
- 運営しているクリエイター
記事一覧

「太陽(ティダ)の運命」
映画『太陽(ティダ)の運命』公式サイト https://tida-unmei.com/ 難しいけれど簡単 簡単だけれど難しい 何だかサン・テグジュペリみたいなこと書いてますが 沖縄の基地問題。 知らなかった、 沖縄知事の 第4代知事の大田昌秀(任期1990~98年)と第7代知事の翁長雄志 は共に基地建設反対の知事として理解していたが 実はその政治的立場は正反対であったことを。 大田知事はもちろん反自民の人として理解していたが 同じく翁長もそうだったと思ってたが 翁長はもともと沖縄自民の中心だったと。 しかし、基地問題で反自民の立場となり もともと対立していた大田と同じサイドで 日本政府と戦った二人だった。 ともかく 本作はそうした反目していた二人の知事を探り描くことで 今も大きな問題である沖縄基地を考えさせられる作品。 「ティダ」とは太陽という意味。昔の沖縄で首長・リーダーを表した言葉。 2025年3月22日 沖縄先行公開(全国公開4月19日) 今月試写した映画 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「Moirai」 Moirai : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/103079/ 2025年1月24日 公開 「銀幕の友」 映画『銀幕の友』オフィシャルサイト https://ginmakunotomo.ayapro.ne.jp/ 2025年2月21日 公開 「Playground/校庭」 映画『Playground/校庭』公式サイト https://playground-movie.com/ 2025年3月7日 公開 「Flow」 映画『Flow』公式サイト https://flow-movie.com/ 2025年3月14日 公開 「スイート・イースト 不思議の国のリリアン」 映画『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』公式サイト https://sweet-east.jp/ 2025年3月14日 公開 「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」 マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/103064/ 2025年3月28日 公開 「マッド・マウス ミッキーとミニー」 映画『マッド・マウス ミッキーとミニー』公式サイト https://www.hark3.com/mm/ 2025年3月7日 公開 「BAUS 映画から船出した映画館」 映画『BAUS 映画から船出した映画館』公式サイト https://bausmovie.com/ 2025年3月21日 公開 「悪い夏」 映画『悪い夏』オフィシャルサイト|2025.3.20(木・祝)全国公開 https://www.waruinatsumovie.com/ 2025年3月20日 公開 「うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生」 ドキュメンタリー映画『うしろから撮るな 俳優 織本順吉の人生』(監督:中村結美)2025年3月29日(土)より新宿K's cinemaにて公開! https://toruna-movie.com/ 2025年3月29日 公開 「太陽(ティダ)の運命」 映画『太陽(ティダ)の運命』公式サイト https://tida-unmei.com/ 2025年3月22日 沖縄先行公開(全国公開4月19日)

「マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド」
マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/103064/ 教育法というというとシュターナーとモンテッソーリという 二つの教育法を思い起こす。 それに関しては後で。 本作はそのモンテッソーリがいかにしてその教育法を築き上げたのか しかもイタリア初の女性医師であり、未婚の母として 当時の幾多の障壁に立ち向かいいかにしてその教育法を完成させたのかを描いている。 モンテッソーリ教育と最近ではすぐに Amazon 創業者ジェフ・ベゾスはじめ ソングライターのテイラー・スウィフト、将棋の藤井聡太などが受けたと言及される。 だから僕としては(だからなんなんだ!?)と反作用的に懐疑的になっていた。 何だかいろいろな道具を使った教育法みたいだという事も耳にしていたし。 が、 本作を観て (知的障害のある事発達を促す) 見方が変わった、素直になった。 まっ、それはそれとして 監督のレア・トドロフ 1982 年パリ生まれ。