的になっているからではありません。人には欲求があって、親が子どもを叱るのは、その欲求を解消することが多くあります。具体的には、親が望む行動を子どもにさせたい、子どもが安全であってほしい、社会的なルールに従ってほしい、という願いが背景にあります。

しかし、子どもは必ずしも言うことを聞きたいわけではありません。子どもも独自の意思や好奇心を持っています。けれども、親に叱られるのが嫌だから、言うことを聞く。そこで親は、子どもが言うことを聞いてくれた＝成功体験をしてしまいます。この一瞬の「成功体験」が、繰り返しの叱りを生んでしまいます。

人間は、無意識のうちに自分の行動パターンを強化するように生きています。親が叱ることで一時的にうまくいくと感じた経験は、親の中で「成功体験」として記憶され、そのパターンを繰り返そうとします。しかし、この方法では、親も子どもも長期的な成長にはつながりません。

私たちは、五感をフルに使って、24時間365日、絶え間なく情報を取り入れて生きています。自分の習慣やパターンが無意識に体に染みついているので、新しい知識や方法を学んだとしても、なかなか変わることができません。私自身も、過去にこのパターンを繰り返していたことがあったので、よく理解しています。

では、どうすればこの循環から抜け出せるのでしょうか？まず大切なのは、自分が今の自分ではない、つまり「本当の自分とは違うパターンに陥っている」ということに気づくことです。そして、その上で自分の考え方や行動パターンを変える、つまり”マインドセット”をしていく必要があります。

☀️脳の本能と自己保存

脳には生物としての本能があります。それは「生き延びたい」という根源的な欲求です。さらに、「自分を守りたい」という自己保存の本能もあります。この自己保存の本能は非常に強くて、私たちの行動に大きく影響を与えます。

新しい情報が脳に入ってきたとき、この本能が働いて、自分を守るためにその情報を否定的に解釈することがあります。結果、思考が動かなくなって、行動が制限されてしまします。さらに、この本能は私たちの目標を小さく小さくして、失敗しないための道を無意識に選ばせることがあります。そのため、私たちは知らず知らずのうちに、自分に制限をかけて成長を妨げてしまいます。

☀️子育てと脳の発達

子どもの脳は、私たち大人よりも本能に近い状態で機能しています。親がこの本能を上手にサポートすることで、子どもは驚くほど成長します。しかし、親自身が過去の経験や先入観によって子育てをしてしまうと、その子どもの成長を妨げてしまうことがあります。これは無意識のうちに繰り返されることが多くあります。

多くの親は、子育てが難しく、ストレスが多いものだという先入観を持っています。そして、そうした心構えで子育てに臨むと、必ずと言っていいほど壁にぶつかります。その結果、子どもの成長が思うようにいかないことを、子ども自身や周囲の環境のせいにしてしまいがちです。こうした考え方は、子育てという尊い営みを陳腐なものにしてしまうことがあります。

子育ての道のりは、手探りで進むものです。だからこそ、新しい視点を持つことです。

☀️まとめ

子どもは親の鏡です。子どもは本能を活かして、心身ともに素晴らしい人間に育ちます。まずは親が自分を見つめ直して、欲求の成功体験にとらわれず、柔軟に子どもに接していくことが大切です。

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