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《神話》・《聖書》・《聖人》

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《神話》と《聖書》、《聖人》で書いた記事をまとめてます。《神話》では主にギリシア神話、《聖書》では旧約・新約聖書のエピソードを取り上げてます。
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記事一覧

《聖人-4》アッシジの聖フランチェスコ

《聖人-4》アッシジの聖フランチェスコ

こんにちは。
Ayaです。
記事を整理していて、《聖人》マガジンを去年の10月から更新していないことに気がつきました。

なので、気合いを入れて、最大の聖人・アッシジの聖フランチェスコを取り上げようと思います。

アッシジのフランチェスコ(1182〜1226)

フランチェスコは1182年アッシジの裕福な毛織物業者の息子として生まれます。
成長すると享楽的な生活に身を任せ、騎士として身を立てようと

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《聖人-3》聖ゲオルギウスと竜

《聖人-3》聖ゲオルギウスと竜

こんにちは。
Ayaです。
前回の『聖人とは』でローマ・カトリック教会における聖人の定義について述べました。

しかし、制度化されたのはキリスト教がローマ帝国に国教化されたあとの話ですので、パウロのようなその前の時代の聖人たちはあくまで伝説上の存在です。絵画でよく画題に取り上げられるのもこのタイプの聖人たちですので、ご容赦ください。
今回は聖ゲオルギウスについてです。

聖ゲオルギウス

ローマ帝

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《聖人-2》聖人とは

《聖人-2》聖人とは

こんにちは。
Ayaです。
前回の《聖人-1》ではパウロを取り上げましたが、そもそも聖人の定義を書いていないことに気がつきました(汗)今回はその補足です。

聖人とは

キリスト教における聖人とは、

と定義されています。教派によっては認められていない場合もありますが(特にプロテスタントでは認められない場合が多い)、今回はカトリックでの列聖について述べます。
当該人物が亡くなると、所轄の大司教がロ

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《聖人-1》もうひとりの使徒・パウロ

《聖人-1》もうひとりの使徒・パウロ

こんにちは。
Ayaです。
前回イエスの生涯と受難について書き上げましたので、今回からは聖人についてとりあげます。
まず取り上げるのは、『もうひとりの使徒』とも呼ばれるパウロについてです。

もうひとりの使徒

自殺したユダのかわりに、籤引きによって、マッテヤという人物が十二使徒に追加されました。しかし、このマッテヤについての聖書の記述はありません。
かわりに『もうひとりの使徒』として崇拝を集めて

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《聖書-20》イエスの復活とその後

《聖書-20》イエスの復活とその後

こんにちは。
Ayaです。
『人間イエス』は冤罪によって死を遂げましたが、その後復活したからこそ、『メシア(救世主)』となりました。今日はイエスの復活と、彼の周辺の人々のその後について取り上げます。

『我に触れるな』

イエスの磔刑後、マグダラのマリアが彼の墓を訪れると、墓の蓋が空いていて、遺体がありません。彼女が嘆き悲しんでいると、後ろから男性に声をかけられます。振り返るとイエスでした。

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《聖書-19》イエスの受難

《聖書-19》イエスの受難

こんにちは。
Ayaです。
ユダの裏切りによって、捕縛されたイエス。忠誠を誓っていた弟子たちもちりじりに逃げてしまいました。
イエスは大司祭のもとへ連行され、尋問という名の下で暴行を受けます。

ペトロの否認

一番弟子を自認していたペトロはイエスの捕縛時どさくさに紛れて逃げてしまいましたが、やはり心配だったのか大司祭の邸に潜り込みます。
ですが、邸の女中が、『この男もイエスと一緒にいた』と告発し

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《聖書-18》最後の晩餐

《聖書-18》最後の晩餐

こんにちは。
Ayaです。
律法学者たちの反発を買い、田舎に引っ込んでいたイエス一行でしたが、
過越祭を迎えるにあたって、エルサレムに戻ってきます。
過越祭はモーセの出エジプトを祝うユダヤ人にとって重要な祭典です。