ドキュメンタリー映画の助監督としてスタート。 オルタナティブ教育をテーマにしたドキュメンタリー「School Revolution: 1918-1939」の脚本を執筆。 自身としては遺伝性疾患を持った娘の誕生が決定的となり 本作が彼女の初監督長編劇画。 さて 僕みたいな教育を語るほどの知見は無い身としても 幼児教育というと シュターナーとモンテッソーリという言葉が思い浮かぶ。 そこで少し調べたら 1900年初頭という同時期に 片やドイツで、一方イタリアで起こった教育法であり その後の世界に大きな実績を残し 今でもその功績は高く評価されている実践され続けている ということを知った。 一言では記すことは難しいが 神秘思想家、哲学者、教育者であるシュタイナーの人間が自らの叡智で人間であることを見出す芸術教育 精神科の医師であるモンテッソーリが知的障害をもつ子供に行った感覚教育法、基本的には子どもの発達モデルを下敷きにした教育法 といってよいだろう。 モンテッソーリ教育 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%AA%E6%95%99%E8%82%B2 シュタイナー教育 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E6%95%99%E8%82%B2

「マッド・マウス ミッキーとミニー」
映画『マッド・マウス ミッキーとミニー』公式サイト https://www.hark3.com/mm/ これぞ荒唐無稽というのか、、、、 ただし、一点だけ見逃せない事実がある。 「パブリックドメイン」 冒頭から本当に人のことをおちょくった、 スターウォーズを真似た映像に (本来は宇宙を取り巻く暗黒の事態を語るあの場面) 自分たちがいかにディズニー作品を愛し尊敬し ここにその代表的キャラであるミッキーを登場させて いかにしてこの「バカげた」映画を作ったかを熱弁する。 そして 何度も、ディズニーに対して 自分たちは本映画についてコンタクトを求めたが 完全にスルーされたと。。。わからなくはない。 本編はまことにくだらないホラー、チェーンソージェイソンの世界。 でもですよ、 本来ホラーは絶対見ない僕でも オープニングのインパクト、 本編に入ってからのグロテスクを越したバキバキのシーンの連続 そしてそこにはナーーーんにも所縁も所以もなーーんにも存在しない 空転ホラーの世界。 最後まで見てしまった。 さて、ここで 冒頭に書いた「パブリックドメイン」について述べておく。 もともと著作権法はややこしいのでごくごくシンプルに記しておきます。 パブリックドメイン(public domain)とは、ウィキに 「著作物や発明などの知的創作物について、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態のことをいう」とあります。 元から権利が発生しないもの、ある時期、期間を過ぎれば(公的利用を促進するために)権利が切れるもの、があり この権利保護期間は各国の著作権法により異なります。 本映画におけるミッキーの件は後者にあたり、アメリカにおける権利消滅が2024年という根拠により制作されたのです。 ただしミッキー、ディズニー作品をはじめ、その他多岐にわたりパブリックドメイン適用の解釈は 著作権保護期間の解釈が複数存在するため確定しているものではないともいえるのです。 と、まぁわかったようなわからないような説明になりましたが ともかく本作はそのパブリックドメインであるという解釈のもとに あざとく作られた作品であることは間違いありません。 そして この著作権の解釈で真正面から作られているというわけです。 しかも、単にリスペクトとかオマージュとか(この用法は僕は嫌いだ) というわかったようなわからん御託並べるのではなく 真っ向からミッキーの世界をつぶしにかかっている「潔さ」。 もう一度書くが 僕はホラーは大嫌いだし絶対見ないが 本作は最後まで見て思わず「ワォ!」と言ってしまった。 アーメン。 2025年3月7日 公開

「TATAMI」
映画『TATAMI』公式サイト https://mimosafilms.com/tatami/ 紹介のキャッチコピーで 「ポリティカルスポーツエンターテインメント」 という言葉があるということを初めて知った。 エンターテインメントをどう訳すかが難しいが 「政治的視点でのスポーツ魅了作品」 とでも訳すのだろうか。 世界柔道大会。 イラン代表女子が勝ち進む中で イスラエル選手との対戦が予想され これを阻止しようと イラン政府が本人に棄権を迫りあらゆる手段に出る。 従わなければ家族を拉致してまでの圧力をかけて。 政府の指示に従うのか、スポーツ人として自身の尊厳に従い出場するのか。 極限の決断を迫られる主人公が選んだ道とは。 