見出し画像

巻き肩はストレッチだけでは治らない

巻き肩に悩む方、よく「ストレッチをして柔軟性を上げれば大丈夫」と思いがちですが、実はそれだけではなかなか改善しないんです。

巻き肩というキーワードで検索すると、ストレッチの紹介をする記事が多いです。検索でも「巻き肩 矯正 ストレッチ」というキーワードで検索されている方が多くみられます。

確かに、ストレッチを行うことである程度改善をすることはできるのですが、巻き肩の根本的な原因は、肩関節や肩甲骨に付着する筋肉のバランスが悪くなってしまって、理想の位置をキープできなくなっているということ。

デスクワークやスマートフォンの使用後に、ストレッチをすることで、巻き肩を防いだり、一時的に理想の位置に戻すことは可能ですが、筋肉が縮んでしまったり、逆に伸び切ってしまている場合、筋力をつけて筋繊維を理想の長さに保つことはできません。

そのため、「巻き肩」の改善にはストレッチに加え、しっかりと筋力をつけることが必要なんです。

巻き肩には2つのタイプがある

「巻き肩」とひとことで言っても、実は「肩関節の内旋が原因の巻き肩」と「肩甲骨の外転が原因の巻き肩」という2種類があります。それぞれ違う筋肉が影響しているので、原因に合わせてトレーニングすると効果的に改善することができます。実際に体を動かしてみながら、自分はどちらのタイプに当てはまるのか確認してみてくださいね。

1. 肩関節の内旋による巻き肩

まず一つ目は「肩関節の内旋による巻き肩」。これは、肩関節が前方にねじれて内側に向かっている状態で、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用でよく見られるタイプです。長時間、手を前に出した姿勢を続けることで、胸の筋肉が短縮し、肩関節が内側に引っ張られてしまうことで起こります。

内旋による巻き肩を改善するには、短縮した胸の筋肉をストレッチでしっかり伸ばすことに加え、背中や肩の裏側の筋肉を鍛えることが重要です。これは、肩関節が前方にねじれないよう、肩甲骨を後ろに引き、理想の位置に保つ力をつけるためです。

この肩関節の内旋を感じるために、次のように肩の動きを確認してみましょう。立った姿勢で、両腕を体の横に下ろし、手のひらを体の後ろに向けるように軽く内側にねじってみてください。これが肩関節が内旋している状態です。

反対に、手のひらを前に向けて外側にひねってみると、これが肩関節が外旋する動きになります。もしリラックスした状態で手のひらが自然に後ろを向いている場合、内旋が強い巻き肩が原因かもしれません。

2. 肩甲骨の外転による巻き肩

もう一つのタイプは「肩甲骨の外転による巻き肩」。こちらは、肩甲骨が外側に広がり、肩が内側に巻き込まれている状態を指します。肩関節の内旋による巻き肩と似ていますが、原因が異なり、肩甲骨周りの筋肉が弱くなっていることで肩が前に出てしまうのが特徴です。

肩甲骨の外転が原因の巻き肩には、肩甲骨を中央に引き寄せるための筋力トレーニングが効果的です。肩甲骨の安定性を高めることで、肩が内側に巻き込まれず、理想の位置でキープできるようになります。

この肩甲骨の外転を体感するために、次のようにして確認してみましょう。まず、壁に向かって立ち、腕を伸ばして壁に手をつきます。そのまま肩甲骨を外に押し出すように、体重をかけて壁を押してみてください。肩甲骨が背中から離れていく感覚がわかるでしょうか?

これが肩甲骨の外転の動きで、これが強いと肩が巻き込まれてしまう原因になります。

ちなみに、「肩関節の内旋」による巻き肩は、姿勢は綺麗だけど巻き肩になっている、ということも起こりやすいです。いつも背筋を伸ばしているはずなのに巻き肩になってしまうという方は、前者の方が多いでしょう。

一方「肩甲骨の外転による巻き肩」は、猫背をはじめとした姿勢に大きく影響を与えているため、見た目に姿勢がとても悪くなっているという方が多いです。

巻き肩を防ぐためのエクササイズ:タイプ別のトレーニング

巻き肩には「肩関節の内旋による巻き肩」と「肩甲骨の外転による巻き肩」の2タイプがある通り、それぞれの原因に合わせたエクササイズをすることが効果的に巻き肩を改善するコツです。

最後に、簡単にできるエクササイズを紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

肩関節の内旋タイプに効果的なエクササイズ

肩関節の内旋による巻き肩は、肩が内側に巻き込まれて胸が縮こまっている状態です。このタイプの巻き肩には、胸の開きを意識し、肩関節を外旋する動きが効果的です。

まず、両足を肩幅に開いて立つ、または座った状態で体幹を安定させ真っ直ぐ座ります。

次に、肘を突き出すようにしながら手を肩に置きます。この時、二の腕が肩の高さと同じ位置になっていることを意識しましょう。手は、指先が触れる程度で大丈夫です。また、肩が盛り上がっていないことを確認しましょう。

そこからひじを外に向かって開くようにゆっくりと動かしていきます。胸が自然に広がり、肩の前側が伸びる感覚を感じましょう。

ひじが開ききって、肩の前がしっかりと伸びたら、肘を閉じていき、元の位置に戻ります。この動きを15〜20回ほど続けてみましょう。地味な動きですが、キツくなってくるはずです。

肩甲骨の外転タイプに効果的なエクササイズ

肩甲骨の外転による巻き肩は、肩甲骨が外側に引き離されていることが原因です。これにより、肩が前に巻き込まれる状態が定着してしまうため、肩甲骨を中央に寄せる筋力が必要です。

両足を肩幅に開いて立つ、または座った状態で体幹を安定させ、背筋をまっすぐに伸ばします。

腕を開き、肩の高さまで上げた状態を作ったら、ひじを曲げて、両手のひらが天井に向くように手をくるっと回します。この時、肩甲骨が中央に寄り、胸が自然に開かれるのを感じましょう。胸を逸らしたりして腕を寄せないよう、腹筋をしっかり働かせて上体は動かないようにすることがポイントです。

このエクササイズを15〜20回繰り返し、肩甲骨を中央に寄せる筋力をつけていきます。肩甲骨の位置が整うことで、肩が巻き込まれるのを防ぎ、正しい姿勢に近づけることがで切るでしょう。

筋力をつけるには、継続が一番。ぜひ、寝る前や、トイレに入った後など、エクササイズを行うタイミングを作って毎日続けてみてくださいね。

私が教えているマシンピラティスでは、機械や道具を使ってより効果が出やすいようにエクササイズを行っています。興味を持ったかたは、ぜひピラティスにも挑戦してみてくださいね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?