レポ記事の落とし穴を知り、言葉の中に見える自分を考えた
文章を書くのは、つくづく難しいなと感じるし、突き詰めれば、自分のことを見つめることと同義なのかな、とも思う。
先日、京都ライター塾の第1回講義のレポート記事を書いた。
この記事は、講義の中で「○日までに今回の講義の内容をレポートにまとめる」という課題が出されたので、それで執筆したもの。
講義の内容の記憶が濃いうちに、と思って数日内に執筆し、意気揚々と公開した。そこに返って来たフィードバックは「レポ記事は議事録ではない」ということだった。
レポ記事は、議事録ではない……レポ記事は…議事録ではない……。。。
ぶっちゃけわたしは今まで、イベントレポって議事録のようなもの、だと思っていた。イベントの内容を伝えるのって、それはつまりイベントの議事録とニアリーイコールでしょ?なんて。
でも、本来書くべきは、議事録的なイベントの内容だけでなく、例えばそのイベント時の会場の雰囲気だったり、そこから書き手は何を感じたのかだったり。メインの講義の内容だけをただ書くだけでなく、その場にいた自分だからこそ書けるものがあるはずで、そういうものを織り込んで書くものがレポ記事というもので。
あぁ、なるほど。わたしは今まで、書けている"つもり"になっていただけで、全然だったんだなぁということに気づかされた。
わたしが今まで書いてきた下記のような記事も、レポ記事というよりは、議事録。
あぁ、なんか、だんだん恥ずかしくなってきちゃったなぁ。
でも、恥ずかしくなっちゃって終わり、にするのはとってももったいない。今回、このことに気づくことが出来たのもひとつ大きな成長のきっかけだと思うから、どうしてわたしがこういう記事の作り方をしていたのか、ちょっと理由を自分なりに考えてみることにした。
理由① 自分が過去に議事録的イベントレポを読んだことがあった
本当に、これが大きい。数年前、まだわたしがライターなどを志す前のこと。とあるイベントに参加したものの、予定の都合で途中退出しなければならないことがあった。最後まで話を聞きたかったけれど、どうしても聞けず、残念に思っていたら「あとからイベントレポ書いてもらって公開するから!」と主催者の方に言ってもらい、少しだけ安心して退出した。そして、数日内に、本当にイベントレポが公開された。そこには、どんな会話の流れで、誰が何を話したのかまで、きちんと記載されていた。最後まで出席出来なくても内容が網羅されたその記事を読んで、とても満足できた自分がいた。そして純粋に「イベントレポって、こんなに詳細に書くんだ~!」と思った自分もいた。
そこからすっかり、全網羅型議事録系イベントレポがわたしのスタンダードになっていた(それに、他のイベントレポを読んで、イベントのハイライト部分しか書かれていないものを見ると「つまらないな」とすら思っていた)。
理由② 今まで書いてきた議事録的イベントレポnoteの記事の反応が良かった
上記にリンクを貼ったようなイベントレポ記事を、今までいくつも書いてきた。それらは、主催者の方に拡散されてたくさんの人の目に触れることによって、他の記事に比べてプレビュー数も多く、とにかく反応が良かった。
ポジティブな反応ばかりもらえる記事に、課題があるなんて、全く持って思っていもいなかったし、この書き方が他の人にも求められているのだと思っていた。
今のわたしに考えられる理由は、大きくこの2つだった。
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そしてさらに深く考えてみると、ひとつの思い当たることがあった。
「どこがイベントのハイライトなのか、自分で選べない」
もしかしたら、最大の原因はこれなのかもしれない、とすら思った。
「このイベントの登壇者が一番伝えたいことは?」を考えてしまって、その正解を外すのが怖くて、ハイライトを抜き出すことが出来ない。選ぶことが出来ないからこそ、「イベントの内容を全部書く!」というマッチョな思考で全網羅型議事録系イベントレポを書いてしまう。
そうか、わたしは多分、正解を求めていた。現代文の試験問題にある「作者が言いたいことは?」の回答をずっとずっと探していて、自分の解が不正解だと思われることが嫌だったのだ。
でも、自分で感じたことに、不正解なんてないはずなのだ。「わたしはこう受け取りました」。それだけで十分なはずなのに、無意識のうちに正解を探してしまって、不正解にならないように「全部書く」という、"絶対に外れない"ずるい方法を取っていた。
自分が感じたことが正解。だから、そのイベントの個人的ハイライトについて、思うままに書けばいいのだ。きっと、そっちの方がもっと血の通った読んでいて楽しい記事になるだろうし、そっちの方がわたしらしい記事になるんだろうなとも思う。
書くという作業は、自分を見つめ直す作業と同じなのだなぁと、改めて感じた出来事だった。レポート記事、書き直してみようかな。
そんなわけで、今日もおつかれさまでした。
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