事実をもとにした政治的スポーツドラマが展開される。 こうした単体のテーマ、それだけで十分重い、で貫かれたところに 見応えがある。 日本人だとTVなどで本当の柔道の試合の映像を見る機会は多い。 そしてそれは当然引きの画像が多いのでこれに慣れたる僕たちからすると 本作で多用されるUPの対戦映像に少し違和感はあるが 世界視野でみるとこれがエンターテインメント性を高める効果ある映像となっているのだろう。 一つ要望があるとすれば 「何故イスラエルの選手と試合をしてはいけないのか」 負けることを危惧しているのか?しかし、勝つことも半分あるのだから 何故なんだろう、イスラム的な考えなのか。。。 この点をもう少し掘り下げてもらいたかった。 最後に伝えなければならないポイント、 監督はイスラエル出身のガイ・ナッティブと本作で主演も務めたイラン出身のザーラ・アミールが共同でという 映画史上初の、イスラエルとイランをルーツに持つふたりが監督。 撮影は極秘で敢行され、映画に参加したイラン出身者は全員亡命した。 イランでは、当然本作は上映不可。 2025年2月28日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した映画 「Moirai」 Moirai : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/103079/ 20225年1月24日 公開 「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」 ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 - 株式会社クロックワークス https://klockworx.com/movies/stella/ 2025年2月7日 公開 「ハイパーボリア人」 『ハイパーボリア人』公式サイト | 2/8 (土)ロードショー https://www.zaziefilms.com/loshiperboreos/ 2025年2月8日 公開 「ジェイラー」 映画『ジェイラー』公式サイト https://spaceboxjapan.jp/jailer/ 2025年2月21日 公開 「死に損なった男」 映画『死に損なった男』オフィシャルサイト https://shinizokomovie.com/ 2025年2月21日 公開 「Underground アンダーグラウンド」 『セノーテ』『鉱 ARAGANE』小田香監督最新作『Underground アンダーグラウンド』2025年3月1日(土)〜ユーロスペースほか全国順次公開 https://underground-film.com/ 2025年2月中旬 公開 「犬と戦争 ウクライナで私が見たこと」 映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』|2025年2月21日(金)公開 https://inu-sensou.jp/ 2025年2月21日 公開 「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」 映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式|2025年2月21日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/nootherland/ 2025年2月21日 公開 「聖なるイチジクの種」 映画『聖なるイチジクの種』公式サイト https://gaga.ne.jp/sacredfig/ 2025年2月14日 公開 「デュオ 1/2のピアニスト」 映画『デュオ 1/2のピアニスト』公式サイト https://www.flag-pictures.co.jp/duo-pianist/ 2025年2月28日 公開 「知らないカノジョ」 知らないカノジョ https://gaga.ne.jp/shiranaikanojo/ 2025年2月28日 公開 「TATAMI」 映画『TATAMI』公式サイト https://mimosafilms.com/tatami/ 2025年2月28日 公開

「デュオ 1/2のピアニスト」
