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ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』② ~事件が起こるまで~

前回の『カラマーゾフ』についての記事、意外と読まれていたのでびっくり。自己満足で終わってもいい!それでも幸せな読書をしたことを残したい!くらいの気持ちだったので。
ましてや「スキ」してくださった方、ありがとうございます。
調子に乗って、マニアックに書き進めます。
ネタバレ全開なので注意。

前回の記事はこちら。

私の読んだ文庫はこちら。

1 三兄弟の紹介


まずカラマーゾフの三兄弟を知らない方のためにざっくりと紹介。

①長男・ドミートリー(ミーチャ)28歳
②次男・イワン 24歳
③三男・アレクセイ(アリョーシャ) 20歳

三人の父は、フョードル。母親は、ミーチャだけアデライーダ(気が強くて色黒、性的魅力少なめ?)。イワンとアリョーシャの母はソフィア(美人、神経症)。
アデライーダは、フョードルと離婚後、再婚したが亡くなる。ソフィアもフョードルと結婚後8年ほどで亡くなる。
子どもたちは三人とも、父親に放置され、使用人グリゴーリーの小屋で育てられる。

ミーチャは母のいとこミウーソフにひきとられ、やんちゃな少年時代を送り、陸軍学校→(いろいろ騒ぎを起こしつつ)将校になる。ミーチャの母方にはある程度の財産があって(これが小説のポイントなのだけど)、ミーチャはそのうちのいくらかを現金で手にしていたが、あるお金はすべて酒と賭博に使ってしまう放蕩生活を送る。

イワンとアリョーシャは、ソフィアの養母ヴォルホフ将軍夫人と、その相続人のポレーノフによって教育を受ける。
イワンは勉強好き&独立心があり、13歳から学校の宿舎に入る。アルバイト(家庭教師や記者)をしながら大学を卒業したあと、編集者との関わりを生かして、ジャーナリストのような仕事をしていた。

アリョーシャはポレーノフ家で大変かわいがられていたが、中等学校を退学し、突然父の所へ戻る(父もしばらく故郷を離れていたが、戻ってきていた)。父も戻ってきたアリョーシャのことはかわいがったが、アリョーシャはゾシマ長老に出会い、修道院に入ることになる。

そして、アリョーシャ20歳のとき、二人の兄が故郷に帰ってくる。
アリョーシャが二人の兄としっかり会って話をするのは今回が初めて。

ミーチャはアリョーシャのことを半ば尊敬の目で見ていて、二人はわりとすぐに打ち解けて話をするようになる。
イワンは、アリョーシャと父母を同じくする兄なのに、どこかよそよそしい。アリョーシャはこの兄に興味があるが、最初は近づきがたく感じている。

2 物語の流れと二人の女性

『カラマーゾフ』の第一部は、このように複雑な家族関係の説明が大半を占めている。
私も最初に読んだときはうまく把握できなくて、「とりあえずこの三人が兄弟だな!」くらいで読み進めた。
今、もう一度ページをめくりなおすと、三人の生い立ち、性格がより理解できて、ストーリー展開ともうまくつながる!

第一部後半(家族がそろう)~第三部までは、たった四日間ほどの出来事が書かれている。
その四日間で、父フョードルが殺され、ミーチャが容疑者となる。
第四部は、この事件の裁判と、その前夜の話。

もうここまで書いたので補足すると
ミーチャが容疑者となったのにはいろいろな理由があるけど
二人の女性が物語に大きく関わっている。

一人は、グルーシェニカ。22歳くらい?
貧しい家の出で、19歳のときから、老人に囲われる形でこの街にいる。
世間一般、どこにでもいそうな美人。
父フョードルとミーチャは、二人ともこの女性に心を奪われており、気をひこうと必死だが、まだどちらも彼女の愛を勝ち得ていない。

もう一人の女性、カテリーナ(カーチャ)。
とびきりの美人、知性、教養もある。
じつは彼女はとある成り行きからミーチャの婚約者になっていた。
ところがミーチャの心は今はグルーシェニカにあり、カーチャは傷心。それでも、ミーチャを深く愛し、信じている(ように見える)。
そして、イワンはこのカーチャをひそかに愛しているような…

長くなってしまった。
まずは三兄弟について思うことを…と考えて書き始めたけど、ここまで書いてわかった。
あ~、やっぱり私、女性たちのことを書きたいのかも!

少なくともあと一回は続きを書きます。
何か間違っていたらコメントください!



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norah
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