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《聖書-17》イエスの宗教活動

こんにちは。
Ayaです。
イエスの宗教活動は主に奇蹟と説教によって成立していました。今日は有名な奇蹟と説教内容についてまとめます。

カナの婚礼


イエスが初めて起こした奇蹟です。
地方都市カナへ、イエスとその一行は婚礼に招かれていました。宴がすすむにつれてワインがたりなくなってしまいました。このように宴の最中にワインをきらすのは恥とされていたため、マリアはそっとイエスに伝えます。
するとイエスは、


「水がめに水をいっぱい入れなさい」
と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。イエスは、
「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」
と言われた。
ヨハネによる福音書
2-7~8

世話役のもとに運ばれたのは極上のワインでした。水をワインに変えたのです。

ヴェロネーゼ『カナの婚礼』

イエスの変容


イエスはペトロ、ヨハネ、ヤコブを連れてある山に登りました。弟子たちと祈っていると、

イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。                
 マタイによる福音書
17-2

ペトロが、興奮して

「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです」
ルカによる福音書
9.33

というと、雲に覆われてしまいました。その雲のなかで、

「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」
ルカによる福音書
9.35

という声が聞こえてきます。弟子たちが恐れおののいているなか、イエスだけ毅然としていました。

ラファエロ『キリストの変容』
ラファエロの絶筆作品

ラザロの復活

なかでも人々から求められたのが病気の治療でした。現代の我々には俗世的に感じてしまいますが、当時は病に苦しんでいるのも自業自得という考え方でしたので、人々にとっては藁にもすがる思いだったのでしょう。
しかし、イエスはそれだけでなく、死者を復活させました。さすがに人数は少なく、2人しかいません。
さて、そのひとりがラザロです。ラザロには姉妹マルタとマリアがいて、全員イエスの熱心な信者でした。彼は病気に苦しみ、亡くなってしまいました。
イエスは彼の死後4日後に到着しました。姉妹マルタとマリアは憔悴しています。すると、イエスは


「あなたの兄弟は復活する」
と言われると、マルタは、
「終わりの日の復活のときに復活することは存じております」
と言った。
ヨハネによる福音書
11-23〜24

マルタは最後の審判のあとに復活すると思っていたのです。しかし、イエスはこう声をかけます。

「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。生きていてわたしを信じる者は決して死ぬことはない。このことを信じるか」
ヨハネによる福音書
11-25〜26






イエスはマルタ姉妹と弟子たちを引き連れ、ラザロの墓へ向かいます。

「ラザロ、出てきなさい」
と大声で叫ばれた。すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれた巻かれたまま出て来た。
ヨハネによる福音書
11-43


ゴッホ『ラザロの蘇生(レンブラントを模して)』

さて、奇蹟についてはここまでにして、次はイエスの教えについてです。すでに何度か書いていますが、イエスがとなえた神は『赦しの神』、つまり慈悲深い存在でした。それが分かりやすい有名な例が『放蕩息子の帰還』です。

放蕩息子の帰還


あるひとに息子がふたりいました。兄は真面目な人物でしたが、弟は父親から生前贈与してもらい、遊び惚けていました。財産をすべて使い切り、一文無しになって、父のもとに戻って来ました。それなのに、

父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。
ルカによる福音書
15-20

兄はあきれ果てましたが、父親は

子よ、お前はいつも私と一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか」
ルカによる福音書
15-31

となだめるのでした。

レンブラント・ファン・レイン
『放蕩息子の帰還』


このたとえ話は父が神、兄は律法学者、弟は恵まれず律法を守れなかった罪びとに対応しています。
当時の律法学者たちは律法を守ることができない人々は救われない、神を『畏怖の神』として唱えていました。その教えを否定し、イエスは『赦しの神』と唱え、恵まれず律法を守ることのできない人々の信仰を集めはじめたのです。律法学者たちにしてみれば面白いはずもなく、彼らから嫌われていました。一時田舎に引っ込みましたが、『人類の贖罪』のためにエルサレムに向かうのです。


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