藤村綾

物書きみたいなひと 寝てばっかりのひと

藤村綾

物書きみたいなひと 寝てばっかりのひと

最近の記事

8月1日

 暑い。暑い。もういやだとけそうに暑い。それに加えて睡眠薬をびっくりするくらいのんでいるからあたりまえっちゅやーあたりまえなんだけれど毎日どの時間も眠い。なんじに寝ても起きるのが12時半とか13時とかでそれから支度してメンエスに行くかヘルスにいくかなおちゃんにあいに行くか。  そんな意味のあまりない生活を送っている。  わたしは。わたしは死んでいるのかもしれず、このループからまるで抜け出せないのが常であり日常なわけで、なんだかなぁ。  以前のわたしなら ふらっと旅行とか行って

    • 3月31日

       きく(ねこ)がきて11日たった。サイベリアンという鼻腔の狭いねこは呼吸がいちいちおおげさだしなんだかいつも鼻がつまっているようで、 え、花粉症? てゆう感じだしなにせニャーと鳴いたこともなくただ鼻息で意思疎通している感じだ。  まだ5ヶ月でおとこのこだし甘えん坊でしかし人間年齢で換算すると16歳のおとこだという。  それでも子猫には違いなくなるべく昼間あるいは仕事がない夜はずっと一緒にいるようにしている。  きのうはメンエスで常連3連発で忙しく帰ったのは深夜3時。風呂はルー

      • さいきんのこと

         1月17日に10年ほど不倫をしていた男と別れる。  1月17日にエド(猫)が急性心不全で急死。  18日〜28日まで泣いて泣いて泣きっぱで過ごす。  2月4日 まいちゃん23歳の誕生日 イチゴとトマトを買う(太るからケーキはいらないとのことで……)  2月12日(不倫をしていた男の誕生日でついメールをしてしまいそうになったからスマホを水没させた)・  2月14日 バレンタインデー&りゅう25歳の誕生日。(タンプというサイトからスエット生地のパジャマとGODIVAのチョコを

        • 奥さんへ

           確かに何年もお互いに秘密であってホテルに行き数えきれないほど抱き合いました。  そこに愛はあったかもしれないしなかったかもしれない。それでも求め求めあったのは事実です。  小説に彼にまつわる単語を並べてしまったことはこれは謝ることなのでしょうか?  わたしはいちおう物書きです。虚構の世界として客観的に不倫小説として扱ってくれてもいいのではないでしょうか?  彼は別に奥さんと別れてもいいし、別れなくてもいいし、こんなに家族に尽くしているのだから自由にしてほしい。  そのような

          タイワン

          (いま、タイにいる) はぁ? つい心の声が出てしまいまわりに誰かいたら統失かとおもわれそうなので口を手でふさぐ。  最近彼からの【起きてるか】メールがなくだけど忙しいのはわかっているのでわたしからの率先メールはひかえていた。  前回いつあったんだっけかと考えてメールの欄を指先で下にスクロールする。しかしなかなか見つからずあれもしかして消したのかなという弱った鰯になったとき、彼との最後のやりとりをみつけ嬉しいと同時日にちを確認する。15日もまえ。2週間以上もあってないじゃん。最

          タイワン

          不倫

           身体の浮気はいい。けど。けれど、心の浮気は許せない。だから安心して。あなたの旦那さんはわたしを抱くけれど心は抱いていないから。あなたの方が断然惨めだとずっとおもっていた。いや違った。わたしの方が心すら抱いてもくれないただの空気人形だった。それでもいいの。あいたい。ずっと あいたい。心ここにあらずでもいい。けれど抱いて。たくさん、もっとたくさん狂うほど抱いて。 そうしてわたしは彼を失わないですんだ。すんだけれど長い年月の中でどこかで区切りをつけたほうが良いのだろうか。不倫では

          久しぶりに書いたよ~

          久しぶりに書いたよ~

          ここちゃん

           いま、うちに旦那が預かっているインコがうちにいる。 「え! インコをつれてくるの! わたし鳥アレルギーなんだけど!」  単身赴任の旦那は大丈夫2階に隔離するから。といいきり連れてくるようになった。  わたしの記憶のなかでインコ(それに付随する小動物)は飼ったことがなくて自分で勝手に【鳥アレルギー】 だと決め込んでいたふしもあった。なのではじめましてと対面したとき、あ、かわいいなぁとおもった。そしてその子の名前が【ここちゃん】と知るとここちゃんとおそるおそる手を差し伸べた。

          ここちゃん

          バター

           あたしの仕事は身体を舐められる仕事だ。舐める仕事もあるけれど舌先が疲れるので一回試したけれどやめてその系列店の舐められる方にした。 「まゆちゃん、来てすぐだけれど指名で65分いいかな」  フロントの人が声をかけてくる。あれ? 新人かなぁ。フロントは人がコロコロ変わるのでいちいち名前などおぼえない。てゆうかお客さんの名前など誰も知らない。 「はーい」  やる気のない生返事をし、今日は何番のお部屋ですか? と、たづねると、一旦ノートに顔を向け確認をしたあと、ピースをして寄越した