映画『デュオ 1/2のピアニスト』公式サイト https://www.flag-pictures.co.jp/duo-pianist/ 今ある、残る、身体機能を最大限に生かすことで素晴らしい能力が開花する。 事故や病で 身体的機能に支障が出たり障害が出たりした人が 乗り越えて活躍する姿には感動する。 自身のアイデンティティーを見出したその姿に。 本作はピアニストとして共に将来を嘱望された双子の事実に基づく物語だ。 幼少のころから 父親のスパルタ教育でナンバーワンのピアニストになるべく育てられた二人。 音楽の難関校に入学しSoloピアニストとしての晴れやかな道を歩むかに。 ところが 突如と遺伝性の骨の病が襲う。 しかも遺伝性ということで二人ともに。 ピアニストの道は閉ざされた、かに思えた日々、暗澹たる日々を過ごす中で 今ある、出来る機能を駆使することで新たなピアニストとしての道に目覚める。 またそこには、双子という特別な(ラッキーな)状況があった。 本来、右左の両手で 思いの演奏をすることが不可になった二人には 双子の4本の手で、お互いにおぎあいながら演奏するという道があった。 もちろん、これには特有な奏法が必要とされ 更に何よりも4本の手が2本の手となるような同期、というか阿吽の呼吸が必要になる。 そう、双子の二人にはそれが可能だった。 本作の父親は何事もナンバーワンにこだわり 自分自身も(小さな世界での)一番にこだわっている人物。 因みに 僕はこういう、人と比べての順番や肩書にこだわることが嫌いだ。 本作が描く父親はまさにこういう種族。 自然、この物語に出てくるこの父親像には賛成できない。 が、 試練を乗り越えた双子の姿が この肩書、比較論者だった父親の思考までも変えてしまった、良し! で、 この作品を観てすぐに思いだしたのが 館野泉だ。 「左手のピアニスト」としとしてご存じの方も多いだろう。 舘野泉 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%98%E9%87%8E%E6%B3%89 ピアニストとして全盛期に脳溢血で倒れた彼は 右手の自由を失う。 ピアニストとして決定的なハンディーを負うが ここでくじけなかった彼は 残った機能、能力、左手で演奏を。 それはそうとう困難な道のりだったが 「左手のピアニスト」として見事に世界に帰ってきた。 また彼の姿に感動した数多くの作曲者たちが 彼のために左手だけのピアノ曲を作ってくれたりも。 この話はドキュメンタリーなどでも紹介されている。 主演女優を務める カミーユ・ラザとメラニー・ロベールは 演技はさることながら このピアノ演奏シーンは「本当!!」と驚かされてします。 また スタッフで特筆されるのは プロデューサーのフィリップ・ルスレ アカデミー賞作『コーダ あいのうた』(22)、『エール!』(14)、『ふたりのマエストロ』(23)などを手掛けた。 本作に続くのがうなずける。 2025年2月28日 公開

「犬と戦争 ウクライナで私が見たこと」
映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』|2025年2月21日(金)公開 https://inu-sensou.jp/ 戦争でも災害でも 人が遭遇する悲惨な状況 必ずそこには犬も存在する。 人間と最も親しい動物であるがゆえに、 命と同居しているといってよいだろう。 監督、製作の山田あかね これまでに、小林聡美主演の『犬に名前をつける日』(2015/監督)や『犬部!』(2021/脚本)など数々の作品で犬や猫の命を描いてきた。 今回、戦争の地であるウクライナに目を向けた。 戦場にいる犬、そして人間を追った3年に及ぶドキュメンタリー。 そして驚愕する現実に対面する。 ウクライナでは犬を愛する国民性を持ち 野良犬でさえ、施設や市民に厚く保護されている。 犬と共に暮らすウクライナと言ってよいだろう。 多くの犬たちの保護施設が存在する。 そうした中、ロシアの進行により、運営者から取り残されたその施設に数週間閉じ込められた犬たちがいた。 500頭を超える犬たちは飢餓、飢えにより半数近くが餓死する。 この惨劇を中心にこのドキュメンタリーは進む。 こうした犬たちは 多くのボランティア団体に支えられている。 そうしたボランティアたちの中で 特に元イギリス軍の兵士で戦闘経験でPTSDで退役した人物にフォーカスする。 彼は元兵士であることでその経験値を生かして 危険な戦場現場から身を挺して多くの犬たちを救う。 彼のこうした行動の原点になったのは かつてPTSDで生きる目的を失っていた自分を救った「犬」の存在があったからだと。 そして 彼が始めた犬による負傷兵の犬による介護セラピーの場では 現実の戦闘で負傷した兵士たちの癒された姿も映し出される。 ナレーションは俳優の東出昌大。 また書いてしまうが 犬が大好きな僕です。 が、そうでなくともこの作品は一見してほしい。 また 時を同じくしてガザの戦場を取り上げたドキュメンタリー 「ノー・アザー・ランド」 映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式|2025年2月21日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/nootherland/ 2025年2月21日 公開 を試写した。 こちらは ガザ地区でパレスチナ人とユダヤ人の友人二人を追った作品だ。 こんなドキュメンタリーが続く事が無い事を切に願う。 2025年2月21日 公開

