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2025年1月読了 ミステリーベスト3

第1位:黒い谷/ベルナール・ミニエ

フランスのピレネー山脈で発生する猟奇殺人事件を描く骨太ミステリー。女性憲兵隊ジークラーが猟奇殺人の真相を追い、停職中のセルヴァス刑事が失踪した恋人を探す過程で事件が絡み合う。

現場に残された謎の記号の意味は? なぜ殺害方法が猟奇的なのか? 恋人マリアンヌの拉致事件との関連性は? そして最大の疑問、そもそも何故こんな事件が起こったのか?

複雑な人間関係が描かれ、心を揺さぶられる展開がめっちゃ魅力的! 社会問題を絡めたエンタメ度抜群の警察小説で、マジで驚く真相、最後まで目が離せませんでした。

第2位:すばやい澄んだ叫び/シヴォーン・ダウド

働かない父、病死した母、幼い弟妹の世話をしながら生きるヤングケアラー15歳少女の物語。

現代にもあるヤングケアラーや格差社会の問題を描いており、重みのある作品です。見て見ぬふりをしたり、ごまかしたりして生きていませんかと指摘されている気がするのです。

物語の後半ではミステリーの展開に… 胸を抉られる真相にどうしようもない無力感が襲われます。ただ、それでもシェルの希望を信じて前を向く姿に心が浄化されるんですよね。

人生どんな苦難があってもきっと乗り越えられるって、魂まるごと癒してくれる作品でした。

第3位:失墜の王国/ジョー・ネスボ

深すぎる "愛" と "業" を描く犯罪小説。

雰囲気が漂う田舎町を舞台に、知り合い同士の粘着質な人間関係が描かれる。金、暴力、殺人など、淡々と描かれる犯罪の背景には同情の余地がなく、ただ身勝手な欲望が渦巻いています。

後半、物語が加速する中で兄弟が辿る悲惨な道は胸を締め付け、人間が暮らす環境の影響の大きさを考えさせられる一冊です。


各作品の詳しいレビューはブクログで記録しています。お時間があるかたは、ぜひ遊びにきてね。読んでいただき、ありがとうございました。


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