弟子たちは何も知りませんでしたが、イエスは自分の運命―受難をすでに予知していました。

エルサレム入城

イエスがラザロを蘇生させた話はすでに人々の噂となっていました。
なので、イエ

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《聖書-17》イエスの宗教活動

《聖書-17》イエスの宗教活動

こんにちは。
Ayaです。
イエスの宗教活動は主に奇蹟と説教によって成立していました。今日は有名な奇蹟と説教内容についてまとめます。

カナの婚礼

イエスが初めて起こした奇蹟です。
地方都市カナへ、イエスとその一行は婚礼に招かれていました。宴がすすむにつれてワインがたりなくなってしまいました。このように宴の最中にワインをきらすのは恥とされていたため、マリアはそっとイエスに伝えます。
するとイエス

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《聖書-16》イエスと女性たち

《聖書-16》イエスと女性たち

こんにちは。
Ayaです。
イエスが宗教活動をはじめると、彼の母・マリアは偉ぶることなく、一信者として彼に従いました(本当によくできたお母様です)。今日はイエスと関わりをもった彼女以外の女性たちについてとりあげます。

サマリアの女

さて、ユダヤ人社会では『選民思想』というものが根強くありました。「自分たちは神に選ばれたヤコブの子孫である」という自負です。(彼についてはこちらをご覧ください)

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《聖書-15》イエスと弟子たち

《聖書-15》イエスと弟子たち

洗礼者ヨハネから洗礼を受けたイエスは、荒野での修行に入ります。この修行は40日間にも及びました。この修行を妨害しようと、悪魔が現れます。

悪魔の誘惑

イエスは悪魔に引きづり回され、空腹を覚えます。
すると、悪魔はイエスに囁きます。

イエスの答えに納得いかなかった悪魔は彼を高く引き上げ、再びこう迫ります。

これで諦めればいいものを悪魔は、さらにイエスを神殿の屋根の端へ連れて行き、

こうして

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《聖書-14》洗礼者ヨハネとサロメ

《聖書-14》洗礼者ヨハネとサロメ

さて、前回取りあげたように、聖母マリアから生まれたイエスでしたが、宗教活動をはじめるまで、聖書には記述がありません。亡き父ヨセフと同じように、大工をしながら、母を養っていたと思われます。
そんなとき、イエスはある男の噂を聞きます。彼こそ、洗礼者ヨハネです。

洗礼者ヨハネ

洗礼者ヨハネは受胎告知でガブリエルが語っていたマリアの縁戚エリザベスの息子です。なので、イエスにとっても遠縁にあたります。

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《聖書-13》聖母マリア

《聖書-13》聖母マリア

こんにちは。
Ayaです。
《聖書》マガジンを久しぶりに更新します。前回までは旧約聖書でしたが、今回から新約聖書を取り上げます。
新約聖書とはイエス=キリストの生涯について彼の弟子たちがまとめたとされる書物です。
イエスは当時のユダヤ教では考えられない新しい”赦しの神”をとなえ、ユダヤ教高位聖職者たちに睨まれてゴルゴダの丘で磔刑に処されました。しかし、その後”復活”を遂げたことで、『キリスト(※救

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《神話-19》トロイア戦争の女性たち

《神話-19》トロイア戦争の女性たち

こんばんは。
Ayaです。
美女ヘレネーの不倫によって始まったトロイア戦争。多くの女性たちが運命を狂わされました。今回はそんな女性たちをとりあげます。

アンドロマケー

ヘクトルの妻・アンドロマケーは夫の死に嘆き悲しんでいました。それだけでなく、のちの禍根となると、ヘクトルとの子どもまで殺されてしまいます。
トロイア王家の女性たちは"戦利品"として各将に分配されます。アンドロマケーはネオプトレモ

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《神話-18》トロイア戦争

《神話-18》トロイア戦争

こんばんは。
Ayaです。
今日はトロイア戦争とその後のオデュッセウスの航海についてまとめます。

英雄アキレウスの死

美女ヘレネーの不倫で始まったトロイア戦争でしたが、ゼウスの思惑通り、長期戦となります。その原因の一つは、アキレウスの戦線離脱でした。アキレウスは総大将アガメムノンと意見が対立することが多く、ある日お気に入りの女捕虜を取り上げれてしまい、キレてしまったのです。ただ帰国はせず、基地

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