「あの歌を憶えている」
映画『あの歌を憶えている』公式サイト https://www.memory-movie-jp.com/ 普段は 大人の恋の物語という触れ込みの映画にははなんとなく軽さを感じて あまり見ないんだが・・・ ちょっと違う。 主人公の二人は50歳後半、お互いに問題や傷を持つ。 若年性認知症、幼年期の性的虐待など その傷や障害を乗り越える二人の心の交流が 僕には響いた。 そして 作品の中心をなすといってもよいのが 「プロコル・ハルム」の名曲「青い影」。 僕の世代前後には確実に大きく記憶に残る曲だと思う。 因みに僕は高校生のころこの曲のシングル盤を買って ポータブルプレーヤーで何度も何度も聞き返した記憶がある、感動して。 バッハのG線上のアリアを思わせるイントロ 一音づつ下がっていくベースライン ハモンドオルガンのシンプルな音色とそれがサビではレズリースピーカーを通した刺激的な音へ変化。 この曲に思い入れのある御仁は多いはずだ。 雑学だけれど 当初からこの歌の意味は難解だと言われてきたし 原題も「A Whiter Shade of Pale」で 直訳すると「白くなっていく青白い影」でシンプルに「青い影」ではない。 まっ、それでも邦題の「青い影」はそれで良い! ともかく 50年前の名曲をベースに 今の時代での特徴的なハードルを持った男女。 色合い、 撮影はニューヨークなのだが なんともいつものNYと色合いが違うと感じた。 監督がメキシコ出身ということもあるのか・・・? もしかして 全体を Whiter Shade of Paleっぽいトーンで統一し、曲の境の再現を狙ったからなのか ・・・・考えすぎか。 尚、主演の ジェシカ・チャステインは 「タミー・フェイの瞳」(2021)で、第94回アカデミー主演女優賞に輝いている。 2025年2月21日 公開

「ハイパーボリア人」
『ハイパーボリア人』公式サイト | 2/8 (土)ロードショー https://www.zaziefilms.com/loshiperboreos/ 何じゃこれは!? いったいなんなんだ!? まずはこの言葉しか出てこない。 しかし、なんだこれは!?すごい。 でもこれは、すごい。 いやこれは、とんでもなく凄い。 これ以下でもなくこれ以上でもなく。 評は以上です。 では何の説明にもなってない・・・が 早くも 極楽映画大賞・なんじゃこれ部門ノミネート。 ストーリは(仮にストーリーと言えるものがあったとしてだが) 女優で臨床心理学者のアントーニア(アント)に幻聴に悩まされているというゲーム好きの患者が診察にくる。 映画監督レオン&コシーニャはその幻聴の話を知り、それは実在したチリの外交官・詩人でヒトラーの信奉者でもあったミゲル・セラーノの言葉だと気づく。 そして アントを主演にしたセラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めるが それがいつしか謎の世界に入り込んでしまい チリの政治家ハイメ・グスマンから、チリの国家を脅威をもたらすことが記録された映画フィルムを探すよう命じられる。 (この説明では何が何だかわからんでしょ!でもこうなんだから) 監督は チリの監督コンビ、クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ コマ撮り、マペット、映像投射、実写など ありとあらゆる手法がコンフュージョンにてんこ盛り。 でも、それが後々考えてみるとすごい計算されていることにも気づくかと。 第一作の 「オオカミの家」で世界的に注目を集めた。 去年この場でも紹介した。 「『オオカミの家』 併映『骨』」|極楽試写会/コラムンの犬 https://note.com/atoss_cinema/n/n4864bb2fefa5 その時の感想も「なんじゃこりゃ?」しかなかったが 長編第2作となる本作は この「なんじゃこりゃ!?」はただものではない、と確信した。 実名で登場する 主演のアントーニア・ギーセン 監督のレオン&コシーニャにいたっては何と!マペットで。 ・・・そう気が付いたのだが 前作「オオカミの家」の宣伝動画にインタビュー出演しているこの監督の後ろにはこのマペットが登場している!(かなりマニアック) ナチ、ヒトラーの取り上げ方 そしてチリ政治のダークな部分に対する レオン&コシーニャ監督の姿勢が 前作に続き見事に表れているともいえる。 そして同時上映の短編 2023年製作の短編「名前のノート」は ピノチェト政権下で行方の分からなくなった若者の名前をつづる。 尚 「ハイパーボリア」とは ウィキによると神話に出てくる大陸のようだが 本編には何の関係も無いようだ(たぶん) ハイパーボリア (クトゥルフ神話) - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%A2_(%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%95%E7%A5%9E%E8%A9%B1) 2025年2月8日 公開

