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木曜日はモグモグ食べること・フランス家庭の食卓から【1月はガレット・デ・ロワ!】

寒いくて雨も多いどんよりとした空模様のフランスの冬。

人々は家の中に楽しみを見つけていきます。

楽しみとは何か?

みんなが好きなこと、それは食べることなのではないでしょうか。

クリスマス、年末と散々食べたり飲んだりしたのに、まだ食べるの?!と思う方もいるかもしれません。

でも、コレ、一応、宗教的な風習からきているものなんです。

本日、1月6日木曜日は「エピファニー」(公現節)。

カトリック教会のイエス・キリストの顕現日を記念する日です。

この日にガレット・デ・ロワ(Galette des rois)というケーキを食べます。

パイ生地でできたケ-キの中にはフランジパ-ヌというア-モンドクリ-ムが入っていて、家族や友達と切り分けて食べる。


そして、このケーキ、(ガレットと呼びます)の中には【フェ-ヴ】という陶製の小さな人形がひとつ入っています。【フェ-ヴ】とはフランス語で「そらまめ」を意味し、遠い昔には本物の【フェ-ヴ】がガレットに入っていました。

こちらは、人形のフェ-ヴ

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この【フェ-ヴ】が自分の分に入っていたら、その人が


王様になれる!


【ガレット・ド・ロワ】のロワ(rois)とは王様のこと

【フェ-ヴ】があたったら、紙でできた王冠をかぶせてもらえて

その日は王様になれるんです!

幸せな一日を過ごすことができるとも言われています。

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そこで、ガレット・デ・ロワの食べ方なのですが、

① 主催する人が人数分を切り分けておき、ガレットにナフキンをかけて見えないようにしておく。
(これは、ガレットの切り口からフェ-ヴが顔をださないようにするため)

② 主催者が、「これは誰の分?」と聞くと、いちばん年少の人(たいていは子供)が「これは、xxちゃんの分、そして、こっちは○○さんの分」
と、分配していく。

③ みんなに配られたら食べる。
この時、大事なのは、フェ-ヴが入っていたことを最後まで誰にも知られないように食べること。

④ みんなが全部食べ終わったら、当たった人が公言する。

⑤ 王様の決定。王冠授与。


文頭に、今日1月6日にガレット・デ・ロワを食べる日だと書きましたが、

なんせグルメなフランス人、実はクリスマス前後から食べちゃってます。お店には1月中はあるので何回でも食べていいんです。

パン屋さん、ケーキ屋さんではクリスマスの後、すぐに店頭に並び始め、

ス-パ-では例年より早く、12月の初旬にはぼちぼちと出始めていました。

そして、フェ-ヴも今では人形だけではなく、もうすごい種類のものが入っていてビックリします。

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平たいフェ-ヴもあります。

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こんなにいっぱいのフェ-ヴ、どれだけ食べたんかいと思われますよね。

実は写真のフェ-ヴは、身内の形見分けの一部です。

彼女がコレクションしていたものを受け継ぎました。大事にしています。


フランスでは、大晦日の12月31日にまたご馳走を食べて新年をお祝いします。その時によくデザートとして出されるようになったガレット・デ・ロワ。時代が変われば風習も少しづづ変わっていきます。

ということで、あとりえ・あっしゅも実はもう食べちゃいました。

家族で年末年始を義母の家で過ごしたため、年内に家族内で王様が決定しました。

パン屋さんにガレット・デ・ロワを買いに行ったら沢山並んでいました。

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ガレットの中のクリ-ムにはフランジパ-ヌ(ア-モンドクリ-ム)以外にりんごやチョコへ-ゼルナッツなどバリエーションがあります。

大きさも一人用、4人用、6人用とあり、今回は4人用を。

そして、家族が好きなフランジパ-ヌを買いました。


こんな袋にいれてくれて、

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王冠をガレットの上に飾り

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切り分けて

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もしフェ-ヴが入っていても知らん顔をして最後まで食べる。

そして、出てきました。今年のフェ-ヴは、

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消防車の絵が!なぜに??

でも王様は喜んでいました。

今年の王様は義母です。

なぜ今年かというと、

一説によると、フェ-ヴが当たった人は王冠をかぶり、祝福を受け、幸運が1年間継続すると言われているからなんです。

だから義母でよかった。

遠く離れて住む義母とは今のご時世、なかなか会うことができない。

家族みんなで団らんして、楽しめたこの今年のガレット・デ・ロワはいつものよりも美味しかった、美味しく感じることができました。

日本でも、有名どころのお店でガレット・デ・ロワを買えるようになりました。
どんなフェ-ヴが入っているのでしょうね。


今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
感謝です。

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それではまた来週の木曜日はモグモグでお会いしましょう。


あとりえ・あっしゅ



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