          こえ

           人間と関わることが嫌いなので『こえ』を出せない人になろうと決め、決めた瞬間から『こえ』を出すのをやめた。『こえ』を一切出さないし『こえ』のはもうないものにしようとかみさまに誓った。  もともとライン仕事なので喋りなどよりの手の動きの方に重点を置くため会社にいる人間との会話など挨拶程度だったけれど、無愛想だけれどどこかつかみどころのないあたしにおしゃべり好きの女子どもはささやかなイジメをするようになった。作業着のポケットの中にミニトマトを入れたり、ロッカーの鍵を壊したり、部長

          ひっそり

           土曜日の夜にいくからね。つきあっている人にメールをすると、出張で帰るの9時くらい。と何時間後に返事が来る。最近週末は泊まらない。あたしがヘルスのバイトに行っているからだ。なおちゃんは無論知る由もないし知らせることもない。好きだからしたくない。前はそうも思っていたがまた始めてしまえばそんなこと別にない。ヘルスの仕事など1人ついてもう慣れた。あたりまえだ。人生のほとんどを風俗嬢に費やしてきたのだから。お金ではない、いやいや、お金だ、お金。その間で揺れる根本がわからない。さみしさ

          ひっそり

          いや、ちがうんだけど

           ふとしたことで涙が出るし朝起きた途端全力で卓球をしたような疲労感にぎょっとなりエドと顔をあわせるたびに目を見開かれシーッと威嚇されつつ徒労感に悩みそれこそまた涙が出てきて持ち直そうとインスタントコーヒーをど甘くして飲みほす。炭水化物、炭水化物。脳からの命令で最近は朝パンを食べている。朝飯を食べる習慣が昔からなかったから今さらながらの朝飯に最初胃がびっくりしてなかなか消化をしてくれず午前中膨満感がひどかったけれど徐々に慣れてきて今は逆に食べないと脳がうまく機能しないと感じる。

          いや、ちがうんだけど

          タイミング

           おそろしいほど、いや、泣けるほど疲弊していた。疲弊しているのでなにもしたくない。のではなく、ものすごく身体をこなごなにして欲しかった。  ダメ元でメールをする。 『あいたい』  さらっとみじかめに。『めしくう』みたいな軽いのりで。午後の6時半。彼からはすぐ連絡がきた。いつもなら2日おいてから連絡が来るし、けれどその前に月に一度だけしかあわない。そんな約束をしたおぼえもあった。大した約束ではない。閻魔様に舌を抜かれるとかそんな大げさなものじゃない。あまり執拗にならないための自

          タイミング

          しめい

          『次指名55分続きます』『次指名100分続きます』 「……」  お客さんが帰る時内線電話をかけ『おきゃくさまおかえりで〜す』とちょっとだけかわいい声をだしフロントに電話をする。フロント先。タナカさんが『はい、りょうかい』といえば次に仕事は入ってないのだけれど『次、なになに、』といわれると、途端にぎょっとなりいま終わったぶんなのにまたかぁ〜あ〜疲れたよ。とほほ。そんな気分に思い切りなる。  お客さんを「ありがとうございましたぁ〜」と背中に声をかけ見送ったあと ー見送りの際だいた

          たぶん、らいしゅうなら

          《いつなら時間ありますか》  不倫をしている彼にメールをする。LINEでもショートメールでもGメールでもない『誰にもあけることのできない秘密のメールボックス』に。「このメールはお前だけしか知らないよ」と、教えてくれたメール。嘘かもしれない。けれど嘘でも『お前だけしか』の部分は確かにうれしかった。特別なような気がして。特別なんかじゃないのに。裏返せば後ろめたい関係なのに。 《たぶん、来週なら》  その返事に気がついたのはメールを打った次の日だった。たぶん、来週なら。の文面よりも

          たぶん、らいしゅうなら

          おっぱい・

           常連さん ー3回顔をあわせればもう常連顔をするのでそうゆうことになっているー が唐突に 「ももちゃんひざまくらしてよ」と、狭いベッドの上に正座をさせて甘えた声をだす。ベッドとはいえどもベッドのようなものでもし彼氏とはりきって交尾をしたのなら壊してしまうそうなほどきしむ。きしむべっどのうえで〜、やさしさもちよりぃ〜、きつ〜くからだだきしめあえばぁ〜、  ベッドがきしむたび『尾崎』が脳内で流れる。まさか『尾崎』のヘルス嬢にこの歌が脳内に浮かぶとしったら浮かばれないだろう。 「う

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