「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」
ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 - 株式会社クロックワークス https://klockworx.com/movies/stella/ 今年も また複数のホロコーストをテーマにした映画が公開されるのだろう。 本当にいろいろな視点で、いろいろな問題を提示した 作品が作られる。 本作も(こういう視点があったんだ) と思わせる。 第二次世界大戦時 ドイツ占領下の地域、 ユダヤ人であるがゆえに迫害がされていたのだが 当然それはユダヤ人であるという証明によって対象になっていたわけで 中には自身の出実、人種を隠して迫害から逃れていた人も多かった、 命を守るためにはやむを得ないこととして。 明らかに見た目でユダヤ系であるという人は別として 一見そうではない人々は時には偽造の身分証明を保持して ホロコーストの難を逃れていた。 本作は そうした最中に自身、家族がその悲劇から逃れるために ナチス側に同胞の存在を密告する役割の女性を描いた。 戦争前にはドイツでもアメリカのJAZZが若者の心をとらえ 本作の主人公たちは そうしたミュージシャンの集まりだった、が、メンバーはユダヤ系という。 仲間を裏切り 戦後は非国民として生きた 実在の元JAZZシンガーの姿を 過酷にも明確に。 これからも また数多くの、違った視点で この大惨禍を描く作品が生まれてくるのだろう。 監督のキリアン・リートホーフ 先日ここでも紹介した、パリでの同時多発テロを舞台にした 「ぼくは君たちを憎まないことにした」 ぼくは君たちを憎まないことにした : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/99986/ で、記憶に新しい。また映画においての問題提示をしてくれた。 主演のパウラ・ベーア (僕は記憶にないが一応資料から) 「水を抱く女」(2020)でベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞。 水を抱く女 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/92696/ 最後に記された言葉 ホロコーストの生存者から私たちへのこの言葉が 本編の意味を昇華させるごとく心に刺さった。 「君たちは過去の責任者ではないが 繰り返さない責任はある」 2025年2月7日 公開

「かなさんどー」
映画『かなさんどー』公式サイト https://kanasando.jp/#top 心が温かくなる映画、 一年の終わりに このような作品を紹介できることに感謝したいです。 また 後に記しますが 本作は個人的に二つの点で特別な思いもあります。 さて タイトルの「かなさんどー」とは 沖縄の方言で「愛おしい」という意味。 舞台は沖縄の島、伊江島。 主人公の赤嶺美花。 かつて母が亡くなる際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父のことが許せずに島を出た。 その父が認知症を患い余命わずかとの知らせで7年ぶりに故郷の島に帰ってくる。 美花には許せない父、反してそれを見守る島の人々の優しい目 そして父と母だけが知る「愛おしい」秘密が明らかになり・・・物語は結ばれる。 監督の照屋年之は お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリとしてよく知られている。 監督作品として『洗骨』:2018年では「第40回モスクワ国際映画祭」にてアウト・オブ・コンペティション部門に出品。 映画監督が選ぶ日本映画監督協会新人賞(2019年度)を受賞している。 主演の美花役には沖縄出身の松田るか:NHK・連続TV小説「ちむどんどん」・大河ドラマ「光る君へ」などで注目される 母、町子役を堀内敬子:劇団四季のヒロイン役を経て、三谷幸喜監督の映画「THE 有頂天ホテル」など 父、悟約の浅野忠信、は改めて書く必要は無いだろう。 個人的には脇役の「Kジャージ」、沖縄出身のお笑い芸人のようだが 彼の何とも言えない演技が、この作品を通しての良いダシになっていると好感が持てた。 冒頭に記した 個人的に二つの点で特別な思い、とは。 一点目: 「伊江島」 まず舞台である沖縄の伊江島。 僕が大好きな島なんです。 沖縄本島の北西部にある本部港からフェリーで1時間ほどにある中規模の島。 