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過去ではなく未来のために ~監査について思うこと~

こんにちは! あたたけ です。

忘れそうになりますが、あたたけの専門は『食の安全・品質管理』です。
なので、(お取引先様工場の)監査も仕事として行っていますが、ちょっと気になることがありましたのでまとめてみます。


さて、監査の分類?種類?はいろいろとあるらしいですが、今回は『監査者の立場』で分類して考えてみます。

第一者監査:組織内の人による監査(内部監査)
第二者監査:組織と利害関係のある人による監査(取引先による監査)
第三者監査:組織と利害関係のない人による監査(審査機関による審査)

で、『監査する側とされる側は対等の立場で監査を行うことが大切』と言われますが、『対等の立場』を実現するのは、なかなかに難しいものです。
第二者監査の場合は、どうしても買う側≒監査する側の立場が強くなりがちです。第一者監査でも、監査する側がエラソーになっていることはよくあります。

これは、監査される側の『点数をつける人の心証を良くしたい』という心理に監査する側がつけ込んでいる、ということでしょう。たぶん。
今回は『監査』としていますが、『現場の確認・点検』なども同じですね。

ですので、監査者には専門知識だけでなく(とゆーか、それ以上に)『人としての資質』が大事になります。あたたけ的には『毅然として、かつ、謙虚に』というイメージですね。
この辺りを詳しく知りたい方は、『JISQ19011:2019 マネジメントシステム監査のための指針 7.2.2 個人の行動』で検索してみてください。

さて、第三者監査の監査者(審査員)については、『人としての資質』についても先述のように指針が定められており、(いちおう)周知も行われています。
が、第一者監査、第二者監査の監査者については、明確な力量が定められておらず、大した教育も行われずに監査をしていることがあります
その結果、『上から目線の監査』が横行しているような。。。。。。

上から目線の監査をして、監査者が嫌われるのは自業自得ではありますが、『監査が意味のないものになる』のは監査される側にとっては『ムダ、時間の浪費』で、迷惑極まりないものですね。

では、なぜ上から目線の監査は意味のないものになるのか?
いろんな理由があるかもしれませんが、あたたけ的には『監査者の見栄や自己満足のため、指摘だけいっぱいしてしまう』という理由が大きいと思います。

さて、そもそも『監査の目的』は『改善・レベル向上のきっかけ』であり、改善の余地を明確にするために『指摘』が行われます。
あたたけ的にもう少し詳しく書くと、『組織の仕組みについて改善の余地がないか検討し、かけられるコスト(お金、人、時間)に見合った改善方法(最低限、方向性)を協議する場』が(第一者&第二者)監査だと思います。
ですので、監査する側は指摘するだけでなく、『改善方法のたたき台を提案する』までが仕事だし、それができる人が優秀な監査者じゃないのかなぁと思うんですよね。
なのに、『組織が気づかないような指摘をいっぱいするのが優秀な監査者』と考えているような人がけっこう多く、イラッとすることがあります。
組織が気づかないということに関して、『問題の本質を鋭く切り込んだ指摘』と『重箱の隅をつつく指摘』の区別がついてないんだろうなぁと。。。


では、『優秀な監査者』になるためには何が必要なのか?
いろんな監査を見てきてあたたけが感じたのは、『過去を見るのではなく、未来を考える』というのが大切なのかなぁということです。

結局、指摘だけして満足する人って、『相手の過去の失敗を見ているだけ』なんですよね。『失敗を未来(≒再発防止)にどう活かすか』という視点がないのだと思います。
なので、『失敗した事実』だけを挙げて終わり、原因追及⇒改善策の検討に繋がらないんだろうなぁと。

皆さんの周りにいませんか、『明らかなケアレスミスをしつこく追及する人』って。
そもそも、監査される側から、『原因はケアレスミスです』『するのを忘れてました』って言いにくいんですよね。サボってる感が出て。
それをいいことに、監査する側が『次から注意してね』ってレベルで解決する問題を、『なんでできなかったんだ!』『仕組みを見直さないのか!』とか声を大にして追及する。。。。。
ケアレスミスを軽んじるわけではありませんが、全てのケアレスミスが重大事故に繋がるわけでもありませんからね。
ケアレスミスをしつこく追及するような監査者に会った際には、『追及が必要かどうかの判断もできない程度の力量しかないのか?』と疑いたくなります。

監査に限った話ではありませんが、『未来のために過去を振り返る』ということを忘れないようにしたいものです。
過去を懐かしむのも良いことですけどね。『明日からのための気分転換』ためには。

ではでは。
今回はこの辺りで!

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