「うしろから撮るな 俳優 織本順吉の人生」
ドキュメンタリー映画『うしろから撮るな 俳優 織本順吉の人生』(監督:中村結美)2025年3月29日(土)より新宿K's cinemaにて公開!
どこからどこまでがドキュメンタリーなのか演技なのか。
俳優として70年以上にわたり2000本以上の映画やTVに出演した
織本順吉。
だれでもどこかで何度も演技を目にした、名わき役。
その92年の生涯最後の5年間を
実の娘が撮影、監督を務めたドキュメンタリー。
役者っていったい何なんだろう。
彼の老いた姿、半分認知機能が衰えてでも
それでも、役者としてあり続けようとする姿
時には家族に暴言を吐き自分の役を演じなければとする姿
それを、ここまでまざまざと映像として映し出されると
見ている側もつらくなるし、
このような疑問の渦に巻き込まれもした。
「人間って完成して死んでいく人なんていない。
ほら、みんな未完成で死んでいくんだから。
『完成しました』って死んでいく人は嘘ついてるんだから」
「どうして後ろから撮るなと?
どういう死に方をするかわからない、
後ろからも死を覚悟を持ってカメラに入っているのか?と怖くなるから。」
映像に残した彼の言葉は重い。
そして
最後の出演作品で
病床で『死』を演じた、これが本当の最後の作品になったと。
でも、僕はこう思う、
このドキュメンタリーが最後の演技だったと。
2025年3月29日 公開