島の半分は米軍基地で、那覇から距離もあるゆえに あまりメジャーな島ではないし観光で行く人も多くはないので 人気の沖縄の中でも知る人もそう多くはない。 が、ゆえに、特有な魅力を持つ地で 僕は今から30数年前に何年もの間通い続けた島だ。 伊江島案内(えっへん!): 「タッチュー」 映画にも出てくる「タッチュー」と呼ばれる山 正式には「城山」(グスクヤマと読みます)という標高200メートル弱の山で 緩やかな島の中心部にポツンとたたずむどこからでも見ることのできる島の象徴。 急な階段があり何度も登りました。 ここから見る360度の伊江島と海の眺望のすばらしさと言ったら感無量です、風も心地よい。 「ワジー(湧出)」 米軍基地の手前の海岸には「ワジー(湧出)」と呼ばれる真水が湧き出す海岸(岩礁)があり 外洋を前に周辺で泳いで(外海ですがサンゴ礁があるから実は安全です、が泳ぐ人は誰もいません!) すぐにこの湧き水の所に行ってザブンとすれば真水でさっぱりの 超穴場のスイムスポット。 「ニャティヤ洞」 太平洋戦争沖縄戦では防空壕として多くの人を収容した事から「千人洞(ガマ)」とも呼ばれていて 少し怖い感じのする洞窟。 中には「力石」という10~20キロぐらいの石が置いてあり、持ち上がれば子宝に恵まれるとのこと。 当方の奥さんが頑張って持ち上げていました。 毎日、ほぼプライベートビーチで泳いだ後は 地元の人しかいない居酒屋で泡盛の瑞泉を楽しんだのであります。 そうそう、定宿にしていたタッチューのすぐ麓にあった今は無き「ヒルトップホテル」、 渥美清の寅さんシリーズ、沖縄ロケで使われたそうだ。懐かしいなぁ・・・・・。 ということでなんだか観光案内になってしまった。 ともかく僕にとって思い出の多い島です。 詳しくは下記を。 観光.イベント | 伊江村公式ホームページ https://www.iejima.org/bunya/kanko/ さて2点目: 試写を始めて 冒頭のクレジットみて (この映画作ってるの、よく知っているあの会社じゃないのか?) となったわけです。 で、そうかなーー?なんて思いながら見てたんですが 物語が進むうちにその世界に取り込まれてしまいそんなこと忘れて エンドクレジットをぼーっと見ていたら 何と「製作総指揮」には僕のごくごく親しい人物の名前が記されているし 他にもよく知った名前が!!! で、、制作会社も勘違いではありませんでした! ラストシーンの鉄砲ユリの花花花、あの人達もきっと額に汗して、微笑みながら手伝ったんだろうな・・・と。 ともかく 一年を締めくくるこの時期に このような 心温まる感動作に出合えて ありがとう! 極楽映画大賞:ハートウォーミング部門ノミネート 2025年1月31日 公開 さて、次週はいよいよ 「極楽映画大賞」の発表です。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した作品: 「ドキュメンタリー映画 鹿の国」 ドキュメンタリー映画 鹿の国 https://shikanokuni.vfo.co.jp/ 2025年1月2日 公開 「オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ」 映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト https://auction-movie.com/ 2025年1月10日 公開 「ディックス!!ザ・ミュージカル」 A24初のミュージカル『ディックス‼ ザ・ミュージカル』公式サイト|2025年1月17日(金)公開 – 第48回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門<観客賞>受賞 『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』のスタッフが贈る、最高に不謹慎で愛おしいA24初のミュージカル! https://transformer.co.jp/m/dicksthemusical/ 2025年1月17日 公開 「怪獣ヤロウ!」 映画「怪獣ヤロウ!」公式サイト https://www.kaijuyaro.com/ 2025年1月24日 公開 「映画を愛する君へ」 2025年1月31日 公開 「かなさんどー」 映画『かなさんどー』公式サイト https://kanasando.jp/#top 2025年1月31日 公開 「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」 映画『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』公式サイト https://www.culture-pub.jp/goldfinger/ 2025年1月24日 公開 「Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり」 Brotheブラザー 富都(プドゥ)のふたり | 富都青年 ABANG ADIK | reallylikefilms 2025年1月31日 公開

「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」
マレーシアの映画。 色々と映画はみてきたが、マレーシアの映画は初めて。 舞台は首都クアラルンプールのスラム地区プドゥ(富都)、 主役の二人は身分証明書(ID)さえ持たない孤児。 この過酷な環境の中で2人は血のつながりはないが兄弟として 助け合って育った。 IDがないとまともな仕事にも就くことができない。 しかも兄はろうあ者。 それでも兄は実直に市場で日雇い労働者として日々の糧を得、 対して弟は裏社会に手を染めて危ない状況に。 そんなおり、弟の実父の所在が判明し、IDが発行できる可能性でてきたが 思わぬ展開で2人に激震がはしる。。。 マレーシアが現実に抱える問題と 私たち(日本人)には想像もできない過酷な環境の存在 それに反比例するかのような確かな兄弟愛を描いている。 劇中でキーとなるある事件 その場面で僕は(?)と疑問を感じたが それはラストで見事にクリアされたところが 作品のつくり、計算の良さがあるといえる。 「マレーシアの映画」と書いた。 正確には マレーシアを舞台にしたマレーシアと台湾の共作。 そして兄役のウー・カンレンは台湾のトップスター 演技の妙がさえる。 そして本作で2023年の 「金馬奨」で見事に最優秀主演男優賞を受賞している。 で、「金馬奨」って何?と思われる方も多いと思う。 台湾の映画賞とのことで詳しくは下記をご覧いただきたい。 金馬奨 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%A6%AC%E5%A5%A8 2025年1月31日 公開

「オークション ~盗まれたエゴン・シーレ」
映画『オークション 〜盗まれたエゴン・シーレ』公式サイト https://auction-movie.com/ 美術鑑賞の一つの方法として 「自分がその作品を買いたいかどうか、という目で見る」 という考え方がある。 この方法は鑑賞するうえですごく有効だと思って 僕は常にそうしている。 そもそも鑑賞する人の目の基準は千差万別で、何が正解なのかなんてないわけで もちろん、自分の好みかどうかという見方はあると思うが そこに「自分が買うかどうか」という尺度を加えると、自然鋭さを増す。 もちろん、実際に買う(買える)わけではないですよ・・・。 さて 僕はそもそも美術鑑賞が大好きで (先日も東京都美術館で開催中の「田中一村展」に行って感動してきた) 映画でも美術品を扱ったものは前かがみで観ている。 その中で、サスペンスというか推理物というかで、すぐに思い当たるのが 「鑑定士と顔のない依頼人」 鑑定士と顔のない依頼人 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/78310/ や 「黄金のアデーレ 名画の帰還」 黄金のアデーレ 名画の帰還 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/81867/ 特に「黄金のアデーレ 名画の帰還」は本作の題材エゴン・シーレの作品と 同じような運命をたどった クリムトの代表作黄金のアデーレ」を巡るストーリーなので尚更。 2作ともぜひ配信でも見られると思うのでまだの方はお勧めします! で、本作。 第二次大戦時、ナチスに多くの古典的、近代的な名画が略奪されたことは良く知られている。 そしてなかには(ヒトラーなどの個人的見解からか)現代美術作品は「退廃的」ということで その多くが破棄され、または闇に紛れて行方不明になった。 その中にエゴン・シーレの名画「ひまわり」もあった。 そして2000年初頭に若い工員労働者の家でこの名画が発見された。 本作はこの事実をもとに作られたストーリーだ(この事実以外の内容はフィクション)。 パリのオークション競売人、もともとの権利保有者のユダヤ人一族、鑑定人、労働者階級の工員とその家族 様々な思惑を軸にした物語が 作品の展開を見ごたえのあるものにしている。 一点、主役の元妻で仕事の相棒役が女性弁護士との恋愛関係?のような描写があるが、 そこが何なのか、本作の中でどういう意味があるのか???よくわからなかった。 まっいいかぁ。 監督:パスカル・ボニゼール 主役:アレックス・リュッツ(小説家・映画監督・お笑いタレント) 元妻で仕事の相棒役:レア・ドリュッケール とのことだ。 因みに 美術愛好家である僕ですが 嗜好は至ってコンサバです。 なのでエゴン・シーレは好きではありません。 なので買いたいとは思いません、買えるわけないですけどね。 2025年1月10日 公開